事件です!×日向坂探偵局 EP3 汚れた組織
翌日、櫻坂署にやってきた探偵組、特に〇〇は寝不足のようだ。
というのも昨夜…
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愛萌『殺人事件!?』
電話越しに愛萌さんが素っ頓狂な声を出す。
〇〇:そうなんですよ…しばらく帰れそうにないです…
愛萌『わかりました、じゃあお土産よろしくお願いしますね?♡』
〇〇:も、もちろんです!
愛萌さんの甘い声は、電話越しでも健在だ。
愛萌『ところで…今ホテルは菜緒と二人?』
〇〇:え、まあ…お金ないですし…
愛萌『ちゃんとゴムはつけなさい!いいわね?』
〇〇:あっ!ちょっ!
電話が切れる。そんなことを言われたら意識してしまう〇〇…
菜緒:パジャマパジャマ…
菜緒はバスタオル姿で現れる。
〇〇:な、なにしてんだよ!
菜緒:み、見るなぁ!///変態!///
ホテル内に乾いたビンタの音が響く…
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菜緒:あーあ、昨日は飛んだ目にあったわ…
〇〇:そっちのせいでしょ!?100:0で!
菜緒:もう知らん!
由依:あのぉ!朝っぱらから警察署内でイチャイチャしないで貰えますか?
小林刑事は2人を抜かして刑事課に向かう。
里奈:そこの2人!噂の探偵さん達ね?
交通課のミニスカポリス達がやってくる。
保乃:由依さんの前でイチャイチャしない方がええで?
ひかる:今、合コン7連敗中らしいです…
里奈:そーいうこと!じゃ、頑張って!
交通課の姿を〇〇はじーっと見つめる。
菜緒:鼻の下伸ばして…きっしょ…
〇〇:ちょ!待てよ!
菜緒:キムタクかいな!
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刑事課
小池:とりあえず、被害者の遺留品を調べるのが大切だな。
〇〇:でも、それは本庁の人達がやってるからできないのでは?
小池:あのね?調べ終わった遺留品は、捜査が終わるまで所轄署に置いておくの。その間は下手にしなければ見放題!
由依:バレないようにね?本庁の奴らそういうの目の敵にするから。
土田:俺が取ってくるよ。捜査員の中に知り合いいるから。
土田さんはだるそうに捜査本部に向かう。
菅井:あのぉ…小坂菜緒さん?お饅頭とお煎餅と最中、どれが好き?
菜緒:じゃあ…お煎餅で!
菅井:はいどうぞ!
菅井署長は菜緒に櫻せんべいを渡す。
菜緒:ありがとうございます!
菅井:いいのよ?その代わり、おじい様によろしく伝えておいてね?
〇〇:え?
菜緒:あ、あの…祖父は前に亡くなりまして…
菅井:あー…そう…?みんな!ほら捜査捜査!
菅井署長は刑事課を気まずそうに出ていく。
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数十分後…
土田:ほら!これが捜査本部から持ってきた遺留品!
段ボール箱をデスクの上にドンと置く。
土田:腰いてえ…
〇〇:お疲れ様です!早速中身見てみましょうか!
段ボール箱を開けると、中には色々なものが入っている。
小池:ノートパソコン…手帳、スマートフォン、財布…まあ普通のサラリーマンって感じですね。
由依:パソコンの中身は?
土田:さあな、まあ普通の書類だろ。
電源をつけると、パソコンが立ち上がる。
しかし、画面にロックがかかっている。
菜緒:まあ、新聞記者やから情報セキュリティには抜かりないな…
土田:後でうちのサイバー部で解析してもらおう。
〇〇:あとは手帳ですね、中身は…なんじゃこりゃ。
中には走り書きでメモが綴られている。
読めなくは無いが、読み解くのに時間がかかりそうだ。
小池:なになに…さか…みち…県警…横領事件について…?
菜緒:坂道県警の横領事件?
〇〇:なんだそりゃ?
由依:あんた達坂道県から来たんでしょ?知らないの?
菜緒:初耳です。
〇〇:ちょっと聞いてみるか…
〇〇はスマホを取り出し、ある人に電話をかける。
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陽菜『おーりょー!?』
〇〇:ちょっと!声が大きいです!
たまたま繋がった河田さん、やっぱりかける相手を間違えたと直感した。
史帆『ねえ〜どうかしたの〜?』
〇〇:あの…
〇〇は史帆さんに事情を話す。
史帆『あのねえ〜?こないだ坂道県警の本部長が交代したでしょ〜?』
〇〇:はい、ニュースで見ました。
史帆『それ、実は本部長が経費を横領したって噂があるの〜。』
〇〇:ほ、本当ですか!?
史帆『あくまで噂ね〜?それで責任を取って交代したらしいの〜。』
〇〇:わかりました…ありがとうございます!
