四面楚歌の習近平

■動きが鈍い中国共産党
 中国でガの一種であるツマジロクサヨトウによる食害が発生。さらにアフリカ豚コレラが発生。これで中国共産党は食糧不足に対応することを強要された。だがこれで終わりではなく、武漢ウイルス(COVID-19)発生。水害が発生し広範囲で農業生産が低下。中国東部ではイナゴが発生し、中国南西部ではサバクトビバッタの脅威に晒される。

 鳥インフルエンザも発生したが、中国共産党は沈静化したことを発表していない。中国全土で厄災が続いているが、中国で新たな脅威が誕生した。ダニを介して感染するが、厄介なのはブニアウイルスの新型とのこと。

中国で新たな感染症 新型ブニアウイルスで62人感染7人死亡
https://www.epochtimes.jp/p/2020/08/60498.html

 中国国内は厄災続きで、外国に目を向ければ中国共産党包囲網が形成されている。だが習近平は未だに公式の発言をしていない。本来であれば習近平の発言が必要だが、国内外に向けた方針は無い。

■対応できない中国共産党
 中国共産党は孫子の兵法・超限戦を使うから危険だと主張する者がいる。だが今の中国共産党は、アメリカ・イギリスの外交圧力に押されている。それどころか、外国の圧力に対応することに終止している。主導権は既にアメリカが握っており、中国共産党は脅威に対応するだけ。

 結論から言えば、孫子の兵法は国内戦争向けの兵法書。だから外国軍との戦争では使えない。孫子の兵法は社内の派閥争いでは有効だが、ライバル会社との市場争いには無効と言える。

 孫子の兵法は歴史上戦いの原則を記した初めての兵法書。当時の中国国内の戦争を記録として蓄積し、そこからに勝ち負けのパターンを分析した。このため戦いの原則を学ぶ者は、必ず孫子の兵法を学ぶ。だが本質を学ぶだけであり、その後は孫子の兵法から離れ、国家間の戦争の原則を学ぶ。当時は国内の戦争が当たり前だったので、異質な文化圏との戦争は経験していない。だから孫子の兵法は結果的に国内戦争を限定の兵法書になっただけ。

 白人世界でも孫子の兵法は評価されている。孫子の兵法が戦いの原則を記していることを見抜き、白人世界用の戦いの原則を研究する引き金となった。つまり白人世界は孫子の兵法をコピーするのではなく、外国軍との戦争に適合した独自の原則を構築道する道を進んだ。この違いから中国共産党は、外国との対立には対応困難な現実が土台として存在している。

■国家の戦略論から見る
 国家戦略は政治と軍事で区分されている。白人世界は経験則から政治と軍事を区分し、自国が生き残るための戦略を持つ様になっている。そうでなければ生き残れないし繁栄できない。

国家の戦略論
1:現状拡大派・征服者の戦略
2:現状維持派・強者の戦略(弱者同士を戦争させる紛争作為戦略)
3:現状打破派・弱者の戦略(瀬戸際政策)

政治家の国家戦略:主権・覇権・利権の拡大
軍人の軍事戦略 :戦争の勝利

 中国共産党は中華思想を持っているが、これが致命的なミスになっている。中華思想とは世界の中心であり国家群の頂点。つまり中国共産党は現状拡大派であり、征服者の戦略を持つことになる。

 だが現実の中華人民共和国の立場は現状打破派。今の強国はアメリカであり、他の国は弱国。中国共産党は強国アメリカに挑み、新たな平和の構築を追求している。それは中国が強国アメリカを倒し、中国が新たな強国になることだ。

 このため、中国共産党の戦略論は根底から矛盾を抱えている。中華思想を土台とすれば征服者の戦略になるが、実行段階で弱者の戦略論になる。端的に言えば、車のアクセルとブレーキを同時に踏み込んだ状態と言える。

 こうなると爆音を響かせながらノロノロと走る。周囲を威嚇することと目立つには十分。この状況を見て、今の中国共産党は勢いが有ると誤認する者も出る。実際は戦略論が土台から間違っているので、方向性が定まらない。しかも悪いことに、人民解放軍は共産党の私兵であり国家の軍隊ではない。だから軍事戦略が存在せず、国家の戦略論は永遠に成立しない。

■人民解放軍は動けない
 人民解放軍は国家の軍隊ではなく中国共産党の私兵。だから外国軍と戦闘することが目的ではなく、人民と戦うことが目的になっている。実際に人民解放軍の組織構造は警察と同じ中央集権方式で、中央から地方に人民解放軍を配置する方式になっている。欧米の軍隊は地方分権方式で軍隊を地方に配置する。この違いから、人民解放軍は国外で遠征作戦を行うことが困難。

 中国共産党は地方の反乱を常に恐れているので、地方に有力な基地を建設しない。だから陸海空の兵器生産は、全て北京周辺に限定されている。実際に原子力潜水艦・軍艦・空母などは北京周辺で生産され、整備すら北京周辺に限定されている。だから出撃・帰還は、常に黄海を使わなければならない。これは戦略としては致命的で、日米軍に黄海・東シナ海を奪われたら、人民解放軍海軍は出撃・帰還は不可能になる。

■迷う習近平
 習近平は指導者として、国内外に向けた強気の発言が求められている。だが習近平は国内の厄災対策、そして外国の制裁に対して有効な対策を公言していない。仮に非公式に実行していたとしても、既に結果として具現化されている。

 中国共産党内部には反習近平派がいるが、彼らは容易にはクーデターを実行できない。何故なら今の中国共産党は四面楚歌。クーデターを実行することは可能だが、成功した後は習近平の尻拭い。今の厄災対策とアメリカへの制裁対策を実行しなければならない。だからクーデターすら実行できないのだ。

 習近平は人民解放軍を用いて開戦しても、日米軍に黄海を奪われたら敗戦と見なされる。日米軍が南シナ海を獲得し、中国共産党は海に進出することは不可能。それどころか、海を用いた海外貿易は停止。それは米中貿易停止だから、食料をアメリカから輸入できない。そうなれば中国は飢餓に陥る。習近平は明確な対策を持てない。何故なら孫子の兵法を知っていても外国には効果が低い。しかも国家の戦略論が無いので、外国からの圧力に対応できないのだ。

私は貴方のサポートを待っています。