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反フェミニズムの終焉

先日執筆した「反フェミニズムの論点」はこの手のテキストとしては例外的なことに左右・男女を超えた広範な読者層に届いたようだ。

大学の権威が失われ、出版文化が衰退し、インターネットによって誰もが気軽に自分の考えを語れるようになった。それはある種の豊饒さを生んだが、同時に豊饒であるがゆえの複雑さをも生んだ。

いま現在、「総論」的な思想地図を描くことは極めて難しくなっている。それはあまりに多様すぎるミームを包括的に把握し総論を掴むことが難しくなったというだけではなく、思想(ミーム)そのものが高速で有機的に変化・変容し続けているということでもある。

その中で一時的なものであれ「総論」を可視化できたことには、筆者としても多少の満足を覚えている。しかしおそらく1年後には(いや下手をすると3か月後でも)また違った思想地図が出来上がっているだろう。

さて、本稿では「反フェミニズムの終焉」と題して、反フェミニズムという思想が今後どのような行く末を辿るのかについて筆者の個人的な予想を開陳する。

これから何が起こるのか。

筆者の予想を一言で表せば、「反フェミニズム」という思想潮流は遠からぬうちに終焉すると予測している。

本稿ではその理路と、「これから何が起こるのか」についての陰鬱な予測を記していきたいと思う。

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3,448字
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