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ジャニオタと特撮足湯オタ兼ねてる人の話(現場編)

※この文章はしきさん(@shikishaa)主催のAdvent Calendar 2015 #おたく楽しい への寄稿文です。http://www.adventar.org/calendars/914


早いもので12月も半ばですね。今年もGロ素面の季節がやってまいりました。

時候の挨拶かのように飛び出した『Gロ素面』という言葉ですが、初耳の方もとりあえずこの場は聞き流しておいていただきたい。

普段はジャニオタ…といいますか、NEWSの加藤シゲアキさんのモンスターペアレント的な人材としてツイ廃業を営んでおりますが、節操なしのクソオタであるわたくしは主に日曜朝は特撮大好きリアタイ実況マンになります。これは歴史改変マシン(後述)によって生まれた平行世界での出来事なので浮気ではありません。オダギリクウガと村井クウガどっちがいいとか悪いとかそういう話じゃないんです。小山さん許して。


便宜上タイトルに「特撮オタ」と言う言葉を使っておりますが、私はいわゆる広義での特殊撮影(SFX)のオタクではありません。

それどころか狭義での特撮にあたり、「日本三大特撮ヒーロー作品」のひとつでもある円谷系(ウルトラ)には疎く、土朝特撮(グランセイザーとかレスキューフォースとか)や深夜特撮(牙狼とか)にも取りこぼしが多い、厳密に言うなら「現在テレビ朝日系で日曜朝7:30~8:30まで放送されている東映特撮シリーズ(通称スーパーヒーロータイム)が結構好きな人」です。この辺が自意識的に足湯オタを脱出できない所以でもあります。ただ足湯感覚といえど15年あまり浸かってるとぼちぼち足の裏がふやける。

ということでガチ勢も多い界隈の諸先輩方の手前大変恐縮ではございますが、少しばかりその平行世界のお話をさせていただこうと思います。140字以上のまとまった文書くのが本当に久しぶりなので、お見苦しい点もあるかとは思いますがご容赦ください。


さて、ジャニオタ界隈でよく使われる言葉として「茶の間」と「現場」ってのがあります。テレビでアイドルを見て現場には行かないアイドル好きを「茶の間勢」とか呼んだりしますね。

こっちのオタにとっては茶の間がニチアサの放送、現場がショーやイベントに当たると思うんですが、この場合オタ的にはどっちかと言うとまず重要視すべきは茶の間、要するにテレビ放送の本編だと思います。

ただそれについて話すとなると10万文字は必要じゃないですか。読まないじゃないですか10万文字は。本当は『とある特撮オタクの一年間を折れ線グラフで表してみた』とか『海賊戦隊ゴーカイジャーと非公認戦隊アキバレンジャー・そして仮面ライダーディケイドの功罪』とか『或る男の生涯と安らかなる眠りのために~仮面ライダー4号によせて~』とか書こうかなって思ってたんですが、視聴してないとマジで意味がわからん話を延々するのもどうかと思い、今回はジャニオタのみなさんにもちょっとくらいは身に覚えがあるんじゃないかなと思う「現場」の話を、個人的に好きなやつ2本立てでお送りさせていただきます。ひとっ走りお付き合いよろしくお願いいたします。


第1話 ニキニキ!初心者向け用語集

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(↑この子のことを話しています)

オタ「ちょっと待ってこのスチールのマッハ超いい画なんですけど!?いや~デドヒもかわいいけどやっぱマッハガワ美少女みあるわ…つーかジェネシス多分淳さんスペクターっしょ!?ばーゆも「淳さんじゃないと」つってたけど正直我々も淳さんa.k.aじゃないマッハでイッテイーヨできるかまだ自信がありません!!いやでもスペクター…かっこいいな…まだ知らない自分が目覚めてくSupernova…」

