資格試験挑戦

資格試験挑戦「3年をめどに」の功罪(無料note)


「石の上にも三年」と辛抱して続ければいつか成し遂げられると信じて頑張るはよくあるもの。では3年と決めるのはメンタル的にも現実的にも有効なのか。

「とりあえず3年やってみる。それでダメなら」とよく言いますが、この「3」という数字はどこから来たのでしょう。もしかしたら学校教育の一区切りの年数かもしれません。中学や高校の3年間がその例ですね。

こうしたことから、何かに挑戦するにも3年という月日を当てはめがちです。しかし物事の種類に応じてどのくらい年数がかかるのかは違います。まして人によって適応や突破に要する年数も違います。それなのに「3年」にこだわると挫折感ばかりが増えていくことにもなりかねません。

自分はたいして意識していないくても世間は意識するのが「3年」ですから、この数字とうまく付き合う必要があります。

ではさっそく今回のお話を始めましょう。

■ 辛抱や我慢という考え方を捨てよう

まず、年数に関係なく「つらくても辛抱して続ければ」という考え方をやめましょう。辛い思いを我慢しても長続きしません。苦しいのだからとすぐ大きな見返りを求めがちで思い通りにならないと自分ばかり運がないとか不幸だとか思い込んでしまうことがあるからです。

そこに3年という期間を設定すると「石の上にも三年」と言ったのに嘘じゃないか!と、頑張りや努力は報われないとこれまた思い込んで信じてしまいやすいのです。

だからまずは「辛く苦しいけど我慢しなくちゃ」という姿勢とそう考える習慣を捨てましょう。それができなければ3年だろうと5年だろうと10年だろうとやるほどに悪循環です。

■ 「藪」まで到達すればたいしたもの

資格試験突破できる基礎ができるまで少なくとも3年と考えましょう。一発合格するつもりで本気で挑戦して3回ぐらいでやっとスタートラインに立てると捉えるのです。3度の受験経験があればその資格試験においては熟練受験生の域に達しています。そうなるともう「藪」ではないんです。

「藪医者」なんて言い方がありますが、その人にはハッキリでなくても少しは見えているわけです。レースならばだいたいあの辺りにゴールテープが張らているのは見えています。試験でいえば合格ラインがそこそこ見えているのです。ということは合格圏内にかなり近い場所まで到達しているということです。

もしも3年やっても全くゴールテープが見えないしその気配さえ感じないとしたら他の試験に切り替えるのが得策です。でも藪でも見えているのならば、そこからどれだけやれるかです。まさにそこからが勝負なのです。

■ 「3年目の不合格ぐらい大目に」は無理がある

ところが3年経つと周囲の状況は一変します。環境が一気に変化します。「いいかげんこれ以上迷惑かけるな、あきらめたらどうか」という勢力図に大きく塗り替えられます。あれほど応援勢力図が大きかったのが夢幻かのように感じられることもあるでしょう。

そういう訳ではじめに3年という期間を設定してそれを条件に周囲を説得して協力を得る方法はおすすめしません。

資格試験に挑戦していることは伝えても、身近な人たちに特別な我慢をしてもらうような形で応援してもらおうとしないことです。辛いけど我慢してると思えば人は大きな見返りを期待します。これは受験生の勉強でも同じです。我慢してるんだから合格できなきゃおかしいという思いは日々増大していくそれと同じなのです。

周囲の大事な人たちにもこれと同じような思いをさせる3年区切り条件制での資格試験挑戦はよくありがちなので注意が必要です。

3年目の浮気ぐらい大目にみろと言っても無理があるのと似て、3年目の不合格ぐらい大目にみろ、もやはり無理があるのです。

■ 3年区切りの良い点と悪い点

そうならないよう、対策としては日々の勉強を日常の中に溶け込ませることです。資格試験に挑戦していることは伝えつつもだからと特別扱いを求めないこと。もちろん試験直前期や試験日などに特別な配慮や協力をお願いすることはあっても基本的には普段の生活の中に勉強が刷り込まれている状態を日常にする工夫をすること。

例えば資格試験に挑戦中に恋愛もして婚約するとしましょう。相手には勉強中であることをちゃんと伝え、入籍しても新婚によくあるアツアツなふたりの時間は他の新婚家庭に比べると少ないかもしれないと話しておきます。

