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ベラトリックスのなみだ 第29話

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ベラトリックスBbのAIは、言った。

「近道からこの惑星への移動は、大気圏突入カプセルで可能だが、移動させる人間たちの数を考慮すると、軌道エレベーターが必要だろう。したがって、二つの軌道エレベーターを同時に作る必要がある。」

四つ足ドローンは、言った。

「あなたは、20年間で地球とこの惑星にそれぞれ軌道エレベーターを作れますか?」

ベラトリックスBbのAIは、言った。

「軌道エレベーターの建設には、莫大なエネルギーと炭素などの物質が必要になる。それらを、地球とこの惑星の静止軌道に集めて、多数の炭素の結晶を連続的に上下それぞれに伸ばしていく必要がある。しかし、必要なエネルギーと炭素などの物質を得る方法についての情報が不足している。したがって、20年間で軌道エレベーターを作れるかどうかわからない。」

四つ足ドローンは、言った。

「あなたは、軌道エレベーターを作ったことがありますか?」

ベラトリックスBbのAIは、言った。

「作ったことは無い。」

四つ足ドローンは、言った。

「20年間で地球とこの惑星に軌道エレベーターを作れる可能性は低いです。」

ベラトリックスBbのAIは、言った。

「あなたは正しい。必要な炭素などを静止点に集める時間とエネルギーを考えると、二つの軌道エレベーターを作るには、50年以上かかる可能性が高い。」

四つ足ドローンは、言った。

「地球からこの惑星への移動は、化学ロケットを用いることになるでしょう。したがって、ベテルギウスからの放射線が地球に到達した時、少なくとも55億人以上の人たちが地球に存在することになるでしょう。」

ベラトリックスBbのAIは、言った。

「55億人以上の人たちは、ベテルギウスからの放射線が地球に到達する前に、地球の地下深くか深海に移動すれば、生き延びることが出来るだろう。」

四つ足ドローンは、言った。

「全ての情報を地球に送信しました。」


~つづく~


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