急に何を言ってんだとお思いかと思います。しかしこれを紳士的に話そうと思うと

紳士的なオタ「お待ちください、この撮り下ろし写真の『仮面ライダードライブ』作中の2号ライダーであるマッハのスーツ、とてもかっこいいですね。1号ライダーであるドライブとの兼用アイテム・シフトデッドヒートを使用したパワーアップ形態デッドヒートマッハも良いのですがやはり基本形のマッハの造形は素晴らしいものです。話は変わりますが12月12日劇場公開の『仮面ライダー×仮面ライダー ゴースト&ドライブ 超MOVIE大戦ジェネシス』に登場する現行作品『仮面ライダーゴースト』2号ライダーであるスペクターのスーツアクターは渡辺淳さんですよね?詩島剛/仮面ライダーマッハ(声)役の稲葉友さんも「淳さんの動きじゃないとうまくアフレコ出来ない」と仰っておられましたが、去年一年間淳さんの演じるマッハを見てきた我々は劇場版で淳さん以外が演じるマッハを冷静に見つめることが出来るのでしょうか…いやでもスペクターも大変かっこよくていらっしゃる…まだ知らない自分が目覚めてくSupernova…」

倍です。目が滑るので読まなくていいです。

よって本題の前に初歩的な用語を軽くご説明させて頂きたいと思います。これがわかればとりあえず会話にはなるはずだぞ。


1.ガワ

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戦隊・ライダーはいわゆる「着ぐるみチャンバラ」と呼ばれる部類の作品ですが、要するにその着ぐるみのことです。変身後ですね。語源は「外側」の「ガワ」だと思ってるんですが間違ってたらごめん。変身後の姿でチャンチャンバラしてる時間が1話につき10分前後はありますので、これの見た目が好みだと俄然視聴が楽しくなります。まあ情報解禁時に「だっ…ダサい!!!」と思っても大体3話も見ればかっこよく見えてきてS.H.Figuartsの購入を検討しだすから安心。

2.スーアク

ガワの中身、スーツアクターさんです。変身前の演者がガワ着てアクションをこなしてるわけではない(※かつての藤岡隊長や大葉健二さん・最近だと佃井皆美さんなどを除く)ので変身後の演者さんのことですね。「中の人」は一般的オタク用語(キャラクターを演じている俳優さん・声優さんの意)だと思いますが、特撮においては「中の人」だけだと俳優さんとスーアクさんどちらを指すのかわかんないので注意が必要。マジのスーアクガチ勢の方になると一目で誰が入ってるか当てるからヤバい。俳優さんが控えめの身長の方だと変身前後の身長差が画面に如実に現れることがありますがそれを言及するのは野暮ってもんです。

3.素面

「しらふ」ではなく「すめん」。要するに面をつけていない状態=変身前、つまり俳優さんが演じるキャラクターのことなのですが、変身前のキャラクターそのものを「素面」と呼ぶことはあんまりなくて、「素面アクション」みたいな使い方をします。これはキャラクターが変身前に戦う(変身アイテムを失っている等の理由で)シーンのアクションを俳優さんが生身で行うことです。ちなみに冒頭の「Gロ素面(公演)」とは、シアターGロッソ(後述)で行われている戦隊のショー(僕と握手!でおなじみのあれです)で年に2弾分行われる「俳優さんがキャラクターとして出てくる公演」のことを指します。

4.爆発

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大抵のジャニオタは「コンサートの特効は正直ビビる」と思ってる気がしますが、特撮オタはなにかしら爆発すると喜びますし製作側もことあるごとに爆破します。発破の数は多ければ多い方がド派手でよろしいと思っている。やっぱ名乗りは爆発だよな、エンブレムもいいけどさ。関係ないけど本編OPだけで20数発の爆発を魅せオタを大喜びさせた獣電戦隊キョウリュウジャーが『烈車戦隊トッキュウジャーVSキョウリュウジャー THE MOVIE』の冒頭で背後に立ってたトッキュウジャーを名乗り爆発で物理的に吹っ飛ばして死屍累々にした(↑)の最高すぎて映画館なのに「ああっ♡」って声出た

