見出し画像

常に記憶の中心に存在するカンヌ映画祭でのプライベートディナー

7月に入った途端に、再びフルアクセルモードである。来週からはヨーロッパツアーが再開される、本当に久しぶりなツアーでとても楽しみだ。この一週間前になって大幅な変更も加わり、相変わらずWAGYUMAFIA海外組はロックな感じである。黎明期とは全く違い、基本的には半年前ぐらいからツアーの内容は大体決まっているのだが、ある程度のフレキシビリティは残していてこうやって一週間前に大型のイベントを入れ込んでしまったりもする。マネジメントは大変だが、僕らはその時の感覚というかノリで生きている。流れがあるときは、そういうものがバシバシっと決まる、その湖面を小刻みに跳ねているような飛び石のような感覚。この感覚が僕にとってとてもいいリズム進行となる。

リズムを大切にするというというのは、ご縁を大切にするということでもある。通常営業もツアーもそのほとんどがゲストとの縁が紡いだ結果だ。だからこそその波及が常に終わらないようにしていくことがとても重要だったりするのだ。昔カンヌ映画祭で、友人のプロデューサーに飯を誘ってもらったことがあった。監督と俳優の大御所が集まった。20代はじめの僕はそのメンバーにも面食らったのだが、何よりもびっくりしたのが主催者のバウターのきめ細かな事前準備だった。ここは彼女、ここは誰・・・ウェイターにあの人はこれが好きだから、ワインはこの順序で、そして席順は。あ、寿人は彼の隣に座ったらいい、日本好きだしきっと話しが合うはず。

当たり前のように最高のディナーとなり、また次に会おうということになる。あのときにご一緒したテーブルのメンバーとは未だに親交が続いている。バウターは残念ながら亡くなってしまったが、空からご縁が続いていることを眺めて喜んでいるような気がする。海外ツアーも、通常営業もそうだが、一期一会な出会いをどれだけビビッドに覚えてもらえるか、そのためには僕らの事前準備と演出にかかっている。ロックな感じで決まったあの島でのショーも、新たな演出を実現出来るように数日間で練っていきたいと思う。またここからの出会いへと繋がるわけだから。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?