動物看護師のマネジメントスキル「個人を尊重する」
動物病院で勤めていると、様々な「人」との繋がりがあります。
・院長
・獣医師
・動物看護師
・飼い主さん
・企業
・紹介病院
との関りが、動物病院スタッフにとって、主な人間関係ですね。
その中で特に
・院内のスタッフ
・飼い主さん
とのコミュニケーションには多くの時間を割き、また、安心、安全な獣医療を提供するためにはコミュニケーションは重要なツールとも言えます。
私はよくメールなどでご相談をいただくのですが、なかでも一番多い内容は「対人関係」です。
「苦手な上司がいて、仕事に行くことが辛いです」
「質問があっても、それを先輩に聞きにくく悩んでいます」
「こんな時飼い主さんにどう伝えたらよいのか、悩んでいます」
など。
「人間の悩みは全て対人関係の悩みである」
有名なアドラー心理学でこのように言われているほど、人が悩んでいることの根本には、人間関係が絡んでいるのです。
今回、私が書きたいことは「他者の尊重」です。
尊重とは、相手の価値を大切にすること。
例えば、
・○○な人だから、などというように、レッテルを張る
・飼い主さん全員に対し、マニュアル通りの対応をする
・スタッフの教育をマニュアル通りに進める
など、相手の価値を決めつけたり、相手を「1人の人」として捉えないことは、信頼関係が崩れたり、円滑なコミュニケーションをとることの妨げになってしまいます。
他者の尊重がもたらす結果は
安心、安全に繋がる獣医療です。
・飼い主さんの順番が来るまで、安心してお待ち頂ける
・ワクチンが済んでも、何かの時にまたお世話になろうと再来院に繋がる
・飼い主さんからより詳しい動物の情報が引き出せる事で、的確な判断に繋がる
・スタッフが得意分野を見つけ、やる気に満ち溢れている
・院長に何でも相談してくれる
などなど。
では、「他者の尊重」を実現するための方法とは?
ポイントは、一人一人との信頼の構築、そしてコミュニケーションをとろうとする姿勢です。
例えば、
待合室にいる飼い主さんの例。
一方の飼い主さんは、初診で、診断もまだされいない為、来院時の緊張感は高く
一方の飼い主さんは、初診で、3回目のワクチン。接種が済んだらこれからどんな生活を送ろうかワクワクしているかもしれません。
例えば、
スタッフも人によって、成長の要因は様々で、
一方のスタッフは、褒められるとやる気が出るタイプ
一方のスタッフは、厳しくされるとやる気が出るタイプ
個々の心境やタイプを考慮した対応を行うことで、飼い主さん、従業員、双方の満足度向上へと繋がるはずです。
(具体的な方法例は別の機会にお話します。)
飼い主さん対応も、院内のマネジメントも、マニュアル通りのやり方は、通用しません。
目の前の相手、個々の存在を受け入れ、信頼を育み、心に耳を傾け、そしてパーソナルなコミュニケーションをとることが、円滑なコミュニケーションへと繋がるのではないでしょうか。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?