5.メット割れ・メットオフ

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わあいメット割れ オタクメット割れ大好き

物語上どんな力を利用して変身しているかで「変身者がスーツを身に纏っている意識がある装着系」・「変身中中身がどうなっているのかわからない変化系」に大別出来ると思ってるんですが、割れたりオフ出来るのは主に装着系です。最終回などでメットオフ名乗りなどあると大変興奮する。特命戦隊ゴーバスターズ(図上部:レッドバスターの所属戦隊)は完全に最先端技術によるパワードスーツという扱いで毎週くらいの勢いでメットオフがある。

5.テレマガ・てれびくん・ヒロビ・宇宙船 等

ジャニオタにとっての明星・ポポロ・WinkUp・Duet・POTATOみたいなもん。容赦なく今後の展開とかのネタバレしてくるので取り扱いには気をつけよう。

6.歴史改変マシン(ビーム)

便利なやつ。大体の矛盾はこれのせいにできる。ゴルゴムとか乾巧とかディケイドみたいなもん。デウス・エクス・マキナ的な感じで使う。


第2話 なぜシアターGロッソ特別公演へ向かうのか


それでは本題に入ります。

シアターGロッソ…戦隊オタにとってはもはや目つぶっててもたどり着ける約束の地ですが、ピンと来ないジャニオタにもわかりやすく場所の説明をいたしますと、水道橋駅から東京ドームに向かって歩いてTDCホール通り過ぎて、曲がった鉛筆が突きささった階段上がる直前の右手にあります。SEGAのゲーセンの真向かいで宝島の真横(中で繋がっている)です。現在はここで1年間放送するシリーズごとに全5弾のスーパー戦隊のショーを行っています。

このショーは基本的にはガワと司会のお姉さんで行われ、シナリオもGロッソ公演のための書き下ろしでファンには当然おすすめなのですが、今回は11月末~年始・1月末~3月頭にかけて行われる素面キャスト出演の特別公演についてのお話です。

さて。「ライダーとか戦隊が好きです」と他人に打ち明けると大抵返ってくる言葉があります。

「ああ、イケメンいっぱい出てるもんね~!!」

ええまあ確かに出てます前途ある見目麗しいたくさんの若者たちが。「その人たちが好きなの?嫌いなの?」と問われればそりゃ大好きです。放送後も作品追ってる子も何人かいる。まあこれ言われるのは日頃の行い(※ジャニオタ)の結果のような気もするんですが。

ただひとつ言わせていただきたいのは、「イケメンが見たいだけだったらこのご時勢他にもいくらでも見るもんあるわい」ということなんですわ。わざわざ本編約25分中半分はやたらカラフルで顔面が見えないスーツの人たちがドンパチしてる映像をせっかくの日曜日に早起きしてリアタイ視聴する必要あります!?実際!!!!

バッチバチのアクションや名乗り爆発だって見たいんすよ。もっと言ってしまえば私が見たいのは「イケメン」の前に「ヒーロー」なんですよ!!お分かりか!!?

と。

言うことをね、誰にでもわかってもらえるとは思ってないです。というか「いい歳してジャリ番が好きって言ってる女」に共感できる範囲で理解を示そうとした発言に対して語気強めにこんな返答されたら引くでしょ!?だから言わねえよ絶対に!!!「あはは~そうですね笑」って返します!!!

しかしながら若手のイケメン俳優(※私は毎度勉強不足でキャスト決まった段階ではわかんないのですが、舞台やミュージカルでもともと人気がある俳優さんが出ることも多い)がいっぱい出てるのは間違いなく、そこ経由で視聴してくださる方も多いわけですね。そんなときその人の耳元で囁きたいのが

「Gロ特別公演、素面キャスト出ますよ」


(※これは去年の公演のCMですがDステTRUMPアンジェリコ様が主演なので媚びました)

…です。前述の通りGロ素面は主に年末~3月末に行われます。2月スタートのテレビシリーズの放送話数で言えば35話~最終話くらい。佳境も佳境。そこまでなんやかんや視聴してきた人はキャラクターにそれなりに愛着がわいていて大体興味を示してくれます。だって「いつもテレビで見てるキャラクターがそのままの衣装で目の前に現れるんだよ」って聞いたらまあその気がなくてもアガるじゃないすか。「修二と彰のライブイベントがあるよ」みたいなもんですよ。チケットは毎度抽選なので取れるかは運ですが、ちょっとでも興味があったら軽率にプレオーダー申し込む価値はあります。日に6公演ほど行われるので1公演4~50分程度で気負わずに見れますし、大人2400円(※)とチケットもリーズナブル。(※イ…プ…の謎手数料は含まれていない金額なのであしからず)

