サッカークラブが、すべての人の「らしく、生きる。」のきっかけになる未来を描きたい
先週発表した南葛SC株式取得について、たくさんのみなさんの反響、応援と期待の声をいただきました。同時に、「嵜本は南葛に何をもたらしてくれるのか?」「バリュエンスがサッカークラブ経営に参入する意味って?」という疑問をお持ちの方もいるでしょう。
現段階で明らかにできること、できないことはありますが、私がなぜこんなにもワクワクしているのか、バリュエンスホールディングスとしてもこの“事業”にどれほどの期待をかけているかについてお話ししたいと思います。
自分の人生を生きているか? 自問したら“すべきこと”が見えてきた
「あなたは、あなたのようであなたでない」
この言葉を聞いて、みなさんはどう思うでしょう?
「どういうこと?」「私は私でしょ?」いろいろなとらえ方、感じ方があると思います。
この言葉をある人に投げかけられたとき、経営者としての自分、一人の人間としての自分、さまざまな自分が生きる人生を見つめ直すきっかけになるほど大きな気づきをもらいました。
Jリーガーになるという夢をかなえ、しかし志半ばで夢破れ、”前向きな撤退”を決断した経験をみなさんにシェアしてきた私は、自分の人生を自分で選んで生きている「つもり」でした。
でも会社が上場を果たし、代表取締役という肩書を得て、自分たちだけではなくさまざまな人の思いや利益を考える制約の多い立場になっていた私は、10年前より確実に自分らしくなくなっていることに気が付いたのです。
知らず知らずのうちに「自分らしさ」を二の次にしていたのかもしれない。
他人の期待に応えるために、偽りの人格を無意識のうちに演じているだけなのでは?
らしく、
生きる。
は、こうした考えから生まれました。
少し前置きが長くなりましたが、このミッションを説明していくこと、経営者としての私と、バリュエンスホールディングスという企業がどういう方向に進んでいるのかを説明することが、新たなパートナーになった南葛SC、そして南葛を支えるサポーターのみなさんへの自己紹介、そして私たちが南葛に関わる意味の説明になると思います。
モノの価値を再発見し、ポテンシャルを最大限に引き出し、“大切”をつなぐ
バリュエンスの事業の柱は、ブランド買い取り店『なんぼや』を中心とするリユース事業です。そもそも父の経営するリサイクルショップからスタートした私たちの会社は、「モノの価値」を扱うことで成長してきました。
需要と供給の曲線だけでは決まらない、“誰かにとっての大切”を価値に変換して、別の誰かの大切をつないでいく。
同じモノでも、そこに込められた思いの深さは違う。
同様に、
同じコトでも、考え方ひとつで異なる体験になる。
同じヒトでも、違った環境に身を置くことで、花開く未来だってある。
モノだけでなく、コトやヒトにこの考えを広げていったとき、「らしく、生きる。」は、これまで手がけた事業、サッカークラブへのスポンサード、アスリートのデュアルキャリア採用、そして今回の南葛SCへの経営参画すべてを有機的につなぐ概念になっていきました。
南葛SCのために今すぐできる3つのこと
私たちが経営に参画することで何が変わるのか? どう良くなっていくのか? 決まっていることも、まだ明かせないこと、構想段階のこともたくさんありますが、発表があったばかりの段階で明言できる基本的なことをまず3つ、お知らせしたいと思います。
一つ目は、目的に沿ってクラブが強くなるための資金的なサポート、投資。これは当然適切に行います。J1への道のりはまだまだ長く険しいものになりますが、可能性と今後の展開に共感してサポートする以上、継続性、計画性をもって関わるのは当然のことです。
二つ目は、子どもたちに「夢」や「希望」そして「誇り」を提供する活動に注力すること。『キャプテン翼』の作者である高橋陽一先生がオーナーを務める南葛SCは、すでに子どもたちに夢や希望を与えるアイコンの役割も担っているわけですから、選手育成制度の整備、下部組織の充実は「やりすぎ」はない部分だと思っています。
個人的にも自分を育ててくれたサッカー界への恩返しも含めて、将来的に世界へ飛び出す選手たちをサポートするためのアイデアがどんどん浮かんできているところです。
「未来の担い手の育成」「カルチャー&エデュケーション」は、バリュエンスで設定している18のESG課題(環境・社会・企業統治に関する課題)の重要な要素で、クラブの将来だけでなく、子どもたちの未来への投資、クラブや社会のサステナビリティに貢献できる取り組みは特に力を入れていきたい項目です。
三つ目は、現役のトップ選手の成長、キャリアの充実へのサポートです。経営参画前からご一緒しているデュアルキャリア採用では、南葛の選手が実際にバリュエンスで働き、そこで身に付けたライフスキルをサッカーにも生かしてくれています。
まだまだやりたいこと、できることはたくさんありますが、まずはこれをベースにできれば、おのずとサポーターのみなさんにも南葛SCの新しい価値を提供でき、さらに応援してもらえるクラブになると思っています。
どう考えても南葛SCは「クラブ以上の存在」になれるポテンシャルを秘めている
南葛SCというサッカークラブの価値とポテンシャルについては、サポーターの方ならずともみなさんご存じのことと思います。
FCバルセロナが「クラブ以上の存在」として地域になくてはならない存在であることは有名ですが、私はバルサとはまた違った意味で、南葛が「クラブ以上の存在」になる可能性があると考えています。
とんでもないポテンシャルを秘めた南葛SCに私たちが関わることによって、南葛SCというサッカークラブ、そこに関わる選手、スタッフ、サポーター、そして地域の人たちが「らしく、生きる。」お手伝いをしていきたい。
南葛SCが戦うスタジアムから生まれた小さな熱狂が、やがて地域を包み、日本、そして世界、社会とつながり人々の夢や希望になっていく・・・・・・。
すべての人が本当の自分に出合うためのきっかけを提供することが、バリュエンスホールディングスが南葛SCの株式を取得し、私が経営に参画する動機であり、最大の目的なのです。
次回以降も、私の経営に関するスタンス、理念や哲学について、具体的な事業を例にとってお話ししていこうと思いますので、ぜひご注目ください。
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