「手段」が「目的」になると上手くいかない


定期的に講師業をしているのですが、「手段」と「目的」を混同してしまう方に度々お会いすることが重なり、自分なりにまとめておくことにしました。もしよろしければ、お付き合いください(⌒-⌒; )


「手段」と「目的」どう決める?


普段、編集仕事の他に、アトピーにお困りのお母さん向けに講座を開いているのですが、お子さんのアトピーを治したい、少しでもよくしたい、そういった一生懸命なお母さんが多く、様々な情報を得てチャレンジし、上手く行かなければ、また別の方法を、と頑張っていらっしゃいます。

そのお母さんのお気持ちはとてもよくわかります。我が家は子どもにアトピーは発症していませんが、私自身がアトピッ子なので。自分自身が酷くなったときに、薬に頼りたくない、なるべく自然に治したい、と思い、人体実験好き(自分専用ですよ!)なので、だいぶからだや皮膚にとって過酷なこともしてきました。

けれど、たとえば「乳酸菌がいい」とか「水素が効くらしい」とか「玄米菜食でないと」とかって、すべて「手段」ですよね。それがもちろん《アトピーを治す》という「目的」に向かってはいるわけですが、もう少し、小さい単位での「目的」が欲しいわけです。

乳酸菌を摂ってどうしたいのか?
水素を摂って(飲んで)どうなるのか?
玄米菜食にしてどうなって欲しいのか?

先に「目的」を決めたほうが実践しやすいし、目的にたどり着きやすくなります。

たとえば、
肌の修復力を上げるためにタンパク質を摂る、
ならば、肌の修復力を上げるのが「目的」で、タンパク質を摂るが「手段」。
タンパク質を摂る以外にも「手段」はありますし、
タンパク質を摂るにもいろんな「手段」があります。

その中で、試していくと、効果がわかりやすくなります。


「目的」がきちんと定まっていないと、
「手段」が「目的」にとって変わりやすくなってしまい、
だんだんと、どこに向かって、何をしているのかが、わからなくなってしまう
こともあるんですよね。

ちょうど、赤ちゃんが、最初はオムツを替えて欲しくて泣いていたはずなのに、
何に泣いていたのか最後はよくわからなくなっている、みたいな。


これはアトピーのケア法ということだけでなく、なんでも同じだなと思います。
たとえば、私の編集仕事でも同じ。特集のテーマが「手段」だと「目的」が上手く定まらず、ブレていくことがあったりしますし、受験勉強なども一緒。《受かる》という大きな「目標」はみんな持っているけれど、小さい単位での「目標」がないと、今、何をしているのか?を見失いがちになってしまうのです。


最近、よくブランドのリブランディングのお仕事のお話を受けるのですが、そこにも「手段」と「目的」が上手くマッチしていないことが往々にしてあります。そこに気づかれると、修正が早いというか、動きが見えやすくなるんですよね。


たったこれだけのこと?と思うことなのだけれど、とっても重要で、仕事や勉強だけでなく、日常生活の中でもいろいろと起きる「上手く回らない」感じは、ここが要因だったりします(⌒-⌒; )


モノづくりに励む学生さんたちのプレゼン準備のお話がとてもよくこの「手段」と「目的」を表していて、、、自分たちが創ったものがいかに素晴らしいか、いかにこの素材を創るのが大変だったか、という「手段」に陥ってしまい、プレゼンで伝えたいのは、そのモノを使った人がどうなるのか、どんな素敵な未来が待っているのか、という「目的」を伝えるのがプレゼンなんだよ、と教えていらっしゃる先生のお話がとても印象的で。

そんなふうに学生の頃から授業で叩き込まれていたら、きっと社会に出ても役立つだろうなぁ、、、なんて思ってしまったりしました。

我が子にも、勉強方法を通じて、ちゃんと小さな「目的」をつくり、「手段」を考えるという思考がインプットされるように伝えられたらなぁと考えています(⌒-⌒; )


考え方、思考の組み立て方って、本当に大事だなぁと感じた出来事でした。


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