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ワンダフル通信<2020.06.17>

「Sundayカミデの景品の話」

小学生の頃、いつも一緒に過ごす友達何人かである取り決めがあった。


それは、自分の国籍を発表する事だった。


分からなければ親に聞いてくる事。新しく仲間になる友達にもそうしていた。


そうしないと、あらぬ誤解が生まれてしまうからだった。

一緒に過ごしていると、とてもたくさんの話をする。

当時は、チェルノブイリや酸性雨、クロマティや、レーガン大統領、西武の郭泰源などがよく話題になっていた。その会話の中であの国はどうだ、外国人はどうだと言うふうに悪気なく、自分の思った事を言う。そうすると、それぞれ色んなルーツがあって日本で暮らしている友達を傷つけてしまう事が多々あった。

最初は、ただ喧嘩をしていた。でも、喧嘩の理由はもっと他にある気がみんなしていた。

だから、そう決めた。知っていれば、何て事はない。お前は、そう思うかも知れないけど、俺はこうだと言う意見になるし、むやみやたらに、国が関係してくる話はしなくなった。

僕達は、そうやってお互いを尊重していた。

勿論全然くだらない事で喧嘩する日は、山ほどあった。今思い出しても謎なのが、ワンシーズンに1度、誰が1番強いか決めたくなる衝動にかられる事だ。これは、僕だけじゃなくみんな同じ時期にそうなっていた。

身体や心の成長と共に何かを更新するように、僕達は時に殴り合った。そして、また同じ場所で同じような遊びを繰り返した。

国籍だけじゃなく、家庭の問題、被差別部落の問題などが、それぞれにあって僕達はそう言う事柄を上手くすり抜ける必要があった。

いつまでも、一緒につるんで遊びたい。

その為には、マナーを覚える事だった。


でも、覚えても覚えてもマナーはまた増えていった。そしてその度に、僕達は言い合いをして、何となく理解していった。


ある日、豪邸に住む友達の家で、とても高級感溢れる洋菓子を出してもらった事があった。

それに一切、手をつけない友達が居た。

食べろや。

僕は小さな声で言った。

俺、いらんわ。

彼は、少し硬い表情で言った。

出されたもん全部食べろや。

いや、やめとくわ。

彼は、そう言って帰ってしまったので、すぐさま追いかけた。豪邸を出て、川沿いの道を歩いてる彼に僕は小走りで追いついた。

俺な、あんな高級なもん食べへんねん。

なんでやねん!めちゃ上手いやんけ。

俺な、あんなん食べれる人生じゃないねん。もし食べたとしても、あんな金持ちの奴に何のお返しも出来へんねん。だから食べへん。

お返しなんかいらんやん。出されたもんは食べろや!

嫌やねん、俺、あんなん食べる時は自分の金で買うねん。親がおらんからって、嬉しそうに食べたりしたくないねん。

彼はそう言って、歩きはじめた。

僕は、後ろからとぼとぼついて行き、交差点の信号が赤になって、2人で信号待ちをしている時に何となく気まずい雰囲気が嫌で謝った。

ごめん…


そして、僕達はそのままいつものゲームセンターに行き、メダルをカゴいっぱいに取って安いお菓子の景品に変えた。コーラのような飲み物と、サクサクのチョコ味のお菓子。

誰もいない階段で、景品を楽しんでいると歳上っぽいグループに囲まれて、金を出せと言われた。

僕達には、理由が出来た。何の気遣いもなくひたすらそのグループと喧嘩した。2人ともボロボロになった。上着には、酸化した血が茶色くこびりついていた。


あのさぁ、今度、父親が帰ってくるねん。

彼は、腫れた目を少し気にしながら言った。

え?お父さん、おんの?


うん。おるらしいねん。んで、帰ってくんねんて。今度、一緒に会ってくれへん?

え?いいけど。俺邪魔じゃない?