つっても私友達がいないので毎回「大人一枚」っつー修羅か羅刹みたいな観劇をしてるんですが。親子連れが怖くて特オタが出来るかよ。

それはさておきGロッソのステージの構造を簡単に説明いたしますと、

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こんな感じです。いい加減なイメージ画ですまない。

他の会場との大きな差はやはり3段のステージと巨大な奈落だと思います。最下段の部分はほとんど最前列の客席と変わらない高さにあり、本当に目の前!!!ってところで組み手だの殺陣だのバンバンアクションしてくれます。すごい迫力です。

テレビでの戦闘シーンでは無音撮影の映像にSEとBGMをつけている(※戦隊はキャストのドラマパートも09年以前は無音撮影でオールアフレコでした。現在は同録)のでついつい忘れがちなのですが、当然彼らには質量があるので戦闘員のみなさんが大勢で走れば「バタバタバタ!!!」って音がしますし、着地すれば「ッダン!!!!」ってでかい音と振動があります。これを身体で感じる事が出来ます。半端じゃないです。最前なんか引いた日にはアクションの風切り音が聞こえます。

そして奈落。ここに最上段の通路っぽいステージから戦闘中飛び込んだり投げ落とされたりで敵も味方もバンバン落ちる。ここが他会場のステージと一線を画す部分で、これがあることでどうしても地上でバタバタやってる印象になりがち(ステージから遠い席のときは特に)なショーに縦の動きが出てさらに迫力が増します。

素面キャストたちもすごい。いつもの衣装で生名乗り・変身ポーズは当然見られますし、この公演本当に年を増すごとにどんどん派手になってまして、そりゃもう素面で殺陣はするわ天井からワイヤーで降りてくるわ通路を駆け上がるわガワとのちょっとしたコントするわアテレコするわEDダンスは踊るわで終演後「いや~大人とか若い女の子が思ったより多くてなんでだろうって思ってたけど…こりゃすごいわ…そりゃ見に来るよ…」って呟く真横に座ってた親子連れのパパに「せやろ!?」って声かけ事案発生させんように必死だったのがもう2年前。スクリーンや照明を使った演出も年々進化を続けています。

本当に1公演4~50分とはいえ「これ一日6公演もやってんの!?」ってくらい大盤振る舞いのショーです。だから是非見たほうがいいよ!!!!!!

ってすすめるわけです。

ジャニーズ現場でも感じますが、物事を楽しむために「見慣れ」って結構大事なんですよね。ジャニコンの演出・お約束を踏まえた上だから楽しめるとこもあるし、踏まえているからこそお約束を裏切る斬新な演出にも感嘆できる。

それと同じように特撮にも「見慣れ」ると楽しめる部分が多くあります。というか言っちゃえば「見慣れてない」と「ガワの戦闘シーンはどうでもいい、ダルい」と思う人いるんじゃないかなと思う。録画やDVD視聴時に戦闘飛ばしたりとかね。

でも飛ばせないでしょ、ショーなら。

やっぱ良席引いて目の前でガンガンアクションされれば「すごい!!かっこいい!!」ってなりますよ。素面キャストが絡めばさらに注視しますでしょ。そうしてその「すごい!!かっこいい!!」はいずれ戦闘シーンそのものへの「見慣れ」に変わります。狙いたいのはそれです。

この足湯は甘いぞ。


第3話 超英雄祭(すごいひーろーの まつり)

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すみません怖がらないでください。2本目です。

さほど歴史が長いイベントではないのですが、数年前から行われるようになった年に一度のスーパー戦隊と仮面ライダーの合同イベント、超英雄祭(ちょうえいゆうさい)。武道館や国際フォーラムで開催される、特撮界隈では規模大きめのイベントです。ざっくり言うと①ヒーローショー、②キャストトークショー、③ライブステージの3部構成になってます。

