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小学館の新入社員研修資料をnoteで作ってみた

みなさんこんにちは。和樂web編集長のセバスチャン高木です。

なんの間違いか常に窓際道を邁進していた私がなんと!(いつも言っていますが「なんと!」は口癖なので「さて」くらいに思ってね)小学館の新入社員のみなさんの講習を任されることになってしまいました。

「人は石垣、人は城、人は堀」と武田信玄が言うように新入社員のみなさんは小学館にとって宝です。もうすぐ現場から離れるであろうサラリーマン生活の余生も彼ら彼女たちに担っていただかなくてはなりません。

以前和樂webのTwitterアカウント乗っ取りの方法を書いた時にnoteをホワイトペーパーとして使うと、パワポとかよりさくさく作成(あれ、韻踏んでる?)できたので、新たな試みとして新入社員向けの研修資料をnoteでつくることにしました。

新入社員の諸君!もうこれさえ読めば当日は寝ててもいいぞ。オンライン講習なんて私には荷が重いんだから。

きっと君たちはコミックとか、女性メディアとか、コロコロとか、あるいはコンテンツビジネスとか、花形部署に配属されていくんだ。その時に少しでも変なおじさんのことを思い出して、仕事の声がけをしてくれるとうれしいな。

noteをホワイトペーパーとして使った実例はこちら。

まずは自己紹介

1970年生まれ。もうすぐ50歳。研究者を目指すも大学院受験に失敗し、やけになって2年ほどバックパッカーになる。
帰国後、新卒扱いで小学館の入社試験を受けるも三次面接で落ちる。受験時のキャッチフレーズは「すべての雑誌を再生紙で印刷する」。で、言われたことは「君は朝日新聞に行った方がいいんじゃない」。(「俺にも朝日新聞にも失礼だろ!」と怒りを露わにしてしまったことが落とされた理由だと信じている)
やけになってテレビの制作会社に入社。入社翌日の朝5時に砧のスタジオに呼び出され、ロバのパン屋の着ぐるみに入る仕事を任される。仕事って大変なんだなぁと実感。

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ロバの着ぐるみには二人で入る。新入社員の私は当然後ろ。先輩の尻に顔を埋め中腰のまま6時間ぶっ続けという過酷さであった。
せっかく入社したテレビの制作会社はテレビバブル崩壊の余波をもろにかぶり経営困難に。ADだった私は手取りが6万円ほどになってしまい生活ができないと判断し入社半年で転職活動をする羽目に。
ちょうど小学館が中途採用をしていることを因縁の朝日新聞で知り記念受験。なぜか合格。(ほかに受験をしていたのはエロ本の出版社)
漫画の編集者になりたくて小学館に転職したのに、配属はなぜか女性誌。よくよく聞いてみると、その時の中途採用は創刊が決まっていたDomaniの編集を集めることが主目的だったらしい。

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Domani創刊号表紙。表紙のモデルはヒロコ・グレース。30代の働く女性のためのファッション誌誕生の瞬間だ。
よって現取締役で、Domaniの創刊を任されたH氏は私の採用に関して猛反対であり、入社後しばらくは名前で呼ばれることはなかった。また、人生で初めて「お待ち」「おだまり」という言葉で叱責されたのもこのころのことである。
兎にも角にもDomaniでカリスマモデルの愛犬を担当し7年勤めた頃、創刊して2年経っていた和樂への異動を命じられる。(業務連絡、キャプションの話は好評だったので説明しよう)
以後2019年初頭まで雑誌和樂の編集を17年(最後の3年は編集長)。
2019年に和樂が女性メディア局から文化事業局に移管されるとともに雑誌を離れ、WEBメディアと商品開発、コンサルティング担当(ようするに何でも屋)となり今に至る。
日本文化に関してまったくの素人であった私がなんとか和樂の編集という仕事をここまで続けてこられたのも大好きな漫画のおかげだった。

貴重な時間(ここまで10分予定。残り60分)をいただいてなぜ長々と自己紹介をしたのか?

それは私の人となりを知っていただくことがスピーカーとして非常に重要なことだと思うからです。

これから諸君に説明することは、こういうキャリアを歩んできたおっさんのバイアスがバリバリかかっているんだということを重々承知の上、今後の社員生活に役立てるなり無視するなりしていただければ幸いです。

ではいってみましょう!

私が所属している文化事業局とは?

■文化事業室と和樂事業室が合体してできた

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文化事業局は出版局の文化事業室と女性メディア局の和樂が合体してできました。小学館の局の中では一番新しくて編集部門では一番小さな局です。

(さらにいうのであれば平均年齢もおそらく一番高くて55歳くらい。限界集落ならぬ限界局です。私は今回の新入社員研修で研修をしにきたのではなく、この局を救ってくれる救世主を探しにきたのです。)

■文化事業局は何をやってるの?

