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withコロナ時代の宅録の始め方〜準備編

最近、MAやアフレコなども、クライアントチェックや代理店さんの立会いはテレワークで実施されるようになってきました。
当スタジオのお客様からも、本来スタジオで収録するはずだった案件が、宅録納品になった事例を耳にするようになりました。これからは宅録スキルがどんどん求められる時代になってくるのかもしれません。

とはいえ「宅録を始めたくてもいったい何をどうすれば?」というナレーターさんや声優さんも多いと思います。そこで今回は自宅で宅録をどうやって始めればよいか何回かにわたって書いていこうと思います。

○何を揃えればいいか

1.パソコン
録音データの記録、編集、書き出しに使います。タブレットやスマホでも録音できるアプリなどがありますが、現時点ではまだパソコンが便利。

今、何かしらのパソコンをお持ちでそれを使って宅録したい!とお考えの方も多いと思います。

しかし、もし購入して3年以上経過しているのであれば、新しく買い替えた方が良いかもしれません。古いパソコンは記憶媒体がトラブルを起こすことがあり、録音データの消失など致命的な結果を招くこともあります。最新ヴァージョンのアプリやドライバに対応できないこともあります。

「新しく買うし!パソコン買うの初めてなんや!」って方は宅録機材を取り扱っているお店にどんなパソコンを買えばいいか相談するのが早いと思います。筆者のおすすめを1つだけご紹介するとAppleのMacbook Air13inch メモリ16GB SSD 512GBで、税込16万くらいで買えます。

あとは、質問できる知り合いがいれば「その人と同じパソコンを買う」っていうのもいいですね。

2.マイク
大きくコンデンサ式、ダイナミック式とあります。ナレーションやセリフは繊細な音を集音できるコンデンサ式を使うのが一般的です。
以下の動画は様々なマイクを検証した動画です。音の違いがよくわかります。検証しているマイクもエントリー機ばかりですので参考になると思います。

一般的なマイク選びとナレーション、セリフ宅録の場合の独特の視点で選ぶ必要があります。それは「音を拾いすぎないマイクを選ぶ」ということです。

普段静かだと思っている部屋も、様々なノイズが存在します。エアコン作動音、戸外から漏れてくる車の音…

感度の高いマイクを使うとそういったノイズまで感度よく拾ってしまうのです。ある程度高品質のマイクを使う必要はありますが、そもそも宅録案件で高音質を求めるには限界があります。あまり高スペックマイクを意識する必要はないでしょう。

おすすめのマイクを以下にあげておきます。

・オーディオテクニカAT4040
素直な音です。3万3千円ほど。
・RODE NT2-A
派手めの音です。でかくて重いのでセッティングに注意が必要です。3万円くらい。

3.オーディオインターフェイス
マイクの信号をパソコンの信号に変換する機械。ヘッドフォンやスピーカーをつないで音を聞く時にも使います。
価格は機能や音質によってピンキリなんですが、最初は2〜3万円のものでいいんじゃないでしょうか。おすすめを2機種あげておきます。

・SSL 2 
SSLという高級プロオーディオ機材メーカーから発売されているエントリー機です。税込み2万9千円くらい。操作するところが上を向いているのでデスクに置いて使いやすそうですね。
・MOTU M2
高品位オーディオインターフェイスで定評のあるMOTUのエントリー機。税込み2万4千円くらいです。

4.DAW(デジタル・オーディオ・ワークステーション)
パソコンで使う録音編集用のアプリ。Macだと最初からGarage Bandというアプリがインストールされています。最初はそこから始めてもいいでしょう。

フリーで使えるDAWは他にもあるのですが、なかでもPro Tools | Firstをおすすめします。windows版もあります。この商品はプロオーディオの世界では大定番Pro Toolsの機能限定版ですが、宅録には十分な実力です。

Garage Band
macユーザーなら最初からインストールされています。
Pro Tools | First
windowsユーザーも使えます。業界標準DAWのフリー版

5.ヘッドフォン
録音中の自分の声や、編集時の聞くのにつかいます。一般の観賞用とは違いスタジオモニター・ヘッドフォンというジャンルのものを使用します。

お手持ちのイヤフォンなどで代用できなくはないと思いますが、納品前に意図しないノイズが混入してないか、細かいニュアンスのチェックなどにはそれなりの性能のヘッドフォンが必要です。また専用ヘッドフォンは長時間装着しても耳が痛くなりにくいです。

オーディオテクニカ ATH-M40X
比較的低価格でおすすめです。フラットで聴き疲れしないサウンド。1万2千円くらいで買えます。

6.マイクスタンド
マイクを立てるスタンドです。角度調整ができるブームタイプを選びましょう。

K&M  / 21020B(ST210/2B) ブームマイクスタンド
マイクスタンドでは定番のブランドです。あまりゴツくないので部屋においても圧迫感が少ないと思います。5千円くらいで買えます。

7.ポップガード
吹かれを防止するアクセサリ。マイクの前についているストッキングみたいいな物体です。スタジオで見たことありますよね。
こんなんで効果あるの?と思ってしまいますが、あると吹かれ激減しますので、買ったほうがいいです。

K&M 23956 ポップガード
これは2千円くらいですが、十分に役目を果たしてくれます。

8.マイクケーブル
マイクとオーディオインターフェイスをつなぐケーブルです。設置する場所によって必要な長さが変わります。適切な長さのケーブルを買いましょう。短すぎるとうまく設置できないし、長すぎると部屋がケーブルだらけになってしまいます。

適切な長さのケーブルを購入するコツは、マイクをスタンドにセッティング後、「マイク」→「オーディオ・インターフェイスの入力端子」までを毛糸などで繋いでみてどれくらいの長さになるか確認しましょう。間違ってもあてずっぽうで買わないでください。想定より長いのはまだしも、短いのを買うと完全に無駄になって死にたくなります。

メーカーはBELDENやCANAREといったメーカーが定番です。

○どのくらいお金が必要なの?

さて必要なものを列記してきましたが、全部でどのくらいお金がかかるのでしょうか。ざっくりと計算してみましょう。

パソコン 10万〜20万円程度
マイク 3万円
オーディオ・インターフェイス 3万円
ヘッドフォン 1万5千円
その他アクセサリ 2万円
合計 20万〜30万円

パソコンを持っていれば、だいたい10万円くらいあればおさまりそうです…
一気に買い揃えなくても例えば、ヘッドフォンは後回しにするとか、オーディオインターフェイスは使っているうちに極端に磨耗する部品などはありませんからヤフオクやメルカリなどで中古を買ってもいいかもしれません。

○どこで買えばいいの?

音楽制作機材の専門ショップに問い合わせてみてください。用途を伝えれば丁寧に教えてくれると思います。ここでは2店舗あげておきます。

Rock On Company
渋谷と梅田に店舗があります。マイクやスピーカーがありテストすることも可能です。電話やメール、オンラインでも相談できるそうです。
Power Rec
渋谷にあるお店です。店舗には豊富にスピーカーやマイクがありテストすることも可能です。

上にあげたRock On Companyさんでナレーターさん向けの機材を紹介しています。こちらも参考にしてみてください。

○終わりに

宅録の機材は、プロユースと同じ目線で選んではいけません。コスパを意識してバランスよく選択する必要があると思います。

さて、いかがだったでしょうか。次回は機材のセッティングについて書きたいと思います。

質問などありましたらぜひ気軽にお問い合わせください!

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