見出し画像

謎のシングルバージョン

9月7日にGinger.tokyoさんの音楽イベントに参加しました。その時、せっかくプレーヤーを買ったんだから何かレコードを買って帰ろうと思っていたので、いつもお店の目立つところに飾ってあったホール&オーツのシングル5枚組セットを購入しました。1985年の5度目の来日公演記念として日本のレコード会社が独自に企画した、リクエスト投票の上位10曲を収録したシングル5枚組セットでした。

VOICE YOUR CHOICEなるシングル5枚組

ちなみにこの時の来日公演を観ています。1階東でも楽しめました。

その当時、レコード会社がこんな企画をしていたことすら実は知りませんでした。収録されていたのは下の10曲。1979年~1984年までにリリースしたアルバムからのヒット曲に集中しています。

VOICE YOUR CHOICE

Disc 1
Private Eyes / プライベート・アイズ 3:29
Out Of Touch / アウト・オブ・タッチ 3:55

Disc 2
Kiss On My List / キッス・オン・マイ・リスト 3:48
Maneater / マンイーター 4:32

Disc 3
Wait For Me / ウェイト・フォー・ミー 3:40
Say It Isn't So / セイ・イット・イズント・ソー 4:00

Disc 4
Method Of Modern Love / メソッド・オブ・モダン・ラヴ 3:59
One On One / ワン・オン・ワン 4:28

Disc 5
I Can't Go For That (No Can Do) / アイ・キャント・ゴー・フォー・ザット 3:50
Posession Obsession / ポゼッション・オブセッション 4:34

この日のイベントは'80sがテーマだったので、このシングルセットの中から1曲リクエストしました。友達軍団と相談して選んだのが「ポゼッション・オブセッション」。10曲中唯一ジョン・オーツのヴォーカルでこの中では一番マイナーだからという理由でした。シングルバージョンがあるにも関わらずディスクに収録されているのはアルバムバージョンで、それにはオーナーの高山さんが反応していました。7インチに収録されているのにアルバムバージョンって考えてみると面白いですね。

1週間寝かせてこのディスクを聴いたのは9月14日。これ、大正解でした。とにかく音が良い(ノイズもない)し好きな曲ばかりだし。そしてもう1つ、自分にとってのまさかの大事件がありました(大げさ)。

1枚目から順番に聴いていて最後の5枚目になり、再生したところで自分の中で混乱が生じます。5枚目のA面は「アイ・キャント・ゴー・フォー・ザット」です。1982年1月30日にこれまで10週間1位を守りぬいていたオリビア・ニュートン・ジョンのPhysicalを蹴落として1位になった曲です。ヒットしていたのは全米チャートをリアルタイムで聴いていた時期であり、聴き慣れているのでアルバムバージョンとシングルバージョンの違いはわかっているつもりでした。が、聴こえてきたのは私が知っているどっちでもありませんでした。聴いて数秒ですぐ気づきました。編集も違うしミックスが全然違います。このバージョン何?自分が知らなかっただけ?なぜ日本盤シングルにこれが入っている?頭の中ハテナだらけでした。

秒数は少し違いますがこれと同じです。

私が知っているのもこれですが何か?と思う方が多ければ、当時私が出会わなかったか認識しないでしまったバージョンなのでしょう。とりあえずWikipediaで調べると、シングルエディットは3分45秒だと書いてあります。おそらく私がシングルバージョンだと思っていたこれの事だと思います。

一般的には、今回発見のちょい長リミックスバージョンがいわゆる「シングルバージョン」として流通されていたんでしょうか。客観的に調べるのであればDiscogsに登録されている実媒体の全シングルバージョンの時間を調べればよいのかなと、1981~1982年の7インチのリリースに絞って確認してみました。

Discogs - I Can't Go For That

というわけで調べた結果です。
3分39秒:5枚
3分42秒:2枚
3分50秒~3分51秒 12枚
5分7秒:2枚
6分5秒:1枚
記録なし:1枚
5分7秒はアルバムバージョン、6分5秒はエクステンドバージョンだとわかるので3分台だけに絞りますが、多いのは3分39秒と3分50秒の2つです。

まず3分45秒という時間の曲が出てこないのが驚きでした。タイム表示に多少の誤差があるのは理解していますが、こうなるとWikipediaの情報のほうを疑ってしまいます。3分45秒と書かれたシングルを3分39秒のほうと思うか、3分50秒のほうと思うかは個人の感覚次第でしょうし、どちらにせよ±5秒くらいの差ですからね。

結果的には3分50秒が一番多かったのです。これらと私が今回聴いた日本盤のバージョンが同じかはわかりませんが、その可能性はありますよね。日本盤がこのリミックスで収録されているのだから、当時から存在したバージョンだという証明になります。とはいえまだ納得できてない自分がいます。今回のは企画盤だし1982年リリースのシングルはどうなのだろう(時間は3分50秒と書いてあるけど確認するまで納得できない)なんて悪あがきをしています。

このバージョン、どうやらRobert Wrightなる人のリミックスバージョンらしいのです。サブスクで調べると比較的最近のコンピレーションから収録されるようになっているんですよね。2001年の「The Very Best of Daryl Hall & John Oates」はアルバムバージョンですし、1991年の「Looking Back」やその前の「ROCK ’N SOUL PART1」は短いシングルバージョンです。ようやく2008年の「Playlist: The Very Best of Daryl Hall & John Oates」で3分55秒(3分50秒バージョンと同一)が出てきます。2018年に「Single Mixes」というリミックス集を出していてその中に収録されているのも3分55秒のちょい長シングルバージョンです。たぶんもうちょっと前からコンピレーションに収録されていたら気づいたはず。何故急に出てきた?(と自分が勝手に思っているだけですが。)とにかく謎です。


アルバムバージョンです。結局、これが一番安定してますよね。

ミュージックビデオが主流になってきた頃に、シングル・アルバムバージョン以外にビデオバージョンが増えてよけい混乱しました。派手な演出でイントロからアレンジが違うのでそれはすぐわかりますけどね。ホール&オーツも多かったですね。

同様に考えると「キッス・オン・マイ・リスト」も違うんですよ。冒頭のイントロ少しカットして間奏も短いバージョンと、アルバムバージョンと始まり方が同じだけど少し短いバージョンがあり、どちらのバージョンもベストアルバムに収録されているのに、バージョン名の表記はないんです。

こちらはイントロと間奏が一部カットされているもの。


アルバムのフルバージョンは4分25秒ですがそれとの違いは 2分40秒あたりのコーラスが1回分削られていることです。そこ削る?って感じのエディットですがこれは何バージョンというのでしょう?

この週末、ずっとホール&オーツばかり聴いていました(苦笑)。調べるの疲れました。誰か知っていたら教えて下さい。アルバムバージョン以外はなんちゃらバージョンってちゃんと書いて欲しいな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?