さて、ヒーローショーの話。ステージ上で戦い、敵の凶弾に倒れるヒーローたち。そこで声を上げる司会のお姉さん。「会場のみんな!!○○をがんばれー!!!って応援してあげて!!そうすれば○○はまた力を取り戻せるの!!せーの!!」

小さなおともだち「がんばれーーーーーー!!!!!」

…ヒーローショーにまったく興味がなく見た事もない、という方でもなんとなくイメージとしてわかると思います。やっぱこれがないとな。前述のGロ公演でも当然何度もあります。ところでこの文章を書いてるのは独身女性です、まあまあいい歳の。親戚に本気で結婚の心配されるくらいの。それでも心は毎週日曜朝を楽しみに日々を生き、前日何時寝であろうと7:30に起きてリアタイし、近場でヒーローショーがあれば嬉々として向かってしまう。小さなおともだちとなんも変わりがないただのファンです。

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本当なら、大きな声で「がんばれーーーーーー!!!!!!!がんばれーーーーーーー!!!!!!!!!」って言いたい。

でも出来ない。無駄に培ってきてしまった年齢や世間体が邪魔をする。本当にくだらねえ生き物になっちまった。こんなことが大人になるってことなのか。

それでもヒーローたちは小さなおともだちの声援を受けて立ち上がるわけです。「ありがとう!会場のみんなのおかげで力を取り戻すことが出来た!!」よかった。本当によかった。ヒーローは声を出せないアラサーの独身女性オタにも許しを与えてくれるわけです。「お前らにだって守るものがあるよな、わかるぜ。それを守るのだって俺たちヒーローの使命だ!お前らの熱い気持ちは伝わってるぜ!」と。(※これは幻聴です)

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その後の番組キャストトークなど楽しい時間はあっという間に流れ、ライブステージパートへ。まずはスーパー戦隊メドレーです。戦隊のOP曲は同じ方が複数曲歌っていることも多いので、ライダーと比べてたくさんアーティストを呼ばなくてもかなり胸が熱くなるメドレーが出来ることが強みです。その中の一曲『侍戦隊シンケンジャー』OP、アーティストはサイキックラバーさん。私および周りの大きななお友達は手に持ったキンブレを赤に変え大声で叫びます。

「殿ーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!」

殿。おわかりでしょうがサイキックラバーのメンバーに殿と呼ばれる方はおりません。一体何に向かって叫んでいるのか。

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そう、サイキックラバーさんの超かっこいいパフォーマンス中に背後に登場するシンケンレッド(ガワ)に対してです。シンケンジャーは殿と家臣という戦隊内に設定として上下関係が明確に存在する戦隊で、シンケンレッド・志葉丈瑠(演:松坂桃李)は志葉家当主であり家臣の家柄である他のシンケンジャーの面々のお殿様なので劇中で「殿」と呼ばれております。名乗りで「シンケンレッド、志葉丈瑠!」「同じくブルー!池波流ノ介!」って感じで全員が本名名乗るところが見得切りっぽくて熱い。

余談ですがこのイベントには親子連れの小さなお友達がたくさんいらしております。しかし09年放送のシンケンジャーですらまだ自我が存在してなかったという感じで現行以外の過去シリーズへの馴染みが薄く、盛り上がってるのは大きなお友達ばかりということがままあります。

第二にここに至るまでの時間が結構長い。なんせライダー&スーパー戦隊のショー・ライダーキャストのトーク・戦隊キャストのトーク。このあとのライブです。盛りだくさんでオタは興奮してますが小さなおともだちはだいぶお疲れ気味でグズったり寝たりしてる子も結構見ます。

そう。

ここからは俺たちのステージなんです。

先ほどのヒーローショー、ひいてはGロッソや普段のヒーローショーでの悔しさ。それをぶつけることが出来る現場がこの超英雄祭なんです。

「子供たちだけじゃどうしても力が足りない、そういう時に力を出せるのが本当の大人ってもんだ。そうだろ、ヒーロー。…行ってください!!ここは俺たちが食い止めます!!!」(?)

