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イベントレポート後編:Dataful Day Vol.5 〜みんなで目指そう!データ活用推進者への道 -「わたしたちのデータドリブン宣言」

「データ活用で世界を笑顔に」をビジョンに掲げて活動するユーザーコミュニティnestが主催する年に一度のオンラインカンファレンス「Dataful Day Vol. 5 〜みんなで目指そう!データ活用推進者への道」が2022年2月10日に開催されました。

その目玉イベントである特別対談『今注目の「ビジネストランスレーター」という役割 ~データ活用の先にみえるもの~』の内容については前編の記事でお伝えした通りですが、この後編ではイベントの後半に行われたもう一つのハイライトである「わたしたちのデータドリブン宣言」の様子をお届けしたいと思います。このセッションでは5組のnestメンバーがこれまで社内外で行ってきた取り組み、さらに今後目指すべき目標をこの場で宣言し、みんなの前で言ってしまった以上はやらなくてはならない、というプレッシャーを原動力に有言実行を目指そう!という、アウトプットすることを激しく奨励するnestらしさ満載の企画です。MBM大阪リーダーの芝田沙織さん(エムオーテックス株式会社)、nest運営メンバーの高良陽一郎さん(郷商事株式会社)のお二人が司会進行役を務めてくださいました。

今回参加希望を表明してくれ 、プレゼンテーションを行ってくれたのは東急リバブル株式会社の濱中芳典さん、アマノ株式会社の小俣智夫さん、株式会社リプライオリティの陣内一生さん、伊福精密株式会社の中西純一さん、ヤンマー建機株式会社の田中重信の5名です。それではそれぞれの方のプレゼンテーションの概要をご紹介します!

ゴリゴリのExcel作業に追われている人を救出したい!:東急リバブル株式会社 濱中芳典さん

濱中:私は営業職から計数担当、IT推進部の企画職を経て、現在は情報システム課でSalesforceやMotionBoardの保守運用を担当しています。もともと使っていた基幹システムが刷新されたタイミングでMotionBoardが導入されたのですが、最初はBIツールの特性をうまく理解できておらず、色々なボードを作成してみるも、社内からは重い、遅い、使いづらいという声が上がっていました。改修すべき、という意見もありましたが、初期費用を投資したばかりということもあり改修費用をかけることが現実的ではありませんでした。そこで私は費用をかけずにできることを、と考え、再び社内で改修の話が浮上するタイミングに備えて情報・知識の収集をする決意し、ハンズオンセミナーに出席したり仲間作りのためにnestに参加したりしました。その時に初めてMotionBoardのポテンシャルに気付き、今の会社の使い方はもったいない、とショックを受け、MotionBoardを使いこなす面白さにのめり込みまし

そして、2020年にMotionBoardの改修のチャンスがついに訪れました。これまでの情報集取が実を結び、意見を求められた際には具体的な改修案を提案することができ、無事に案件化にこぎつけることができました。改修後には効果が認められ、Dr.Sumを導入して負荷分散を行うなどさらに使いやすい環境を構築することができました。

今後の目標は、MotionBoardを中心としたデータ活用環境を全社に浸透させ、ゴリゴリのExcel作業に追われている人を救出することです!

CIOを目指して邁進中!:アマノ株式会社 小俣智夫さん

小俣:アマノ株式会社は駐車場機器やタイムレコーダーを作っているメーカーです。私は営業企画部で営業の人たちをサポートする業務をしています。

もともと情報システム部によって社内に導入されていたBIツールがあったのですが、うまく機能しておらずCSVで生データを出力してExcelで集計する、という運用が現場では行われていました。そこで2019年から2020年にかけて、今あるBIとは別に自分たちで管理できる「セルフBI」としてMotionBoardとDr.Sumを導入様々なデータソースとの連携を去年一年かけて行いました。繋いだデータを元にボードを作成し、最近になってようやく利用者に見てもらえるような状態になってきました。

全てのデータをDr.Sumに溜めていくことを徹底し、溜めたデータをMotionBoardで表示させて活用しよう、という啓蒙活動を日々社内で行っています。経営層や管理職や利用部門の人にデータを見てもらって、そういうデータをリアルタイムで見ながら会議が行われるような環境を構築したいと思い、熱意を持って頑張っているところです。「誰でもデータが活用できる時代を作りたいと思って尽力しています。

情報システム部だけではなく経営の一環としてデータが活用されることを進めることを目標としていて、将来的には私自身がCIOを勤められるくらいレベルアップしたいと思っています!目指せCIOです!

「地味でも地道にコツコツ、いつの間にかみんなデータドリブン」:株式会社リプライオリティ 陣内一生さん

陣内:株式会社リプライオリティは通販関連の総合支援企業で、私はアウトバウンドコールセンターでデータ集計・分析業務を担当しています。

もともと現場ではあまりデータが活用されていませんでした。現場担当者がデータを活用するためには、データをダウンロードし、Excelで集計作業を自ら行う必要があり、現場担当者がデータを活用しないのはその手間が原因なのではないかと私は仮説を立てました。そこで、データ分析チームでExcel集計などの作業を巻き取り、担当者が必要としているデータを配信することで、データの有用性に気づいてもらおうという取り組みを始めました。その結果、担当者が受け取ったデータを活用するようになり、その影響で業績が上がり社内で表彰される、など少しずつ良い循環が生まれ始めました。その後配信ではなくいつでもデータが確認できるような環境が構築されると担当者は自らデータを随時確認するようになりました。

集計作業などの作業時間が減るとその分本当に必要なことに時間がかけられるようになり、必要な作業に時間がかけられると成果が上がり、空いた時間で他の部署のヘルプもできる、という良い循環が社内に生まれました。少しずつですが、確実にデータドリブン文化が社内に浸透していっているのを感じます。

データを使って楽に楽しく仕事ができるように、「地味でも地道にコツコツ、いつの間にかみんなデータドリブン」という状態を目指して、今後も会社全体の環境を整備していきたいと思っています!

