見出し画像

感情のジェットコースターを整理する

どうも。藁科侑希(わらしなゆうき)です。
普段は大学教員やスポーツ現場でコーチやトレーナーをしております。
今日が314日目のnote投稿です。

さて、今日はトレーナーとして関わっている組織や関係する方々に対しての想いを綴っていこうと思います。
実は昨晩から先ほどまで、色々とぐるぐると考えてしまっていました。
今は少し気持ちと頭の整理ができてきたので、文字にしようと思います。

今の結論としては、「できることに目を向けてひとつずつおこなうこと」になると思います。

この考えに至るまでに何を考えていたのかというと。
「やりがい」や「自主性(ボランティア精神)」、可処分時間、利害の一致や互いへの尊重関係など、主に自分が「人やものごとと関わりたい」と思う根っこの部分を再認識すること、を重点的に考えていたように思います。

そのために、感情として黒いモヤモヤが拭えなかったり、自分は本当はどう思っているのだろう、これまでの落ち度やできなかったことに向き合えているのだろうか、と振り返りをしたりしていました。
このことから、感情がジェットコースターのようになって、一喜一憂を繰り返していたんですね。

前置きが長くなりましたが、本日はそのジェットコースターの頭の中を言葉にして、再度改めて整理をしてみようとつとめる記事になる予定です。

●想いを盾に「やりがい」をあてがわれていないか

少し前に、今もかもしれませんが、東京オリンピック・パラリンピックのボランティアの件で、このような議論をよく目にし、耳にしていたように思います。

東京オリパラでは、有能な有資格者を長期間・薄給で雇用することや、少しでも支えたいという国民を無償で配置することに、「やりがい搾取」「サポーターをただの労働力としてしかみていない」と揶揄されることがあったように思います。

そもそも、日本と海外ではボランティアの意味の捉えられ方がまるで違います。
日本では、「無償で」自らの善意を持って自主的に活動する行為として捉えられ、無償での奉仕ゆえ尊ばれる、という気風が強いように思います。

【Wikipediaより引用】
ボランティア(英: volunteer)とは、自らの意志により(公共性の高い活動へ)参加する人のこと、またはその活動のこと
特に日本語としてのボランティアは一般的に、社会への奉仕(チャリティ)に際して用いられることもあるが、奉仕活動は何らかの権威に「奉り仕える」活動であり、また戦前の勤労奉仕のように強制性を伴う活動も含まれる点で、自発的でない活動は含めないボランティア活動とは異なる点は注意を要する。
ただし、自発的に他者へのサービス提供を行う場合も多く、両者が重なる部分もある。なお文部省の定めるボランティア活動の基本理念は、公共性、自発性、先駆性である。

このように、金銭の対価があるかないか、は概念の中には本来含まれていません。
しかしながら、有償ボランティアという言葉が認知されてきたように、ボランティアとしての自主的な活動を継続するためには、少なからずその投下する時間に対する報酬が何かしらある方が自然なのだと思います。

その報酬が現金なのか、個人が感じる「やりがい」なのか、その機会の希少性なのか、頼られている実感なのか。
それは個人によっても異なるとは思います。
また、ボランティアの活動をする側・される側の関係性にも大きく影響を受けることでしょう。

ただ、私が強く感じたのは、母校への想い、選手のためになることへの想い、自分が求められていることへの想い、そういった想いを盾にして「やりがい」をあてがわれているのではないか、自己犠牲は当たり前だと正当化されていないか、ということでした。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

●互いの想いを汲み取った上で「持ちつ持たれつ」を設計する

こうした自己犠牲の精神は少なからず、スポーツのサポーターの世界では求められます。

無償ボランティアが当たり前の、ジュニア指導現場のコーチやサポートはそれが顕著かもしれません。
「子どもの成長のために」チームとして、組織としてやることはそれこそ雪だるま式に増えていきます。
強くなればなるほど、その傾向は強くなるでしょう。

互いの想いを汲み取ること、両者側の視点からの幸せを考えて、負担のバランスや「持ちつ持たれつ」の対価・報酬を設計する。

これが何より大切だと思っています。

そんな中でまず考えるべきは、「関わってくれる人」への感謝を表面化・具体化することだと思います。
対価や報酬は、何も金銭だけではないのです。

相対した時のお礼の言葉をはじめ、構成員としての記名や密な報告・相談、一体感を出すためのチームウェアの発注、対外的な広報コラムや記事での取り扱い、など。
その人が嬉しいと思うことは何か、を想像して設計すると、選択肢はいくらでも出てきます。

