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北海道のホタテの町が全国平均年収3位ということと、僕らのオーベルジュ計画

全く本題と関係ないが、WAGYUMAFIAの近くにあるそばの甲賀というお店では、中華そばを定期的に出している。数年前に食べたときは中華そばというよりもそばがラーメン風のスープに入っているという感じだったのだが、今年のすすり始めは全く違っていた。鼻に抜ける香りはそばのあのかえしの感覚、そこから芳醇な香味がアップグレードして腰がある独特の麺から伝わってくる。この余韻が心地よくも長い。そば屋で食べる中華そばというのは結構あるが、またランクが違うレベルのものを引っさげてきたなぁっと。いやーさすがである。

いつもの仲間たちとその中華そばをすすっていたら、バーを経営している友人が突然こんな話を始めた。

「平均年収でいくと港区とか高いのは当然なんだけど、全国第三位が名もない北海道の村なんやって」

僕はテレビを持っていないので、変な情報源といえばもっぱらこの友人がシェアしてくるテレビネタだ。調べてみるとこの村は猿払村という、堂々と全国第三位の平均所得ランキングに入っているという。それによると第一位はぶっちぎりで港区、そして千代田区、ここまで東京ね。それでこの猿払村がドーンと入ってくる。4位が渋谷区なので、それだけでも奇異な登場だ。

調べてみるとホタテの漁業で潤っている村らしい。北海道最北端に位置して、世帯は1000超、3000以下の村ながら道内最大の村とのことだ。漁業収入の9割近くの100億円をホタテで生んでいる。なんだ漁場に恵まれたラッキーストーリーかと思ったら、調べてみるとそうではなかった。元々はニシンの町で乱獲によりニシンもホタテも消えて、漁業事態が衰退した。そこから日本で初めての違い大規模放流を実施して、10cmまで成長した五年貝にしてから上げていく。ホタテ漁の復活を目指して70年代前半からスタートした町おこしだった。いい話だ。

そのバー経営の友人はこう続けた。

スナックが一軒しかないらしい、こういうところになんか出したら大ヒットするんじゃないの?

こういうことを言うが、彼がここで開きたいという魂胆は一ミリもないことを言っておく。場所は甲賀から移動して、その近くのENZOというグランブルーの主人公から名付けたお店でアイスコーヒーをすすりながら、彼のこの年収話の続きを聞いていた。

コロナ禍において、日本を旅している。なんどもこのコラムでも書いているが、世界を旅できないからだ。日本は本当に豊かだ、この猿払村は未訪だがきっと美しい場所なんだろうと思う。だからこそ漁業衰退時は「貧乏見たけりゃ猿払へ」と言われた場所だったのにも関わらず、ここまでの規模に出来たのだろう。

もう少し落ち着いたら、海外はロンドンをある程度のベースにする予定だ。そこに当然の如く東京が入ってくる、事業ベースではかなりの規模になっている香港が少し入り、そこから国内もう一箇所ぐらい定期的に訪れるミニベースみたいなところを作りたいと思う。そこにWAGYUMAFIAのオーベルジュを作りたいなぁっと思うのだった。成功している町よりも、これから一緒に新しく世界へドアを開くことができる。そんな日本の場所があったらぜひ僕らに教えて欲しい。

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