米中戦争の臭い

■武漢ウイルス(COVID-19)パンデミック
 中国の武漢を発生源とする武漢ウイルス(COVID-19)パンデミックは、政治・経済・軍事に影響を与えている。アメリカ海軍の空母4隻、フランス海軍の空母1隻から感染者が出た。トランプ大統領はWHOへの拠出金停止を公表し、米中対立は場外乱闘に移行した。この場外乱闘は世界を巻き込み、各国の思惑が流れを作り始めている。

■アメリカ軍の強み
 アメリカ軍の強みは基地ネットワーク。それは戦闘部隊と後方支援部隊の比率で違いが出ている。僅か5%の違いだが、世界に展開するアメリカ軍の強さを支えている。

基本的な軍隊:戦闘部隊40%・後方支援部隊60%
アメリカ軍 :戦闘部隊35%・後方支援部隊65%。

海洋戦略=目的(制海権の獲得)・手段(敵艦隊+敵基地ネットワークの破壊)・方法(艦隊と基地ネットワークの造成)

 アメリカ軍は世界各地に基地を置き、軍隊の移動だけではなく物資移動も迅速に行えるようにした。世界各地に物資を集積し、仮想敵国よりも一歩早く戦闘可能。しかも継続戦闘が可能なので、仮想敵国は結果的に物量で磨り潰される。

基本的な機能論
「戦場において打撃手段を有する部隊の運動を戦術的に操作すること」

アメリカの機動論
「機動とは、敵の弱点に向かって部隊を移動し、相対的に大きい火力を発揮して撃破することである」
 
■失われた強み
 アメリカ軍の強みは基地ネットワークであり、兵站を用いて相対的に大きな火力を発揮することだった。だが武漢ウイルス(COVID-19)パンデミックは、アメリカ空母4隻から感染者を出した。さらに悪いことに、アメリカ本土に加え、ハワイ・グアム・日本からも感染者が出た。これは致命的で、アメリカの基地ネットワークを各地で分断したことを意味する。

 人間の移動・集合は武漢ウイルス(COVID-19)感染拡大の原因だから、戦争目的で部隊の迅速な移動と物資の移動は困難。感染者が出た空母4隻は火力なので、敵軍よりも相対的に大きな火力を発揮できない。さらに物資の移動は困難だから、継続的な火力を発揮できない。

 今のアメリカ軍は、事前に集積した物資だけで戦闘することを強いられる。仮にアメリカ本国からアジアまで物資を輸送するなら、武漢ウイルス(COVID-19)を拡散することになる。しかも中継地点であるハワイとグアムも感染者が出たので、感染防止対策を行っても防ぐことは難しい。

 さらに戦争では大量の物資を消費する。毎日大量生産しなければ対応できないが、今のアメリカは多くの工場が停止。これでは戦争に対応することが難しい。感染防止対策を用いて生産したとしても、感染者が出れば生産は中断する。だから今のアメリカ軍は機動論を成立することが難しい。

■人民解放軍の弱み
 今の人民解放軍では、正面からアメリカ軍と戦えない。正面から戦えば人民解放軍が敗北する。人民解放軍は急速に近代化したのは事実だが、質・量・基地ネットワークで劣っている。特に人民解放軍の基地ネットワークは貧弱で、国外に遠征する能力は無いに等しい。だから人民解放軍は、東シナ海・南シナ海で戦闘するのが限界。

 中国共産党は他の省の反乱を恐れている。だから南シナ海海岸部に、大規模な基地を置けない。仮に大規模な基地を置けば、その省が奪うと反乱の戦力になる。中国共産党は常に反乱を警戒しているので、常に北京から各省に直接人民解放軍を置く方式を採用している。

 その結果人民解放軍の製造・大規模整備が可能な基地は、北京周辺に限定されている。例えば人民解放軍海軍の原子力潜水艦は、常に黄海を中継し、太平洋か南シナ海に進出しなければならない。そして整備のための帰還も。同じ様に黄海を中継して北京周辺の基地に戻る。

 南シナ海沿岸部に潜水艦部隊用の基地が有るのは事実だが、これは水・食糧・医薬品等の補給と休息・軽整備しかできない。戦略的に重要な位置なのは事実だが、基地ネットワークとしては孤立寸前。中国共産党は反乱部隊から、素早く兵站を切り離せる様にしているのだ。

 しかも水上艦・潜水艦は、常に黄海を中継して出撃と帰還を行う。これは作戦行動を制限し、仮にアメリカ軍が黄海に機雷を敷設すれば、人民解放軍海軍を簡単に封鎖可能。これ程人民解放軍の基地ネットワークは脆弱。

■人命無視の中国共産党
 中国共産党は人命無視。これは文化大革命・天安門事件が証明している。武漢ウイルス(COVID-19)パンデミックでアメリカ軍は戦力低下。しかも強みである基地ネットワークは分断された。

 人民解放軍にも武漢ウイルス(COVID-19)感染者が出ていることは知られているが、海岸部の戦闘に限定すれば勝ち目は有る。台湾への侵攻であれば、人民解放軍の基地ネットワークでも対応可能。さらにアメリカ海軍の空母打撃群の展開は、実行できても継続的な補給が難しい。

 世界各地に反米国が存在するから、仮に米中戦争になれば必ず軍事行動を起こす。アメリカ軍も当然対応するが、これでアメリカ軍の軍事力は分散。しかも補給が難しいから攻勢が難しい。これが明らかだから、人民解放軍は局地的にアメリカ軍に対して優位になれる。

 これは中国共産党が人命無視で、人民解放軍が命令に従う場合が前提。もしくは、中国共産党が既に武漢ウイルス(COVID-19)ワクチンを持っていることが前提。だが今開戦すれば、人民解放軍に勝ち目が有るのは事実。この誘惑を中国共産党が捨てるとは思えない。

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