17本目 『エージェントウルトラ』

 ダメ男が実はCIAの生み出したスーパーエージェントだった! 覚醒した彼は、次々と襲い来るCIAからの刺客と戦う!!

 That's all.

 それが全ての映画だ…。

 薄い厚いで言ったら薄いのだが、描くとこをしっかり描いているので物足りなさが無い。

 序盤の方とか、主人公マイクのダメダメだけどいいヤツな感じが結構分かりやすく、丁寧に映されているし。

 ヤク中ダメ優男、という良いキャラの積み重ねが「覚醒して直ぐ二人の刺客を呆気なく殺す」という導入部分の衝撃を大きくしてくれている。

 ジェシー・アイゼンバーグの天然の早口もめちゃ良くて、今回は「自分で自分の思考に追いついていけてない」感じ。

 銃が連射されている中で何故か反撃しようとしてキチンと撃たれて死ぬ警官とか、全体的に頭の弱い敵の刺客とか、恐らくわざとやっているチープさが最高。

 チープなのに話は割とシリアスなのが、良い緊張感のバランスを保ち続けてくれている。

 都合よく力が目覚めて無双!なわけではない。マイクは元のマイクのままなので、自分の事実を全然受け入れられなくて、迷いを抱えながらそれでも前に進む姿勢も良い。

「そんなバカな、笑」みたいなシチュエーションが結構ある、というか全編そんなもんなのだけれど、登場人物みんなシリアスにそれをこなすのでシラけないし楽しい。

 音楽もいいし。楽しい映画だったなぁ。

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