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文化事業局の仕事は大きく3つあります。

①美術出版

あまり知られていないかもしれませんが小学館は美術出版社としての顔を持っています。古くは「原色日本の美術」。最近では最後の美術全集とも噂される「日本美術全集」を小学館90周年事業として刊行しました。

装丁技術を駆使した豪華本の出版も得意分野です。

②和樂ブランドビジネス

後述しますが、雑誌、ウェブ、商品開発、コンサルティングなど、「和樂」をブランドとしてビジネスを展開(する予定)。

③藝大アートプラザの運営

2018年10月2日に、東京・上野にある東京藝術大学のキャンパスに
「藝大アートプラザ」が誕生しました。ここは、藝大の学生、教職員、卒業生の作品が展示され、購入できる場所。2学部14学科にわたるアーティストの作品が並び、学内を超えて、社会に、世界に開かれた、いわば藝大の出島です。

■新しい動きが始まっている

日本経済新聞社と協働でスタートした「UKIYO-E2020」プロジェクトを企画。日本文化をテーマにしたビジネスに積極的に進出しようとしています。

(30分くらい経ったかな?私に残された時間は40分です。質問も10分くらいあった方がいい?だとすると30分か。)

ここからは和樂の話です

■編集長時代の”雑誌”和樂の編集方針

①3ワーズマーケティング②ばかばかしいことマーケティング③読者ファーストマーケティング④下から目線マーケティング⑤Do増!マーケティング

■商品開発にも進出

日清食品カップヌードル×縄文Doki☆Dokiクッカー

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日清食品チキンラーメン×日本の技

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棺までプロデュース

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いろいろつくっているから暇な時に見てね。

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いろいろやったけど和樂は基本的には雑誌なので、その枠内でチャレンジするのは至難の業でした。つまり、紙媒体にいろんな役割を背負わさせすぎてもうしっちゃかめっちゃかになってしまいました。

和樂webのスタッフが私に関してすてきなプレゼンシートをつくってくれたので貼っておきますね。お手すきの折にご覧ください。

そこで!

WEBメディアやSNSを整備して雑誌が背負っていた荷物を分散させることにしました。だっていろんなものを”つなげる”のはWEBの得意分野ですよね。

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さらに

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これまで雑誌を編集の中心領域としてきましたが、これからはWEBやリアルな場所(施設やイベントなどのディレクション)、もの(コラボレーションや商品企画)にまつわる編集も展開してきます。雑誌だけでなく、WEB・場所・ものへ、領域を拡げていくイメージです。

で、その時ハブになるのはきっとWEBになるんだろうなぁと思っています。

■で、できたのがこんなWEBメディアです

私たち和樂は日本文化の入り口マガジンです。
和樂が考える日本文化の魅力、それは多様性です。長い時に育まれた多種多様な職人の技、凄まじいまでの技巧と気迫が発露した日本美術、数えきれないほどの種類を誇る地方文化、そのすべてが魅力に満ちており、私たちの人生を豊かに彩ってくれます。
国内外でブームを迎えつつある日本美術は、それぞれが豊かな着想を持った絵師、世界でも類を見ない独特の進化を遂げた技法とあいまって、日本文化の多様性の象徴ともいえる存在です。
そして日本文化の多様性のベースとなるもの、それが地方が持つ文化の豊かさです。
北は北海道から南は沖縄まで、日本はその土地土地によってまったく違う風土に基づいたバラエティに富んだ文化があります。これほどの多様性を持った国がほかにあるでしょうか。
私たちはこの豊かな地方の文化をそのままの姿でみなさんにお届けします。
都市生活者、海外からの渡航者、あるいは、ほかの地域から訪れる方にとって、美しい姿を残す地方の町並みはまさにそれ自体が文化のアミューズメントパーク。
アミューズメントパークを楽しむように地方の町を楽しみ、地方のいいものにふれる。そんな日本の楽しみ方を私たちは提案していきます。
「日本美術」や「地方のいいもの」に代表される日本文化は世界最高の知的エンターテインメント。「和樂」はこのエンターテインメントを心行くまで楽しんでいただくためのWEBマガジンです。お手すきのおりにご訪問いただければ幸いです。

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■WEBの編集部だから運営はバーチャルで

現在運営スタッフ約6人+全国から集まったライター軍団約80人とSlackでやりとりしながらコンテンツを制作しています。Slackが単なるメールの代替ツールではなく、インターネット上の編集部のように機能しはじめました。

人生相談も忘年会もSlackで

■WEBメディアの運営ツールはいろいろ

スクラップボックス

Scrapbox導入のきっかけ

1スタッフが増えたから
和樂webは100万UUを達成し、今年はWEBメディアとしての成長だけでなく商品開発や広告案件の拡大を目指すべく、チームもちょっぴり拡大することになりました。で、2020年に入ってから運営スタッフの人数が5人→7人に。口頭かSlackで情報共有していたので、いざ新しいスタッフに編集のフローを伝えたくても、どこを見てもらえばよいかわからない...!
2.ミスも増えたから
記事の数もライターの数も増えて、ミスも増えました。都度どうしたらよかったのか今後どうするべきか反省していましたが、それも会議だけで流れてしまうため、その場にいない人への共有方法や、後日ふりかえる場所がなかったのです...!
以上2つが大きな悩みポイントだったので、フロー型のSlackは継続してライターのみなさんとのコミュニケーションに使いつつ、運営スタッフ間でのコミュニケーションとナレッジ共有の場所として、ストック型のScrapboxを導入しました。