どうなるか分からんけど、もし変な奴やった時の為に金属バット持って来といて欲しい…

金属バット?


結局、僕は金属バットをうっかり忘れて集合場所に着いた。

僕達は、そうやっていつも過ごした。

僕達は、そうやって少年を終えた。

僕達は、そうやって思春期に突入した。

僕達は、誰もが必死で普通にしようとしただけだった。

everybody needs love


Sundayカミデ

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俺なりのプロシュートとミモレットのボンジョルノトースト。

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リヨン駅では、大勢の観光客が岩壁のようなスーツケースをまるで古代の囚人のように、天井のステンドグラスから伸びる朝陽に照らされて、のろのろと行く宛のない旅人のように歩いています。


その岩壁の間をすり抜けて、特急列車の乗り場まで走らなくてはなりません。

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焼き立てのパンは、右手のバスケットからは柔らかくて、懐かしい優しい匂いが辺りを充満させています。

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特急列車の車窓は、街の風景、牧場、田園、そして海岸と、まるで美術館の高尚な作品のような景色をこれでもと見せてくれます。

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乗り換えや国境を越えたりと、時間はすぐに過ぎて行きます。


ミラノに着く頃には、すっかりパンも硬くなってしまうのです。でも大丈夫。


バスケットの奥の方に、パンの下敷きになっているミモレットチーズと、これから出来たてのプロシュートハムを買うのだから。

そんな味でした。

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question
みんなに好かれたいなと思っていたらみんなと曖昧になってしまいました。言葉に責任を持たせないように会話をしてしまいます。どうしたら気持ちに素直に話せますか?

answer
常に言葉は、最後の歯磨き粉をひねり出すような気持ちでよろしくです。
苦労して出た言葉は、周りの人達を笑顔にするパワーがあります。

<解説>
今週は、この質問に決めました。けっこう切実な問題だなと思います。

まず、みんなに好かれたいと言う気持ちはどこから来るのかを考える必要があります。

そして、みんなに好かれると言う事は、相当に大変な事で、本当にやるとなると自分の気持ちを一旦冷凍庫にしまわなければなりません。


僕達は自分で何も出来ない状態で産まれて来て、相当に周りの人達にお世話をしてもらってやがて、歩けるようになり、そして恋をするようになります。そこまで生きてる時点でもう愛されるゲージはMAXです。あとは、誰かを愛する事が人生をくれた人達へのお返しとなります。


だから、大人になって誰からも愛されなくても全然大丈夫なんです。オムツを替えてもらった経験があるのなら、しっかり愛された時期があると言う事です。あとは、愛するのみです。


そう言う心構えが、人生をより豊かにします。

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アツムワンダフル(G)「サバイバルファミリー」
ある日突然、電気が消滅し、水道やガスや時計といったライフラインの全てが無くなってしまいサバイバル生活を余儀なくされます。
西にはまだ電気が生きていると情報を耳にし、東京に住む人たちが西を目指すのですが、高速道路を自転車や徒歩で行くシーンは異様な光景です。単純にどうやって撮影したんだろう?という好奇心も湧いてきます。
もしも自分がこの映画のような事に直面したら、何が必要で大切でどんな行動をとるか、誰を思うか、想像し考えさせられました。
そして、この映画を見終わったらまずはみんな防災グッズを一新すると思います。

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番長(D)「レインマン」
"ほんとに大切なものは、壊れてからしかわからない"

一人っ子だと思っていた弟・チャーリー(トム・クルーズ)が遺産の分け方に納得のいかず、重度のサヴァン症候群(自閉症)の兄・レイモンド(ダスティン・ホフマン)を無理やり病院から連れ去る。
兄と過ごし、徐々に変化していくチャーリーの成長を描いたヒューマンドラマ。
今でこそアクション俳優(ミッションインポッシブルなど)のイメージが強いですが、ヒューマン系のトム・クルーズは最高!
そして、この作品はダスティン・ホフマンの演技が激ヤバ。
アカデミー主要4部門受賞の名作。
トム・クルーズは一番好きな俳優で、ほとんど全作品観たし、「遥かなる大地へ」、「7月4日に生まれて」、「アフューグッドメン」、などお勧めの映画は沢山あるが、今回はその中からこの映画を。