2022年をデータ活用元年に!:伊福精密株式会社 中西純一さん

中西:伊福精密株式会社の中西純一です。私はもともと30年近くCAD/CAM関係の業務をやっておりまして、その後中小企業に転職して、今の会社に2019年7月に入社しました。今はシステム関連の業務を担当していま

入社当時は全ての作業が紙で行われていました。サーバーはあったのですが、紙をスキャンしてPDF化しているという状態でファイル名が検索の頼みの綱となっていました。営業部の引き合い案件のフォローもホワイトボードで行われていました。社長や営業部は外出や出張が多いのですが、社外からデータが参照できなくて不便という課題もありました。また製造部の情報は全て紙で回覧されていて、社員全員にiPadが支給されているにもかかわらず、iPadは工程表の確認、メッセージと業務報告メールのみに活用されていたという状でした。

2020年になって業務フローの見直しを行い、データ蓄積を開始しました。まずi-Reporter Cloudを導入し、これで帳票関係をデータベース化することができました。またBOXやOffice365を導入し、データをクラウド化して蓄積するための環境が少しずつ整い始めたのですが、なかなかデータの蓄積は進みませんでした。そこでデータを確実に保存するような仕組みづくりを行い、チェック状況を見える化し、アラートを活用することでデータ保存率をアップさせる取り組みを行いました。その努力が実り今では98%程度のデータが保管されています。

ようやくデータが蓄積されてきたのでデータを有効活用し、2022年を当社のデータ活用元年としたいと考えています。今年はどのようなデータ活用が現場の力を引き出すのに有効なのかを模索していこうと思っています!

Excel職人がMotionBoardを使いたくなるまでの5つのステップ:ヤンマー建機株式会社 田中重信さん

田中:もともと会社には紙のデータ、チェックシート、個人持ちのExcel、写真、PDFファイル、各種システムからのデータなど、様々なデータが混在していましたが、溜めるばかりで活用されていませんでした。組み合わせて分析するような作業も行われておらず、そもそもデータが財産であるという意識がありませんでした。一方でExcel作業を頑張る人たちはいたのですが、集計作業でお腹いっぱいになってしまうため分析と呼べるほどのインサイトは得られていませんでした。

そんなExcel職人にデータの価値を知ってもらいたい、そしてゆくゆくは自分の仲間にしたいと私は考えました。そういう人たちはだいたい遅くまで残業しているので、彼らに「Excel作業大変だよね」という声かけをして彼らの苦労話に耳を傾けることにしました。一通り話を聞いた後、MotionBoardやDr.Sumがあるとそういう作業が楽になるよ、という情報を彼らにそれとなく伝えます。

それを何度か繰り返し、Excel職人たちがBIツールに少し関心を示したら、次に、彼らと情報システム部の橋渡し役を買ってでます。仲介することで両者からの信頼を得つつ、ITのことがある程度わかる人が間に入ることで話もかなり円滑に進むようになります。

その次に、いくつかの自動化を実際にやって見せます。しかし「こんなことができるのだからMotionBoardを使うべきだ」とは言いません。この便利さに気がついた人たちは向こうから「ぜひMotionBoardを使わせてください!」と言ってくるはずです。そしてMotionBoardの便利さに開眼した人はデータ活用を一緒に推進してくれる仲間になってくれます。こんな風に一人ずつ仲間を増やして、ゆくゆくはこの会社の全ての人がデータ活用を自然なことと思えるようなカルチャーにもっていきたいと思っています!

まとめ:

業界の違いはあれど、データ活用が浸透していくプロセスというのはどこも同じような進み方をするのだな、というのが5組の方のプレゼンを聞いていて改めて感じられました。Excel作業というのは確かに「仕事している感」が醸し出されるので、満足感の高い作業かも知れませんが、必要なのは集計ではなくデータを分析してインサイトを得ることであり、かつ、それを経営判断に活かしていくことこそがデータ活用の真髄である、と特別対談で木田さんもおっしゃっていましたね!

よりデータドリブンな働き方をなんとかして実現させたいと願う方々による熱のこもったプレゼンは発表する側にも聞いている側にもメリットの大きいセッションだったのではないかと思います。実際のプレゼンを視聴したい方はアーカイブ動画をぜひご覧になってみてください。そして次回のnestのイベントにはぜひリアルタイムで参加してみてください!

(データのじかん編集部 田川)

★★ユーザーコミュニティ”nest”とは★★
ユーザーコミュニティ”nest”はウイングアーク1st製品を活用し、データ活用を促進する人・企業のためのコミュニティです。「データ活用で世界を笑顔にする」をビジョンに掲げ、コミュニティ活動をしています。コミュニティでは、ユーザー同士が製品の情報や事例を共有し合ったり、製品活用にあたっての疑問を投げかけたり、データ活用にまつわる交流をすることができます。ご登録はこちらからお願いいたします。

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