加藤さんというアイドルに膝まで埋まって身動き取れなくなる、その過程についての話


これはしきさん主催の企画 #にゅすほめ への飛び入り記事です。

2015/12/25 19:30

正直な、前回書いた#おたく楽しい で「もう二度と長い文章なんて書かないぞ」って思ったんですよ。こんなことしょっちゅうやってたら好きの搾りかす的なミイラになってしまう。「はてブロの民は化け物か」と。

でもお祭りじゃないですかこういうのは。

たとえ下手くそでも一応こういうときに書いておかないと本当にもう二度と書かないんじゃないかと思いますし、そもそも褒めたい気持ちに下手も上手いもあるか!!!!!と思いましたので少し書きます。

こんばんわ、僭越ながら加藤シゲアキさんを推させて頂いている者です。


私が加藤成亮という人間を認識したのは、ジャニーズWEBのNEWSのページの1コーナーだった『我輩はシゲである(通称シゲ猫)』という短期連載の日記でした。

当時私はKinKiさんという戦場での青春の戦いを半ば終え、ジャニーズを退役軍人的な立場で見守りながら余生を送るアニオタでした。

が、とある友人の熱いHey!Say!JUMP推しに久方ぶりに戦場に戻り、オタク特有(?)の探究心から全てのアーティストページの更新をチェックし、バックナンバーを読み漁っていました。その中のひとつのコンテンツでしかなかったはずのシゲ猫に何故惹かれたかって、単純に文章が面白かったんです。

当時今以上に自意識こじらせたサブカル気取りのどうしようもないクソオタだった私はいわゆる絵文字的なものが使うのも使われてるのもどうも苦手で、「!」と「?」くらいの絵文字しか使われてないシンプルな構成だったのも目を引きました。

で、私は思ったわけです。

「んん…この子面白いな…けどどうせあれでしょ?茶髪か変な金メッシュで…盛ってて…チョリーッス!!的な感じの子なんでしょ…いくつの人だか知らないけどたぶん若い子だし…」

今思い返せば本当に失礼極まりない物言いですが、二次キャラの趣味だって「黒髪!!真面目!!!屈折!!!頭脳派!!!!影がある!!!!」みたいなのがドストライクのアニオタだったわけです私。それは今も変わりませんけど。なので正直当時の流行りのJr.の感じ、どうも馴染めなかったんです。今はそれも風情があってかわいいと思ってるどころかなんならめちゃくちゃ萌えると思ってるんだから人生はわからない。とはいえ、だから黒髪美ショタ集団だったJUMPちゃん(というか旧7ちゃん)で舞い戻ったふしがある。

ところでこのシゲ猫、2009年のNEWS24時間テレビの時の集中連載でした。新聞を取ってなかった私は純粋にTV番組表のためにTV誌を買っていたんですが、そのグラビアページに、彼らはいました。

NEWSです。

多分そのとき初めてくらいに彼らの顔面をしっかり個別に認識しました。

「あれ?人数こんな少なかったっけ…?あ、やまぴー…綺麗な顔…野ブタおもしろかったよな…そうそう…錦戸さんがいて…(※当時関西に住んでいたのでジャニ勉は見てた)あっそういえばあの文章の子は…名前なんだっけ?たしか加藤なんとかくん…(※名前が読めなかった)

あっ

この、

黒髪の 正統派美形のひと だ


沼に落ちる音がした。

ただ認めたくはなかった。アイドルにズブズブしつつある自分に。一歩引いたとこから見ていたかった。

24時間TVを見るのだって「ドラマに山田くんが出てるからなんだからね!!!NEWSには別にあの!!!興味ないんだからね!!!!」とか言ってた。

そんであれですよ。

スティールパン。

大役を成し遂げてほっとしたのか、はたまた何か悔いが残るのか。涙する加藤成亮くん。綺麗な涙。黒曜石嵌め込んだみたいな真っ黒い瞳で。

あ、駄目だこの子は。いけない。

そこからはもうジェットコースターロマンスも真っ青の急降下ですよ。気付いたらDVD全部揃ってたし。でも別にシゲ担ではないから!!!!これはアイドルという文化の…あの…研究材料だから!!!!文化放送でラジオやってんだ!!!へー!!聞きます!!!えっソロ曲の作詞作曲全部自分でやってんの!!?ふーーーん多才だね!!!なんでソロ曲の音源ないんだよふざけないで!!!さくらガール!?久々にシングル出るの!?ふーん!!仕方ないな!!買うわ!!別に担当とかじゃないけどこの初回盤の着せ替えジャケット…ほんま…加藤さんの顔エグいくらいかわいいな!!?とかやってる挙動を見かねた高校時代の友人(たきつ担)は言いました。

