見出し画像

スシロー事件で思う、日本の飲食はやっぱり安すぎるという残念な件

日本に戻ってくると、スシローなどの回転寿司やうどんチェーンが心無いユーザーにペロペロされて炎上していた。アメリカから帰ってきたので、なんとも日本らしいと笑う。いきなり結論から言うと、高くすればいい。コロナ中に僕がよく泊まるサウナ付きのビジネスホテルがとんでもないことになっていた。国のトラベルキャンペーンかなんかで4000円で泊まれるようになっていたからだ。今、そのホテルは4万ぐらいに戻っていて、実にキレイな状態だ。アメリカで訪れたErewhonなんかもゲストの質はとてもいい。常々僕は提言しているが、日本の飲食は安すぎて何と戦っているのかを見失っているのだろうと思う。だからこそ、こういうよくわからない食テロが起きたときに考えればいいのだ、安売りをやめるということを。

先日のツアー中に帰路にてもうひとつラッゲージを買おうと思った。久しぶりにRIMOWAに入ってみると、LVMHが買収したあとにしっかりと値上げをしていておそらく3倍ぐらいになっていた。子供のときに一番キライだったのがバーゲン会場に連れて行かれることだ、袋を渡されとりあえず買うかわからなくても気に入ったらその袋の中に入れなさいとそう言われて、服を一枚その袋に入れようとしたら、ズカズカとおばちゃんがこれ私のって奪って自分の袋に入れていた。あの事件は幼い子どもの僕の心を傷つけて、一生バーゲン会場にはいかないと決めた瞬間だった。きっと、そういうことなんだろうなぁっと思うのだ。安いから買うというのは購買行動のトリガーとして一番センスがない。結局あのときにバーゲンで要らない服を買ってもどうせ着ないのだ。僕らのWAGYUMAFIAも最初は1万円からスタートして、海外イベントだと10万円とかのチケットになる。1万円あたりをウロウロしていたときは、とにかく価格についてあーだこーだ言われた。やれワインは500円のグラスをおけとか、2000円で飲み放題をつけてくれとか色々なことを言われた。そのときに僕はこのレンジで戦っても勝てないなと思った。そこから色々な努力を重ねて今の水準まで来ている。値段を上げたら人は購買者は減少する、それは市場経済の原則としては正しい、ただし僕から言わせてみると値段を上げたら全く違うフィールドで戦えるということも忘れてはいけない。

僕はアメリカに学生時代を過ごしたから、宅配ピザチェーンに寮のルームメートが面白くおかしくオーダーすると、必ずなにかされていた。「みんなおまえそんなこというと絶対つばとかいれられてるんだからな」とかそんな会話が当たり前だった。アメリカのファーストフードチェーンでは色々なことが起きる。日本の今回のペロペロ事件なんて大したことはない。もちろん株式市場で100億吹っ飛んだなど、色々なところに影響が出ているのは確かだが、別にソーシャルメディアがあるから健在化しただけで、昔からこんな奴らは沢山いたんだと思う。そこでレールにプラカバーをつけるとかハードで防ごうと考えているっぽいけど、そんなことをしたら回転寿司の魅力は吹っ飛んでしまうわけで、てっとり早いのは客単を二倍にする方法を考えることだ。大手の寿司チェーンはほぼ同じ仕入れ先だ、かけられるコストが変わればもっと美味しい魚を提供できるはずだ。ペロペロする客もきっと少なくなることだろう。スシローのシンガポールの客単はおそらく3000円オーバーだ。もう少し頑張れば4000円に行くことだろう。ちなみにLAのスーパーではちょっとパックに入ったいくらが1600円した。トップの写真はラスベガスで他食べたハンドロール寿司、これで1500円する。世界の水準とは大体それぐらいなのだ。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?