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ブランドのストーリー展開

どうやってブランドストーリーを考えるのですか?

ブランドを考えるときにストーリーテリングになっていないといけない。逆にいうと僕にとっては、ストーリーがないとブランドにならないし、そんなブランドは作っちゃいけないという実に簡単なルールがある。とにかくWAGYUMAFIAのミーティングでは、このストーリーという言葉が多発する。メニュー開発さえもストーリーの欠如は許されない。とにかくブランドにはベースになるストーリーがないと崩壊するのだ。今日はMASHI NO MASHIという香港で作った新しいラーメンブランドをどういうコンセプトストーリーを考えて、展開していくのかを書きたいと思う。

まずネーミング。MASHI NO MASHIという名前は、香港の人が大好きな「の」という平仮名を使いたかった。あともうひとつ、外国人が日本語を頑張って使ったんだけど、なんかちょっとおかしい日本語という感じも欲しかった。大盛りを意味する「マシマシ」から「マシのマシ」が生まれた。もちろんマシという言葉を知っている外国人もほとんどいない。

マシのマシという名前が生まれたことで、マシさんとマシさんという夫婦という設定にした。いよいよ登場人物が生まれる、Mr.MASHIとMrs.MASHIだ。Mr.Mashiの実家は和牛を育てている、そして結婚したMrs.Mashiは養鶏所の娘だ。その二人が結婚して、マシのマシな夫婦になったのだ。第一号店は、旦那であるMr.Mashiの和牛を使って牛骨スープメインの世界一の和牛ラーメンを作るという流れにした。ちょうど香港のWAGYUMAFIAは入り口が隠されている。ラーメン屋さんを通過しないと入れない仕組みになっており、WAGYUMAFIAの玄関口ということでも和牛ラーメンの登場させたかった。牛骨を使ったラーメンは中東でサーブできるというメリットがある。豚骨ラーメンはとにかく旨い、ただし宗教上の理由で食べられないボーンブロス好きな未来のラーメンファンは確実にいるはずだ。

実はこの夫婦には子供が2名いる。長男のベイビーマシはウニが好きだ。実はこの夫婦の設定はうちの両親がモデルになっており、ベイビーマシはガキの頃に鮨屋にいったらまずウニとなまこ酢を頼んでいた自分という設定である。そろそろカンがいい方は、MASHI NO MASHIストーリーラインがわかってきたと思う。そう家族それぞれが自分のスープベースを持っているのだ。そのスープが徐々にデビューしていくいというそんなストーリー展開になっている。ちなみに家族は独立展開可能な設計になっている。ちょうどスターウォーズのソロシリーズ化みたいなそんなイメージだ。

香港、東京とオープンして、次はシドニーに建築中だ。ここで初めてデビューするベイビーマシ。シドニーの旨いウニを使ってどんなラーメンを作ろうか今からワクワクしている。ベイビーマシには妹がいる。その妹の登場はまだ少し先だが、こちらもまだ秘密だがとっておきの武器を用意している。

東京店舗に掲げられている外国人の顔。「彼がオーナーなんです」とぼくはラーメンをすすりながら吹聴しているのだが、実は彼はJohn Nugentというバーテンダーだ。つい先日Asia Best 50のBest Bar 20位に輝く快挙を遂げたジョン。ちなみに彼はWAGYUMAFIA HONG KONGの立ち上げメンバーの一人でもある。WAGYUMAFIAの常連なら、日本にもちょくちょく来てくれたJohnのカクテルを飲んだことがある人も多いだろう。そんな彼が影のオーナーという設定だ。よくレストランに行くとオーナーの顔をどーんと貼っちゃっている痛い系レストランがある。MASHI NO MASHIではJohnがその痛い役目をしてくれている。すっかりバー業界で有名になった彼は、そろそろ肖像権使用のロイヤルティが欲しいと言い出してきている。笑

ここで披露したストーリー展開は、まだほんの序章だがブランドを作るというのはストーリー展開を入念にイメージしてから、ロードマップを敷いて徐々にそのブランドを歩かせていく必要があると思っている。


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