50年ぶり

【妄想ドラマ企画32】冷戦刑事

 かって日本は「世界一のスパイ天国」「テロリスト達の社交場」だった。
 そんな日本の「平和」を守る為、1950年代から人知れず半世紀以上闘い続けてきた男たちがいる。
それが『公安ゼロ係』。またの名を冷戦刑事
 東西冷戦の緊張下にあって総理府の密命で行動する実行部隊として警視庁内に極秘裏に発足。公式資料には一切登場せず。その存在を知るものはごく一部に限られた
冷戦全盛期60~70年代初頭にはコードネーム01から09まで最大9名の特務情報官が世界中で大活躍していた。やがて公安ゼロ係の特務情報官は旧ソ連、東欧、中国のスパイからはその危険性から「蛇」と恐れられ、アメリカ、ヨーロッパ西側諸国からは情報を横取りする「蠍」と嫌われた。
 円安時代ドル払いの給料の高さと、便利な情報網もあり、銀座、赤坂、六本木では女性にもてまくっていた
 しかし、調査手段は盗聴、潜入、監禁、拷問など違法だらけであった為、冷戦が下火になるにつれ内閣府、警察庁共にその存在を黙殺するようになる。
 何をしても法律で罰せられないが、活動成果が公表されることはなく、同様にその手柄も一切記録されない
 やがて冷戦が下火になった80年代以降、情報官の補充はされなくなり。秘密絶対保持の意味で組織異動もなく、さらに退職も許されなかった

 新しい任務も下されず、予算もつかず、円高で給料が下がる中、公安ゼロ係は文字通り50年前のまま凍結された。


9名の情報官それぞれは、時に撃たれ命を落とし、仲間の救出の為自らを犠牲とし、その数を減らしていった

とは言えそれぞれ60年代に1人づつ。そのほか交通事故死が1名だが。

残りの6名の平均年齢が70才を越えたあたりから、主な死因は、胃がん、脳梗塞、腎不全、誤嚥性肺炎、老衰と、普通の日本人の死因と変わらなくなった。

現在まで生存している特殊調査官は2名。

そのうち1名は現在85才で糖尿病の上、アルツハイマー病を併発、現在寝たきり長期入院中。
そして現在は『公安ゼロ係』で最後に入った市村糾(ただす)72才。たった1名を残すのみ。
平成の終了と共に「公安ゼロ係」は歴史の闇に葬り去られるのかと思われた、令和元年秋。


「滅びゆくスパイ技能の伝統継承」を目的に、ついに50年ぶりに新人・阿部怜子(あべれいこ)22歳が配属されてくる。

 新人・阿部は採用試験、警察学校の成績全てが最下位だが、平凡な美人で、個性も自己主張も薄く、あきらめのわるさと天性のKY力と歪んだ忍耐力の持ち主と「扱い方に困る」新人と評価されていた。

そんな新人・令子と伝説のスパイ・糾、祖父と孫のようなコンビが、日本に潜伏する国際テロリスト集団の撲滅に乗り出した。


「俺たちの時代は携帯電話も、スマホカメラも、グーグルマップもインターネットも何にもなかったけど、ロマンはたっぷりあったよ


それが冷戦刑事!

伝説のスパイに市村正親、KYな新人に浜辺美波で見たい!

*頭から計算したら32人目抜けていました。


(お知らせ)
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