これらは、ボランティアを享受する側がサポーターの想いを真正面から受け取り合うことができれば、自然発生的に出るものではないか、とも思っています。
「あることが当たり前」「サポートされることの価値がわからない」と、選手とスタッフの想いの乖離が起こります。

このような乖離や負担のアンバランスを起こさないためにも、どちらかが上・どちらかが下という関係性を排除して、ヒト対ヒト関係で互いを尊重し、想いを汲めるようなコミュニケーションを重ねる必要があると思います。
さらに言えば、それをシステムに落とし込んで、自然とそう思えるようにチームや組織の「バリュー」の設定と習慣にできることが望まれます。

ただ、まかり間違っても「感謝が欲しい」のではなく、必ずお金が欲しいのでもなく。
時間はかかってもいいので、互いが互いを大切に、尊重して、「サポートをする・される」が気持ちよくできる関係であり続けたい、というだけなのだと思っています。

大切に想うから、大切に想われる。
至極シンプルですが、とても大事にしたい考え方です。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

●時間の投資や専門性の価値をどう認識するか

今回もフォーゼロスタジオで配信しながら記事を書いていて。
その中で、ASAKOさんがコメントくださったことが、この感情の本質をいぬいているような気がしたので、引用させていただきます。

その時には気づかなくても、後になって理解をし、自分が受けたものを自分の下の世代に返していくことが、感謝の形にもなったりしないでしょうか

思わず「それです!」と興奮してしまいました。
自分が関わってきた時間分、その集団や組織に暗黙知として蓄積すること。
そして、その暗黙知が代々受け継がれ、根付いていくこと。
それが、チームや組織に所属して、自分の存在感や価値を感じることだとも思うんです。

しかしながら、その時間の投資や専門性を活かした活動、教育に従事したとしても、毎回同じことの繰り返しを指導しなければいけない現状や、むしろ集合知が後退していることを目の当たりにすると、忸怩たるものがあります。

それを裏返すと。
自分たちの価値はなんだろう。
価値や感謝を感じてもらえていないのではないか。
もっと言えば、十分な教育効果と価値を提供できていないのではないか、と感じてもいたのかもしれません。

選手たちに直接関わって、「ありがとう」と言ってもらえる即時的なお返しを欲しいだけでなく。
互いに一緒に過ごす時間を、価値あるものとして後々振り返って感じてもらえることが何より嬉しいのだと思います。

最後に、こちらもフォーゼロ仲間のオーマさんにいただいたコメントを。

でも教育はとても未来のために必要なことなので、組織として持続できる状態をつくることが大事な気がしました!

人を育てる環境にいられるということの責務と、組織として破綻しないような活動やシステムをいかに作るか。
これらを肝に銘じ、今後も精進していこうと思います。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

今日はここまで。314日目おわり。
お読みいただき、ありがとうございました!
それではまた明日。

#毎日note
#note毎日更新
#スキしてみて
#わらし

-----

今日の #standfm

#わらし式トレーニング   【通称】 #わらトレ

今日の #マイキーチャレンジ 【通称】 #マイチャレ #朝活

-----

毎日のトレーニング投稿は基本以下の2つ。

#マイキーチャレンジ   |マイキーのためのシェイプアップベーシックトレーニング
#わらし式トレーニング   |バドミントンパフォーマンスアップのための現場向けトレーニング(一部自宅トレ)

よければフォローやいいね!RT(特にリツイートが嬉しいです!)をしていただけると大変喜びます。

今後とも引き続き楽しく頑張ります!

https://twitter.com/warawarac

スクリーンショット 2021-06-01 12.09.18

【保有資格】
 博士(スポーツ医学 筑波大学)
 日本スポーツ協会公認バドミントンコーチ3
 日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー
 日本障がい者スポーツ協会公認障がい者スポーツコーチ
 日本障がい者スポーツ協会公認中級障がい者スポーツ指導員
 日本障がい者スポーツ協会公認障がい者スポーツトレーナー
 NSCA認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト
 NSCA認定パーソナルトレーナー
 高等学校教諭専修免許(保健体育科 茨城県)
 中学校教諭専修免許(保健体育科 茨城県)
 赤十字救急法救急員

【現在の大学担当授業】於:東京経済大学・千葉大学・東洋大学
 <体育実技>
  ●バドミントン ●卓球 ●バレーボール ●トレーニング理論実習
 <ワークショップ科目>
  ●テーピング・マッサージ実習 ●スポーツ医学理論実践
 <講義科目>
  ●健康の科学a ●健康の科学b ●スポーツとの出逢い


この記事が参加している募集

スキしてみて

トレーナー・コーチ・教育者・研究者に役立つ情報を日々発信していきます! サポートしていただけると、それが活力になってより楽しく内容の濃いものが発信できるかと思います^^