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読書会の教室 本がつなげる新たな出会い 参加・開催・運営の方法

読書会が個人的に好き。それは、本が好きということももちろんあるのだけれど、自分が読めていない部分に気付くことができたり、同じテキストを読んでいてもそんなふうに感じたり考えたりしていたんだなと知ることができるからだと思う。自分自身で、読書会を開こうかなと思うことも何度かあるんだけれど、その度に「でも読む本を人から強制されて決められるって、あまりいいことじゃないのかな」とか感じてしまって、尻込みしてしまう。

東京赤坂にある双子のライオン堂書店の店主武田さんとライターの田中さん二人での執筆。お二人はなんと8年間で500回以上の読書会を行なっているという耳を疑う実践をされている。もちろん回数が全てではないけれど、量が質を担保することは確実にあると思っているので、単純にその数字に圧倒されてしまう。

本の中身としてタイトルにある通り、読書会に参加すること、また参加だけではなく、どのように開催していくか、運営していくかということについて、二人の経験をもとに具体的に書かれている。また章題「なぜ読書会を開くのか?ー主催者に聞く!」では、読書会主催者の方々から、インタビュー形式で一層実践的な話を聞き出している。

そのインタビューの中で、猫町倶楽部という年間200回の読書会を主催している山本さんの話が印象的だった。

そもそもヒエラルキーをつくらないことを意識してやってきたんです。しかし、結局ファシリテーターが権力みたいになってヒエラルキーができちゃうんですね。テクニックのある人が引っ張っていくのではなくて、参加しているみんながファシリテーターを支えることを通じて、その場をフラットにする。ファシリテーターを一つのパーツとしたんですね。

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そうそう。読書会というと、つい身構えてしまって「しっかり読んでおかなきゃ」という自分がいる。それはせっかく貴重な時間を使って集まっているのだから、読んでませんみたいなことを起こさないようにしなきゃと考えている。それが行きすぎた結果、読んでいる人、いない人みたいな区分けをしてしまいっていたんだなと感じている。

もちろん読書会の目的にもよるんだろうけれど、長くコミュニティとして読書会を続けたいと思ったときには、きっとその区分けは壁になっていくんだろうな。
自分が開いていこうとするときには、そもそも継続性のあるものなのか、一時的なものなのか、会自体を少し外の目から評価していくようなことも考えていきたい。

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