そうしていざ新婚生活が始まると、例えば夕食後にリビングのソファで一緒に映画を楽しむのは週に1回でほかの日は仕事の残りや勉強をするために書斎に行くことにも納得の上での結婚だからと思ってもらいやすいでしょう。そういう生活が続くと、いつしかそれが日常になります。

もちろんここで安心して新婚相手をほったらかしてはいけません。記念日や一定期間ごとに特別な日を設けるなどしてその日はおもいっきり一緒に楽しむなどしつつも日常の勉強ペースは保つという生活習慣を続けるのです。

人は自分にも他人にもリミットを求めがちです。我慢してると感じればなおさらに制限内におさめるよう要求します。それがオーバーすると我慢が一気に不満となって爆発して大事なものをたくさん失ってしまうかもしれません。

箸にも棒にも掛からぬとわかるための3年ならば十分にその役割を果たした期間です。他の試験に挑戦するなり、試験以外のものを探すなりするよい機会です。

3年というめどにはこうした利点もある一方で、やっとスタートラインに立てたところで諦めなければならない状況に陥ってしまうことも。

一発合格が難しいとされる難関資格試験の合格者の平均受験回数は2~4回と言われます。もちろんこれは「合格者の」平均受験回数ですから不合格者は含まれていません。しかも「平均」の受験回数です。もっと回数が多い人だっています。2~4回ということから見てとれるのは3回をめどにした挑戦をしている受験生がそれなりの割合でいそうだということです。

人は繰り返しによってどんどん慣れていきますから3回を過ぎた頃からいよいよ慣れてきて基礎力もかなりついてきます。脂がのってきてここからいざ勝負! の段階に入ったのにそこで諦めざるを得ないとしたら……?

穴を掘り続けて数百メートル。あと数メートル掘り進めば金脈に当たるのにそこで諦める人のなんと多いことでしょう! こんなにやったんだからもう無理だしこれ以上は無駄と思うのは仕方ありませんが、その「どれだけやったか」を3年というありふれた区切りに任せっきりにしてよいのでしょうか。

誰でもない自分の挑戦なのに、他人の3年という区切りに縛られたり振り回されたりしたいのでしょうか。

資格試験挑戦において「3年」との付き合い方は思うよりもはるかに大事なのです。

以上で今回のノートは終了です。お読みくださりありがとうございました。

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以下は有料noteの紹介です。

受験科目の具体的な内容については資格予備校や塾の講師の方々のものを購入してじっくりしっかり活用すると良いでしょう。その他の、合格者の実体験や経験を踏まえた気づきや分かったことやコツや勉強法などは、いわゆる合格体験記の類によくありますね。それらも大いに参考になるのですが、その多くは予備校等の宣伝の一部だったりします。

ではそれ以外である程度まとまった生(ナマ)の情報を得ようとすると意外と苦労します。ネット上の情報は細切れだったりしますし、いくつもの資格検定試験に合格してる人をみつけるのも大変です。なんとか知り合いのツテでお目当ての資格試験の合格者を紹介してもらって話を聞けたとしても、その人との関係性の種類や度合によっては相手も「これはさすがに言わないでおこう」や「(核心に触れる部分は)そこまで話す義理もないかな」といったブレーキがかかります。結果として当たり障りのない内容になってしまったり……。それは思いやりや親切心からというのもありますし(出し惜しみしてるわけでもないにしても)やはり関係性の距離感によっては聞ける話には限界があるものです。

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それが有料noteです。

これらを無料で公開してもいいのですが(実際に一部はかつて無料公開していたました)、やはりある程度の覚悟を持った人でないとあまり意味がないのでそうしました。

私がこれまで合格した試験の主なものは社会保険労務士、行政書士、宅建士、管理業務主任者、FP技能士2級、ビジ法2級、知財2級など。他に細かいのも含めるとかなりの数になります。それら勉強受験経験を得てわかったこと、気付いたこと、もっとこうしておけば良かったこと、勉強法などをまとめています。(今後も新note続々作成予定)

勉強、受験といった挑戦には時間もお金も労力もかかります。それでもやろるぞ!というマジの人へ。


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