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色、音、匂い

里山って、季節とともにある人々の営みがあって、目で見て楽しい。

よく住んでる人は何もないって言うんだよね。 
生まれた時から当たり前にそこにあるからね。

大阪から滋賀県高島市に移住して、早10年

アスファルトの上で育った私には、
季節ごとにガラっと装いを変える里山が
とてもエキサイティングだ。


色、音、匂い そして味わい

五感全てに圧倒的に迫ってくる四季

その中に暮らす豊さ。

都会で暮らした今までの人生、一体どこに季節を感じてきたんだろうか?

○○○○○○○○○○○

全てが白に包まれる冬

あんなに賑やかだった 音も色も全てがなくなる。


厳しさの中に息を飲む美しさもあり、静かで感覚が研ぎ澄まされる季節

雪に包まれると、野良仕事はできなくなる。
そして雪があるから、物理的に動ける範囲も限られる。

雪のある冬って動けなくなるんだと、コッチに来てはじめて知った。
圧倒的な氷の世界の中にいると、全て諦めじっとするしかない。

都市にいると、人間が全て支配できてるような勘違いしてしまうよね。
大雪に打ちのめされると、自然をただ受け入れるしかない生き物だったんだと思い出し、自ずと謙虚になる。



そして長い間、雪に包まれ寒さに耐忍んだ後に広がる春の喜びはひとしお。

雪解けの下から、久しぶりに見える緑

あの雪の下で、もう春の準備してたんだ。
緑は生命の色だと、春が来る度に深く感動する。


鳥がさえずり、虫たちも動きだし、ほろ苦い春の恵みを味わう

花からはじまる木々に葉が徐々に茂りはじめる。

そして避けたくなるほど日差しが強くなる頃には、たくさん葉が茂ってちゃんと木陰ができている。

夏になったんだ。

生命力みなぎる賑やかな季節
日中は蝉、夜はカエルの大合唱で
明け方以外はかなりの大音量になっている。
夜、真っ暗な中、360度音に包まれる世界にはじめはビックリした。

夏の空気の中では、不思議とさほどうるさく感じないんだ。
音がなくなった冬の今、思い返してみると、
信じられないくらいの大音量だ。

そして、照りつける日が少し和らいだ頃、
涼やかな秋の虫の声がチラホラ混ざりはじめ、夏の疲れが癒やされる。

気が付けは秋の気配が、そこかしこにやってきて
里山が色付きはじめている


♪真っ赤だなぁ~真っ赤だなぁ~
蔦の葉っぱは真っ赤だな

本当に、真っ赤だよね!

小学校で習った童謡は、里山で季節を喜ぶ歌だったんだね。

今までは実感なく、ただ言葉を並べてただけだった。

シンプルな言葉に託された季節の喜び。
子どもといると良く歌うんだけど
歌いながら味わい、今更ながら感動する。
なんていい歌なんだろうかと。


♪ゆきやこんこん あられやこんこん

♪春がきた 春がきた どこにきた~

季節が巡る事が
こんなにも豊かで楽しく喜びに溢れてるんだと知れて、明らかに人生の厚みが増したように思う

それだけでも田舎に住んでみて良かった。

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