どらえもん

林未来彦(Sax)「STAND BY ME ドラえもん 」
映画が好きな方なら理解してもらえるかと思うのですが、世の中には2種類の作品があると思います。1つは「映画館のスクリーンで見ることができてよかった!」というもの。もう1つは「これは自宅でよかったな」というもの。もちろん2種に分別したあとは、さらに細かく分類されていくのですが、この作品は後者です。なぜか?嗚咽が止まらないぐらい泣かされたからです。初見が映画館だったらと想像すると恐ろしい... 
今夏、この作品の2が公開予定でしたが延期になっております。安心して沢山の方が見られる環境になることを願っておりますが、『STANDBY BY ME2 』おばあちゃんの思い出、なんてタイトルだけでアウトな僕は、映画館では観られないことが確定しているので、もう少し先まで待ちます。

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ニーハオ(B)「LUCY」
新型の麻薬の運び屋をさせられた女性の体内で麻薬が流出してしまい、超人的な能力を発揮していく。マフィアのボスを襲撃したり、新たに麻薬を手に入れようとしたり、だんだん人間とかけ離れていく。というか最終人間じゃ、なくなる。人間の脳が10%以上仕事しだすとどうなるのかという理想を書いたような映画。物語を楽しむより暇つぶしにおすすめ。

【 NEWS!!! 】
<Sundayカミデ>
本日リリース! あいみょん10th single「裸の心」収録 「ユラユラ」のサウンドプロデュースを Sundayカミデが担当しました!
トラックメイクにはアツムワンダフルも参加しています。

<アツムワンダフル>
現在発売中!のギター・マガジン7月号 特集「ニッポンの偉大なギター名盤100/555人が回答!」に、アツムワンダフルがアンケートで参加しています。
コメントも載っているのでぜひチェックを!

<Love sofa>
6月のLove sofaはONLINEでお届け!
チケット発売などの詳細はCONPASSのサイトなどで後日発表します!

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ワンダフルボーイズ 
6/21(日)ONLINE YATSUI FESTIVAL! 2020 ※無料生配信
6/28(日) ONLINE  Love sofa ※生配信

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Sundayカミデ
6/20(土)ONLINE YATSUI FESTIVAL! 2020 ※ライトガールズ 
6/21(日)ONLINE YATSUI FESTIVAL! 2020 ※ワンダフルボーイズ
6/27(土) ON LINE NIGHT ACADEMY
7/5(日)名古屋/パラダイスカフェ21 ※おかしなふたり ※振替公演
7/9(木)東京/吉祥寺 STAR PINE'S CAFE ※おかしなふたり ※振替公演
7/13(月)東京/ニュー風知空知「TOKYO PRIMA」 
7/23(木・祝)京都/SOLE CAFE ※ソロ
9/30(水)大阪/Music Club JANUS ※おかしなふたり ※振替公演

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<RADIO>
毎週金曜日21:00~ 文化放送「芝浦音楽倉庫 -SHIBAURA MUSIC SHED-」
今週のテーマは「Sundayカミデが痺れた曲!」
#金曜ピーポー を付けて感想やメーッセージぜひお送りください

アツムワンダフル
6/23(火)Slow Time Communication 大阪/CONPASSより生配信!

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<月曜プリマ>アーカイブ公開中!
今週は3ヶ月ぶりに大阪のスタジオよりお届け!

<TOKYOPRIMA>7月のゲスト発表&リニューアル!!!

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◎チケット予約受付中◎
メール:yoyaku@new-fu-chi-ku-chi.jp
公演名、日時、お名前、枚数、電話番号をご明記下さい

<今週の動画たち>