メイコの誕生

メイコは、夏の盛りに産まれた。
初産の母のお見舞いに、母方の祖母と母の姉が来たのだけれど、帰りの車の中でこんなことを言っていたそうだ。
「あの子はかわいそうに、嫁の貰い手がないねえ」

私がそれを聞いたのは多分思春期の頃。
容姿に対して、周りと比べて落ちこむことも多かった。祖母たちは、当然孫だから可愛がってはくれるのだけれど、そんなこと更に言われたら凹むのは当然。
でも、産まれたばかりの赤ちゃんに対してなんてこというんだ。
しかし、アルバムを見返してみるとそこにいたのは弘法大師とダルマッカを足して二で割ったような赤ん坊だった。なんか、色も黒いし。弘法大師にも、ダルマッカにも恨みはありませんけど。
(でも物心つく頃には色白で羨ましいわぁと言われてた)

これは…可愛くないわ…
そっとアルバムを閉じ、棚にしまう。

母は、事あるごとに同級生などと比べる発言が多く(大抵が娘を落とす発言。うちのコなんか〜)自分に自信が持てなかったのだけれど、天使なはずの赤ん坊の時から可愛くないとは。
思えば、可愛いって言われたことあったっけ?


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