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【ぶんぶくちゃいな】海南自由貿易港プランは香港のライバルなのか

中国ではとっくに「新型コロナ」の話題は過去のものになってしまったようだ。

あの政府はもともと、「自分たちにとって都合の悪い話」はさっさと人々にも忘れさせようとするし、また人々もそういう世論動向に慣れきっている。よく言えば「前向き」だし、悪く言えば「喉元すぎれば…」の典型である。

だからこそ、欧米が感染の第二の主戦場となってから「中国からきたウイルス」と言われて、中国はムキになった。そのこと自体は事実だし、それを認めた上でもっと前向きに話を持っていけばよいものを、反論に大量のエネルギーを投入、そのおかげで自分たちもヒートアップして抑えが効かなくなってしまった。

そのヒートアップした頭で進めたのが今話題の「香港版国家安全法」で、そしてもう一つが6月1日に正式に発表された「海南自由貿易港建設総体プラン」(以下、「海南自由貿易港プラン」)だった。念のため付け加えると、どちらもコロナのヒートアップで生まれた構想というわけではなく、政府はそれなりに以前からゆるく構想を練ってはいて、でもまだきちんと準備も整っていない、あるいはもっと事態を観察すべきだったところに、「コロナ熱」に浮かされて「どーんと手の内見せちゃった」感がある(実際に報道記事の中では、「海南島プランはもう2、3年練る必要があった」という学者の証言が紹介されている)。

前者については今ホットな話題だがまだ詳細が明らかになっておらず、なにを言っても想像の域を出ないので、今回は後者の資料を読んでみた。

●島まるごと「デューティーフリー」計画

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