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傾聴とは瞑想である

社内で「傾聴とは?」という話題になった。接客をする仕事として、これはとても重要な課題のように思うのである。ゲストハウスというのは人との距離が近くなることが多く、それだけこのスキルは必要と強く思う。
 
さて、傾聴とはネットで調べると次の意味が出てきた。
 
「相手の話に耳を傾け、熱心にきくスキル」
 
この意味だけで、傾聴というものを腑に落としている人はいないかもしれない。ここからは私自身の経験と、傾聴に関することを話していきたいと思う。一言で言ってしまえば傾聴とは「瞑想」である。
 
◯よく泣かれる人生相談
ネットで行っていた恋愛相談を対面で始めたとき、「相談者が泣く」ということを体験した。ネットでも評価の部分に「涙を流しました」と言われることもあったのだが、もちろん事実はわからない。しかし、対面でやってみて、それを見ると不思議と分析したくなるのが私の性分である。
 
人が泣くというのは例えば映画で感動する、などのことが多い。これは主人公に共感し、自分の過去の経験の追体験などが引き起こされるなどが原因として考えられるだろう。この場合、私の恋愛相談には該当しない
 
私が恋愛相談をしていて気づいたのは「心に溜まった不安・不満の解放」で人は泣くということである。誰にも言えない悩みをずっと抱えてきて、それをどうしようもできない。そして、自分でも気づかないぐらい大きくなったものを開放することで涙を流すのである。
 
◯傾聴に必要なもの
では、相手の抱えている大きな不安を解放させるために、聴く側にはどんなスキルが必要だろうか。単に「傾聴力」と言われてもわからんという人が大半だと思うが、私なりに分解してみた。
 
・先入観を持たない
先入観を持たないとは言い換えれば、決めつけないということである。女性だから、男性だからとか、結婚はこうあるべき・恋愛はこうあるべき、みたいな先入観を持っていると、相手の考えを100%受け取ることができない。
 
・自分ごととして引き寄せる
相手の話を聞いているとき、「自分だったらどう感じるか?」ということを考える。そうして出てきた感情や考えには相談者と遠からず近からずの共感ポイントが存在する。それを探すことがお互いの距離を近づけていく方法の1つである。
 
・ただ、待つ
相手が話すのを待つ。これが傾聴で最も大事だと思う。人の話を聞けない人は、ずっと俺のターンの人である。また、急かせてしまうのも良くない。ただ、相手の中で言葉が醸成され、出てくるのを待つのである。
 
◯瞑想状態に入る
先入観を持たず、頭を空っぽにして、待つことをしていると、瞑想状態に入ることがある。それは相手の人生を経験もしてないのに経験しているような感覚に陥ることがある。没頭感ともいうかもしれない。
 
心に触れるという表現が一番近いかも知れない。これが冒頭で述べた、傾聴とは瞑想であるという意味である。
 
◯傾聴が必要かどうかはわからない
個人的に傾聴のスキルが上達したのは、話すのが得意ではなかったからである。4人以上のグループの中で話すということが昔からそんなに得意ではなかったし、テンポについていけないこともある。その中で聴くというスキルが育っていったのだろう。
 
傾聴スキルはやはり実践が大事だと思う。いかに自分を見つめるかが上達の鍵であると思うし、そのためには日々精進する他ない。度々その壁の高さに打ちひしがれることもあるが、それも人生であると諦めている。

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