ZOOMとSnapcamera

和樂webも流行に乗って、ZOOM(オンライン会議室)とSnapcamera(動画フィルターアプリ)を使って会議を行いました。

オンラインスナックも開催

最近の和樂web編集部は、ZOOMを使った動画mtgを頻繁に開催しています。ZOOMを使う前は、相談もSlackとかScrapboxでのテキストベース。的確に情報を伝えようとすると、どうしてもクールな空気が漂ってしまいます。その点、動画だと、文字ではこぼれおちてしまう表現とか表情もふんだんにあって、リアルに近い感触で気軽に会話できます。動画のおかげで、少し日常の仕事の進め方に戻ったような感覚です。でもまだまだ、雑談が足りな〜〜〜い!
とにかく雑談に飢えていたので、和樂webのライターのみなさんとお話しする場所をつくっちゃいました。
題してオンラインスナック「鳩のとまり木(※)」です。
※命名、セバスチャン高木

■こんなプロジェクトにも関わっています。だから何でも屋

和樂webは人と書店を結ぶ「御書印プロジェクト」という企画の運営を手伝うことになりました。いや、手伝うことを決めました。(はい、こうやって新しい企画に手を出してはスタッフから白い目で見られるのはもう慣れたので平気です)

■こんな時代なので商品開発もオールリモートです

全国の作り手のもとへ足を運んでコミュニケーションをとるのが難しい今。和樂webはZOOMを使った商品開発に挑戦します!

■そしてこれから

日本文化の入り口マガジンである「和樂web」。そのミッションを一言で言うと「日本文化の民主化」です。
多様な日本文化の楽しみを伝え、シェアし、語り合うための場所と入り口をつくる。ライターもオーディエンスも編集部も、みんなが活動できる場所を実現するために、WEBメディアを作っています。

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もうこのへんでタイムアップですね。

新入社員のみなさん、ご静聴ありがとうございました。わからないことやこんなことができない?みたいなことがありましたら、いつでもお声がけください。ほんとにほんとです。

そして最後にふたつだけ私からお願いがあります。

ひとつめ。みなさんが入社したのは総合出版社です。私が女性誌に配属されたように、必ずしも希望の部署に配属されるとは限りません。

ですが、とにかくなんでもいいので自分が持っているものを活かして、自分だけしかできないメディアをつくるチャレンジをしてください。編集部門でなくても、出版社ならではの管理部門、営業部門のメディアのつくり方があると個人的には思っています。

あ、でも、どうしても強く希望される部署があるようでしたらその希望はずっと持ち続けていてくださいね。私はこんな性格なのでどこでもいいや、仕事があるならみたいに生きてきただけです。

ふたつめ。でも、どうしても合わない、そんなことは誰にでも起きる可能性があることです。

その時は迷わず誰かに相談してください。ひとつめにあげた総合出版社だから希望の部署に配属されないかもしれないということは、逆に言うと総合出版社だから必ずフィットする部署があると言うことです。

誰にも話す人がいなければ、そんな人はいないかもしれませんが私宛に連絡をください。まったく権力がないので具体的に何かをすることはできないかもしれませんが、心ゆくまでみなさんの話を聞かせていただきます。

時間があまっていたら質疑応答に入ります。




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セバスチャン高木のスティーブ・ジョブる日記
セバスチャン高木のスティーブ・ジョブる日記
  • 26本

雑誌を卒業し、50前にしてウェブメディアと商品開発担当となった編集長のセバスチャン高木が暑苦しく編集後記を書き殴ります。2020年3月20日マガジンタイトルを変更しました。

コメント (1)
すごく楽しそうな研修ですね! もぐりこんで聞いてみたくなりました。笑
新人研修を担当する時に、気をつけていることがあります。

・研修の目的を伝える
(すごくイマドキなんですが、「なんでこの研修が必要なのか理由を説明して」と言う人もいます。コワイ)
・数字を出す
(すごくイマドキなんですが、「数字で説明こそホンモノ」と考える人もいます。コワイ)
・クイズを出す
(聞いているだけだと寝てしまう人もいるので、途中でクイズをはさんでいます。「棺がいくつ売れたでしょー?」とかいいかもしれません。知りたい)
・課題を出す
(今年は記事タイトルを考えてもらい、実際にそのタイトルで広告配信してクリック率とフィードバックを返しました。ガチなので真剣さが変わりました)

弊社は規模が小さいので可能なのだと思いますが、参考になればうれしいです。「和樂」の読者として、こんな楽しい研修が受けられるなんて、うらやましい!のひと言でした!!
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