子どものアレルギーの7割は治る
今から50年前には日本では「アレルギー」は、ほとんどありませんでしたが、現在では国民の3人に1人が何らかのアレルギーを持っているといわれています。
お子さんのアレルギーで悩まれるお父さんお母さんも、非常に多くいらっしゃいますよね。アレルギー除去、代替食など手間もストレスもかかりますが、実はお子さんのアレルギーの7割は、治ります。
治るアレルギー
即時型食物アレルギーは原因食物によって治りやすいものと治りにくいものがあります。
乳幼児に多い鶏卵、牛乳、小麦、大豆のアレルギーは3歳までに5割、小学校の就学までに7-8割が治ると言われています。またそれ以外の原因食物は全般的に治りにくく、ピーナッツアレルギーで1〜2割程度が自然に治ると考えられています。重症な場合、中等症以下の場合よりも治りにくい傾向があります。
他の病型で「新生児・乳児消化管アレルギー」や「食物アレルギーの関与する乳児アトピー性皮膚炎」は幼児期に治りやすく、食物依存性運動誘発性アナフィラキシーや口腔アレルギー症候群は治りにくいと考えられています。
アレルギー改善のために大切なこと
▶️正しいアレルゲン診断に基づいた必要最小限の除去にする
食物アレルギーを発症しやすい乳幼児期に食事管理を進めるにあた理、とても大切になってくるのは正しいアレルゲン診断に基づく【必要最小限の除去】です。
症状が出る食物だけを除去すること。食事療法で除去しなければならないのは、あくまでも「食べるとアレルギー症状が出る」食物だけです。
症状が出たかどうか疑わしい、あるいは血液検査や皮膚試験で陽性だったという理由だけで、その食物を完全に除去する必要がない場合もあります。(アレルギー反応の出やすさを見る血液検査・皮膚試験では、実際に症状が出るかどうかは正確にはわかりません。陽性でも症状が出ないことがあります)。
▶︎アレルゲン(原因食物)でも、食べられる範囲までは食べる
症状が出る原因食物であっても、加熱・加工によって症状なく食べられるものや、少量なら食べられることもあります。
そして、こうした食べられる範囲は、多くの場合、成長とともに広がっていきます。前述のように、小学校就学前に7割のお子さんは改善します。ただ、その過程の食べられる範囲を、自己判断で決めてはいけません。家庭で食べている加工食品や料理を詳しく医師に伝えて、評価してもらいましょう。正確に判断するためには、病院で行う食物経口負荷試験が必要です。
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