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マーベルスパイダーマンで都市の風景をアップデートしろ

おれはついにスパイダーマンを遊んだ

マーベルスパイダーマンは2019年8月リリースの、PS4向けゲーム。開発はインソムニアックで販売元はSIEである。この度、PS5向けにリマスターされた。

発売当初わりかし話題になったので、ゲーマーであれば一応は知っている作品であろう。米国、世界では過去15年のうちに、最も売れたキャラゲーとなった。

システムとしてはスタンダードなオープンワールドで、広いフィールドを移動し、イベント(クエスト)をこなしていく。

言ってしまえば、移動して戦闘して、移動して戦闘するの繰り返しになる。よって、戦闘の楽しさもさることながら、移動パートの楽しさも重要になる。

さて、スパイダーマンのキャラゲーであるからには、スパイダーマンらしく、摩天楼を縦横無尽に飛び回らねばならない。

そのあたりは、さすが評判にたがわぬ期待通りの出来である。割と簡単な操作で、ウェブ・スイングを行い、広大なニューヨークのビルの谷間を旅することが可能だ。

移動の爽快感の演出としては、アクションの気持ちよさの他に、マップの出来不出来もかなり重要な要素となる。

その点、本作のニューヨーク、マンハッタンの街はとても魅力的に作られている。

移動が立体的に行われるため、壁、屋根のうえにも手抜きはできないし、高所から見た街並み、遠くから眺める都市のランドスケープといったものがとても重要だ。

恐ろしいことに、本作のフィールドは、そのような遠景もよくできているうえに、街には多くの店舗があり、人が歩き、車が走り、ゴミが落ちている。

それぞれ、店に入れない、バリエーションがそこまで多いわけじゃない、など、まあハリボテ感がないわけでは無いが、それにしてもよくできている。

さて、この広大かつディティールにも富んだ、鬼の物量のMAPはいかにして作られたか。開発したインソムニアックのセッションを見て欲しい。

MAPの作成は設定された規則による自動生成がベースとなっている。完成度80%のMAPを生成し、あとは作りこむという手法で作成されたらしい。まあ、乱暴に言ってしまえばシムシティだ。

ゲームのMAPである以上、単純に都市の顔をしているというだけでは足らず、イベントに必要なスペースを確保するなど様々な調整がなされている。一部を調整すると、他の要素に様々な影響を与えるため、管理はかなり大変だったようだ。


さて、数日マンハッタンを飛び回ると、現実世界で興味深い事が起こる。

この路地はスイングしやすそうだな…
あのビルの角に飛びつけば、あの方向に飛べそうだ…
あそこの屋上には施設がありそうだぞ…
まずはあのビルに登るルートが進みやすそう…

見慣れた街が普段と違って見え始める。気が付くと視点はいつもより高く、遠くになっている。なんなら街を見下ろした風景すら見えそうな感覚もある。

ああ、日本の都市は電線があるから、スパイダーマンは日本では活躍できそうにないな。

オープンワールドのゲームはぶっちゃけ割と単調で、ひたすら目的地に行って敵をボコるだけと言えばだけなんだけど、普段の街が違って見えるぐらい世界を描くことに成功したゲームは、なかなかないんじゃないかなあ。

と思った。


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