アイコンタクトやフードガードについて

とても良い記事です!

私達、動物行動学や応用行動分析学を基本にしているカウンセラーやトレーナーなら、当たり前になっていますが、まだまだ世間には知れ渡っていません。

・犬のしつけ、飼い主との関係悪化させることも! 近年分かった本当に必要なしつけとは
https://sippo.asahi.com/article/14211319

犬には主従関係がない事を、やんわりと書いてあり、そして犬の行動を尊重した記事になっています。
褒めるしつけは、もちろんですが、どちらかというと当園では安心、安全な人、場所を提供して欲しいと考えています。
怒る人や、怒る人がいる場所に近づきたいかどうか考えれば、自然にどうすればいいかわかると思います。

低い声で「スワレ」と命令して、カーミングシグナル(不快な時に口をなめたり、キョロキョロ等)出しながら目を三角にしてイヤイヤ座るのと、オヤツ用意してやさしい声で「おすわり」と言ったら目をキラキラさせて喜んでする愛犬、どちらが毎日楽しく生活できるでしょう。座る結果は同じでも私が犬だったら、後者の家に行きたいです。

フードアグレッシブ(フードガード)について…
ごはんの待てについては、この説明以外に早食いにつながる時もあります。
おやつを人が持っている時は、どうやってもらえるか考えてくれますが
一度、手から離れてもらえると思った時は、わんちゃん達のものになります。
フードボウルに手をつっこんだら、怒る子とても多いですよ。

食べ物だろうが、おもちゃだろうが、木の枝だろうが一度わんちゃんの口に入ったものは、取り出すのはとても難しいと思います。是非、罰を使わない人道的なトレーナーさんに相談して下さい。トレーナーさん選びの時は参考にして下さい。

食べてる間邪魔した時に怒らなくても、不快に思うようになる子もいます。
当園の飼い主さんで実際にあったのは、ハーネスをごはん食べてる最中につけていたら、2度と装着させなくなったという例があります。
怒っていなかったのですが、かなり嫌だったようです。

そして、アイコンタクトについて、やらなくていいの?
という飼い主さん、たくさんいると思います。
これは、やってもやらなくても構いません。
飼い主さんが、どうしたいかでしょう。

アイコンタクトは、必要以上にやりすぎると、こちらを見てばかりになります。
必要以上に見るようになってしまう子が出てしまい、本当に必要な時なのかわからなくなります。
これに近い事は、ボディランゲージの本を書いているヴィベケ・リーセさんも著書で言ってます。

それでもよければ、アイコンタクトはやってもかまわないと思います。必死になって見つめる、見つめられる練習はいらないような気もしますが…

そして、犬の行動ですが、パーソナルスペースで目を合わせるということはバトルになるきっかけにもなります。
私も、この仕事になる前に、飼い主さんから人懐こいからと言われた子と遊んでいて、安心して目を見つめてしまったら突然噛まれた事があります。
本来は、目を合わせることにストレスを感じる子もいます。
本来の犬の自然な行動、ボディランゲージを変えるわけですから、あまりいいものには感じません。

ただし、安心できる飼い主さんなら、ご愛犬から向いてくれるようになる事がとても多くなります。
トレーニングで無理やり向かせるのがいいか、本当に好きだから向いてくれるようになるのがいいか。
これは飼い主さんの選択になるでしょう。

向いてくれないからって、駄目な子ではないですよ。特に、日本犬は目を合わせるのは苦手な傾向です。バトルにならないよう遺伝子で受け継いでいるものですから、何も問題ありません。

当園では、まずはアイコンタクトではなく、フェイスコンタクトを勧めています。
名前読んだら、こっちを振り向く程度のものですね。

もう1つ、記事にはありませんがホールドアンドスチール(リラックスポジションとも言われ、仰向けにして羽交い締めのようにする体制)を元気な子にやっていると暴れる時があります。
おとなしい子には出来る時もありますが、お腹を見せる行為は、暴れて当然です。
絶対に無理やり諦めるまでやらないで下さい。
うっかり、そのようなパピーパーティに参加してしまったら、やりたくない意思を示すことも、愛犬の為に必要となってきます。

続けていると抱っこも嫌がる可能性もあります。
お腹みせて抱っこする場合は大人しい子も、元気な子もオヤツを食べさせながら行うことをオススメしています。
最初が肝心です。

ホールドアンドスチールの体制でマズル(鼻・口の部分)を掴んで、ゲームのコントローラーのように動かす昔のしつけ方法、マズルコントロールは家庭犬には絶対にやらないで下さい。
マズルは神経が集中しています。
許してくれる子もいますが、歯磨きをさせてくれなくなる可能性だけでなく、手を嫌がって逃げる、最悪本気で噛まれる傾向もあります。

マズルはオヤツをあげながら、軽く触るようにして下さい。

そして、出来れば当園、もしくは動物行動学や応用行動分析学ベースのカウンセラー、トレーナーさんにファーストアプローチのやり方を聞くようお願いいたします。

一度関係が悪くなると、関係修復はとても長い時間かけなければいけない場合も出てきます。

「犬とのきょうせい」は、一方的なしつけの強制、矯正ではなく、「共生」でいきたいですね。

「犬との共生」という言葉を、よく使いますが曖昧になっている傾向がありますので、辞書を調べて、もう一度「犬との共生」の本当の意味を考えていただけるととても嬉しいです。

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