史帆『東京土産よろしくね〜?』
陽菜『とーきょーばななよろしくねー!』
〇〇:わ、わかりました。きちんと買ってきます。
電話を切り、このことを皆に伝える。
小池:そういうわけか…
菜緒:でも、なんでそのことを発表しないんやろ…
〇〇:確かに…妙だな。
土田:もしかしたら俺たちは…とんでもない事件に巻き込まれたんじゃないのか?
小池:え?なんでです?
土田:こんな警察の不祥事を揉み消すところなんて、1つしかないだろ。
由依:警察庁。
小池:あっ…
菜緒:そんなことほんまにあるんや…
土田:警察は隠蔽体質だからな。都合の悪いことはできる限り隠そうとする。
〇〇:それを知ってしまった智樹さんは殺されてしまった…警察庁の誰かにってことですか?
小池:だろうな、こんなことまでして…
由依:でも、そんなの誰がやるの?とても長官や幹部がやるわけじゃないし…
土田:さあな…そんな幹部の言いなりなんか腐るほどいるしな…
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小池刑事は休憩室に向かい、電話をかける。
理佐『何よ、急に電話して。』
小池:あの、警察庁が坂道県警の横領事件を揉み消したって本当ですか?
理佐『あぁ…なんとなく聞いてるわ?詳しくは聞いてないけど。』
小池:そんな他人事みたいな…
理佐『他人事よ?警察は縦割り社会、自分たちのこと以外は知らんぷりよ?』
小池:そうっすか…理佐さんはそんなことしないでくださいね?
理佐『するわけないでしょ?あんたみたいなのがいるから。』
小池:なんすかそれ…笑
理佐『そのままの意味よ、仕事しなさい。』
小池:はーい…笑
小池刑事が電話を切ると、〇〇が駆け込んでくる。
〇〇:大変です!遺留品が…!
小池刑事が駆けつけると、古野管理官が部下数名と一緒に遺留品を没収していた。
小池:何するんか!?
古野:この事件は本庁捜査員のみで行うと言ったはずだ!それなのに、勝手に遺留品を持ち出して!
由依:確認済の遺留品︎は捜査終了まで所轄署で預かるって決まりですよね?
古野:とにかく!これはこちらで処分する、二度と馬鹿な真似はするな!
遺留品の入った段ボール箱は、そのまま持って行かれる。
小池:こりゃ黒だ。
菜緒:ああ…貴重な証拠が…
土田:万事休す、だな。
由依:さすが警察庁、証拠隠しはお手のものね…
〇〇:はあ…一体どうしたら。
小池:今回はあの人使えなさそうっすね…
菜緒:あの人?
小池:ああ、元ヤクザの人で裏社会の情報屋ってところかな?
〇〇:情報屋…あっ!
〇〇は急いで愛萌さんに電話をかける。
愛萌『どうかしましたあ?』
〇〇:あの…愛萌さんが勤めてるスナックに…警察の人とか来てないですよね…?
愛萌『え?来ますよぉ?』
〇〇:ですよね〜…
・ ・ ・
〇〇:来るんですか!?
愛萌『常連ですよ。毎週水曜日に坂道県警の幹部の方が。』
〇〇はカレンダーを確認する。今日はちょうど水曜日だった。
〇〇:愛萌さんお願いです!
愛萌さんに事情を説明し、その人から情報を聞き出すようにお願いする。
愛萌『わかりました!その代わり…』
〇〇:その代わり…?
愛萌『わたしぃ…今度出る新作の小説…欲しいなあ…?♡』
必殺、愛萌さんのオネダリ攻撃。
これは…勝てる気がしない。
〇〇:いいですよ!本の1冊2冊くらい!
愛萌『ありがとう〜♡じゃ、愛萌頑張りまーす♡』
電話が切れる。
この人には一生勝てないだろうなあ…と思いつつ部屋に戻る。
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警察庁
階段を降りている幹部に渡邉管理官が声をかける。
理佐:あの、坂道県警の横領事件を隠しているというのは本当ですか?
幹部:君は耳が速いな。
理佐:どうなんですか?
幹部:君も、この組織はどんなものかわかるだろ?自己保身しか頭のない組織だ。
理佐:警察の隠蔽のために、一般人が殺されるんですか?
幹部:渡邉くん、君の正義感は素晴らしい…だがな?警察は正義だけでは成り立たないんだよ?
理佐:警察は正義でしょう?
幹部:刑事ドラマの見過ぎだ。正義のために、時に悪になることもある。
理佐:そんなの、警察の意味がありません!
幹部:渡邉くん、君は女性初の長官候補と言われているらしいが、あまり調子に乗らない方がいい。わかったな?
幹部は渡邉管理官の肩をたたくと、そのままどこかに行ってしまった。
渡邉管理官の怒りの拳は、壁に叩きつけられた。
つづく
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