「今度東京ドームでNEWSのライブあるけど行かない?」


行く。

それがかの『NEWS DOME PARTY 2010 LIVE! LIVE! LIVE!』東京ドーム、オーラスでした。今後もあのライブより手放しで楽しいライブ体験はもう二度とないと思う。

そしてMCで全力でイジられる加藤成亮くん。かわいい。かわいそう。

かわいそかわいい!!!!!!!!(ブチ切れ)

モンペ爆誕。

と同時に正直さほど興味なかった(本当にごめん)やまぴー・亮ちゃん・手越くんの魅力にも気付いてしまった。てごちゃんあまりにもお歌が上手。亮ちゃん客席にフルスイングで光る巨大風船ぶん投げる姿が圧倒的狂犬なのにソロ曲超エモい。やまぴーが目の前通ったら自分でも知らない間に全力で手振ってた。あまりにも楽しくてよくわからない感情で泣きながら帰りました。(そして流れるようにYOU&Jに入会)

そんでまあ加藤さんの顔面をジロジロ見続けた結果気付いたんですよ、あ、この人キャラクターデザイン:安彦良和なんじゃないかな?って。

画像1

※参考画像

つまりこの人、ロボットアニメのキャラクター顔なんじゃないか?って。

目鼻立ちのはっきりした黒髪の美青年。とても美しくきらめく才能があり、世間じゃ間違いなくエリートコースの人間なのに特異な環境で周りの強い才能に圧倒され、なぜかどこか不安げな表情。ひどくいじられれば押し付けられる自意識の棘で傷ついてダメージを食らうのに、それが自分の立ち位置だとばかりに懸命にがんばる姿。現役アイドルでありながら青山学院大学をストレートで卒業し、「グループのために出来ることは何か」と悩み、その文才を生かし後に小説家になる男。

「黒髪!!真面目!!!屈折!!!頭脳派!!!!影がある!!!!」を地で行ってるんですよ加藤さんという人は。こんなの刺さるに決まってるじゃないですか。

そして「加藤成亮」から「加藤シゲアキ」に変わる過程。

私はこの漢字の並びがとても美しくて大好きだった。それでも「グループのため、アイドル活動のために小説を書くのに、名前がわかりにくかったり読みにくかったりするのはいけない」と、己をそれまで守ってきた「名前」という名の薄絹を脱いだわけです。

泣かせるじゃないですか。

ロボットアニメの泣き所って、まあ好き好きはあるとは思うけどひとつは「自己犠牲」だと思うんです。自己犠牲そのものは決して褒められたことじゃないけど、自己犠牲をいとわない心根にはどうしたって感情を持っていかれてしまう。

そしてその行為はやがて大きなカタルシスを生みます。

そう、彼の才能をいつまでも世界がほっとくわけがなかった、って最近の活躍には目を細めています。まぶしいことがすごくうれしい。私はもしかしたら「かわいそうな加藤成亮」が好きだったのかもしれないって思ったこともあったけど、そんなことなかったです。

そして今年、私が推し始めたきっかけの猫は、どこかに行ってしまった。ありがとう。君のおかげで私はとても幸せだった。


多分ね、加藤さんを推し始めたこと自体は偶然だったと思う。

だけど加藤シゲアキという、真摯に、懸命に、誠実に、アイドルという仕事に向き合い生きるたったひとりのアイドルから目を離すことが出来ずにここまで来たのは必然だった。


「人間に絶対なんてないし、永遠なんてない」

ということを感じる出来事は今までもこれからもたくさんあるだろう。

それでも、いつまでも、これからもずっと、出来るだけ長く、彼の描いた、そして彼らという四つ星の物語を読み続けていられることを願う。





まあなんか無理矢理きれいめに〆たし全く推敲とか出来てないけど、基本的には「加藤シゲアキという人は日々の細かい推せる!!ポイントを積み重ねて気付いたら夢中になっててもう戻れない」というタイプのアイドルだよ、ということが言いたかっただけです…

っていうかこれ全然#にゅすほめ っていうか#しげほめ ですらないっていうかそれどころかこれ自分の話なのでは!?誰か「テメーの人生の整理のために読んでんじゃねえんだよ!!褒めろよ!!遊びじゃねえんだ!!」って怒って欲しい。やっぱ向いてなかった。あーーーパンク小僧だったアイドル推せる!!!丸尾末広読んでるアイドル推せる!!!ウィンク苦手なアイドル推せる!!!!自分の顔をフェルメールの名画に例えるアイドル推せる!!!!自意識と戦うアイドル推せる!!!!眠くなるとメンバーの肩に顔乗っけちゃうアイドル推せる!!!!おててが女の子みたいにやわらかいって言われ続けるアイドル推せる!!!!臆面なくメンバーに顔面を褒められるアイドル推せる!!!!でもそのビューティフルな顔面について「賜り物でただのラッキー」みたいなこと言うアイドル推(省略されました。続きはあなたの心の中にあります。)


2015/12/25 22:50 犬