気分はもうエネルギー管理局特命部の整備士たちですよ。この世界から何も奪わせない。Perfect Mission。

「変身前の俳優にならともかく、ガワに声援送ってどうすんの…?言ったらあれ…ただの着ぐるみでしょ…?」

亜空間からそんな声も聞こえます。ええ、わかっております。あれは着ぐるみです。でもね、こうやってイベント行ったりしている間に気付いた…といいますか、ひとつたどり着いた答えがあります。

何度も言いますが現実にガワに入ってるのは俳優本人ではない。もっと言ってしまえばこういうイベントで入っていらっしゃるのはTVで演じていらっしゃるスーアクさんですらない。(例外もありますが)

でも物理的に誰が入っているかは少なくとも私には関係ないんです。ヒーローのガワに入っているのは「ぼくらがいつもTVで応援しているヒーローというキャラクターの概念」なんですよ。



はい、「ちょっと理解できんわ…こわ…」って思ったそこのドルオタの人へ。「PV撮影時の衣装展示」ってありますよね、タワレコとかHMVとかで。まあアイドル本人が実際着ていたブツというプラスポイントはあれど、言ってしまえば見れる展示物そのものってただの服じゃないですか。でもアガりますよね。「あの映像で着ていた服が目の前にある」、これだけで。

ガワだって同じなんですよ。「(物語上)大好きなあのキャラクターが身にまとい、平和のために戦っていたあのスーツ」なんですよ。

だからそのガワに入ってるのがTVで演じているスーアクさんじゃなくても、シルエットに多少バラつきがあっても、「そのガワに人間が入って演技をしている」ならば、そこにいるのは「我々の愛したヒーロー」なんです。



もちろんシンケンジャー以外でもボウケンジャーOPやキョウリュウジャーOPのときは「チーーーフーーーーー!!!!!(※ボウケンレッドの愛称)」「キングーーーー!!!!キングーーーーー!!!!!!(※キョウリュウレッドの愛称)」って叫んでるし普段カラオケじゃ出来ない(友達いないから)コール&レスポンスだってここなら恐れ多くもご本人様の歌に対して出来るのだ。EDダンスだって踊れる。周りの大人もみんな踊ってるから。

そして主に戦隊の方の話をしましたが、ライダーの方も当然楽しい。一般知名度の高いアーティストの方がOPを歌ってることが多いのでどうしても全員集合OPメドレーみたいなことは難しいんですが、湘南乃風さん(鎧武乃風名義)や土屋アンナさんのパフォーマンスをはじめて観たのもこのイベント(及び前身イベント)でした。土屋アンナさんが仮面ライダーウィザード(ガワ)にエスコートされてステージを後にするの最高かわいかったです。

そんな日曜朝から卒業できない大人のための(?)年に一度のお祭り、超英雄祭のお話でした。チケ取ったんで来年も行きます。


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以上でジャニオタによる特撮現場について、終了です。本当に長々とお付き合いいただきありがとうございました。みなさまに「よくわからんが平行世界でもこのクソオタ楽しそうだな」と思っていただければ幸いでございます。

この有様見て興味が出てくる人いるのか?とは思いますが、万が一のときは是非日曜朝の茶の間から始めてみてください。きっとその未来でもリアタイ実況してますから、私。



……まあ1万文字近く尺使って話して最後になんですけど、特撮オタにもいろんなタイプの狂人がいるので全員がこういうタイプの狂人だとは思わないで欲しい。アバれた数だけやさしさを知るオタクでありたい。

(余談も余談ですがこんなもん書いてたら年始の傘蟻ドラマ化速報に頭ぶん殴られたりするわけです。自担の小説を大好きな『仮面ライダーW』主演の子で実写化&共演。漣ちゃんシゲちゃん。そして既報ながら自担の処女作の映画には同シリーズのW主演とも言うべき子がメインキャラクターで出演。1/9に同日公開。3次元が大乱闘スマッシュブラザーズ状態で本当に困る。この世界線、都合よすぎて怖い。)

2015.12.11 犬