Sannyのおすすめバーチャルワールドニュース : 2021年7月 Sanny Reports For Virtual Japan(Archive)
Sanny Yoshikawa が、New World Notesのなかから、毎月おすすめのバーチャルワールドニュースを日本語で紹介します。Sanny Yoshikawa covers the monthly virtual world highlights from New World Notes for virtual Japan.
☆noteには1か月遅れてアーカイブを掲載しています。最新版はこちら。
CaltechのSLキャンパスが、研究、教育、交流用スペースとして大学、研究所などに無料貸与されます
カリフォルニア工科大学は、昨年のパンデミックの際にSecond LifeにバーチャルキャンパスVirtechを立ち上げました。そして現在、Virtechを研究プロジェクトや教育イベントのための会場や交流スペースとして世界中の研究者に無料で貸し出しています。
Virtechのディレクターでカリフォルニア工科大学の天文学の教授であるGeorge Djorgovski氏によれば、学年が修了しパンデミックの制限が終わったことから、Virtechは次の段階である実験・教育スペースとしての活用をしていくとのことです。ところで、教授のSLアバターは、周りの人からCurious George(おさるのジョージ)と可愛らしく呼ばれています。
Virtechの利用条件、利用方法は次のとおりです。
・合法で正当な研究や教育プロジェクトであれば、内容は問いません。
・Virtechと共同研究をする可能性もあります(ただし、共同研究は必須ではありません)。
・特に、バーチャルワールドを学術的・教育的なプラットフォームとして有効に活用できるプロジェクトに興味があります。
・単にSIMをリラックスした社交場として利用したいと考えている教育者や学者も歓迎です。
Virtechについての詳細はこちら。あわせてGeorge教授のカリフォルニア工科大学VRグループについてもご覧ください。
George教授への連絡は、インワールドで行うか、djorgovski[at]caltech[dot]eduまでメールでお願いします。
Second Lifeのスタイルブロガーに贈る、読者を惹きつける15のヒント
いつも素晴らしいSLスクリーンショットを紹介しているCajsa Lilliehookさんが、過去のブロガーとしての経験からSLのファッションブログを書くときのヒントを紹介しています。
自分の連絡先やソーシャルメディアへのリンクを掲載すること
読者がメッセージを送ったり、クリエイターがサンプルを送ったりできるように「自己紹介」のページにはインワールド/レガシーの名前を入れておきましょう。また、アバターの基本的な情報である、体、頭、手、肌などのブランドを記載する人もいます。
読者に自分のことを知ってもらうこと
ファッション系の投稿では、クリエイターのクレジットが表示されているだけのものが多く、読んでいて退屈になります。自分のことを知ってもらうために、なぜそれを好きなのかを書きましょう。
クレジットに、クリエイターのSL名を入れること
クリエイターのSL名をクレジットに入れておけば、ブランド名が変更されたり、インワールドのストアが移動したりしても、ユーザーがアイテムを見つけられます。
クレジットのフォーマットを統一すること
「アイテムの種類」→「店名」→「アイテム」→「色」というように、いつも同じ順番で書くように決めておきましょう。
イベントに参加する場合は、そのイベントの最終日を記入すること
イベントの内容と最終日を書いておきましょう。
スポンサーから提供されていないものも含め、すべてをクレジットすること
アバターの体や顔などの変更がない場合は、自己紹介のページに書いてあれば十分ですが、変更がある場合や別のアバターを使う場合には、できるだけすべてのクレジットを記載したほうがいいでしょう。
アイテムを忘れないように、テンプレートを作成すること
次のテンプレートはサンプルですが、このような感じのリストを作っておくといいでしょう。
***ショッピングリスト******
洋服
靴
ジュエリー
肌
ヘアスタイル
ポーズ
アプライヤー
メッシュアタッチメント
HUDS:
ランドスケーピング
デコレーション
ロケーション(該当する場合)
動画・音声ファイルの自動再生機能は使わない
職場の休憩時間や図書館でブログを読んでいる人がいるかもしれません。自動再生で音が鳴ってしまうと分かったら、彼らはあなたのブログから離れてしまいます。
テキストを見やすくする
白地やパステルカラーの背景に黒文字、黒地に白文字などは、普通の組み合わせかもしれませんが読みやすさがあります。テキストは読みやすさを優先し、個性は写真とスタイリングで目立たせましょう。
Wagnerからの追加アドバイス
基本的なSEOを身につけること
Second Life に関するブログの中には、記事のタイトルや画像、ブログ自体のタイトルに「Second Life」という言葉が入っていないものがたくさんあります。このようなブログはインターネットに埋もれてしまいます。SEOについて調べ、基本的なルールを知りましょう。
TwitterやFacebookなどのソーシャルメディアですべての記事を共有すること
ブログを書く上での必要悪です。読者を増やしたいのであればソーシャルメディアで記事を宣伝し、ほかの人に再共有してもらうのが一番です。同様に、ブログのFacebookページを作成して読者を増やすことも検討しましょう。
SLの中はもちろん、EメールやDiscordなどSLの外で直接メッセージを送るための詳細を記載すること
Second Life には多くのユニークな利点がありますが、メッセージをやり取りする機能は優れていません。SLのブランドやファン、ブロガー仲間に連絡を取ってもらいたいなら、SL以外のコミュニケーション手段をできるだけ多く盛り込みましょう。
パソコンの画面だけでなく、携帯電話でもサイトの見え方を確認すること
なぜなら、ほとんどのSLerでも、インターネットの利用はスマートフォン経由だからです。(New World Notesは、iPhoneではきれいに見えますが、多くのAndroidユーザーにはうまく読み込めないことをよく分かっています。)
そういえば...。
WordPressに乗りかえましょう
これは、10年前にWordPressに乗り換えておけばよかったと思っているTypepadユーザーからのアドバイスです。WordPressはブログを書くための最も強力なプラットフォームで、記事を洗練されたものにしたり、モバイルフレンドリーにしたり、ソーシャルメディアで共有しやすくするための機能が満載です。
画像提供:Cajsa's Flickr. これはボーナスヒントです。画像のクリエイターのクレジットとリンクをいつでも必ず明記しましょう!
Second Lifeの新しいiOSアプリは、新世代のモバイルユーザーを増やすだろうか?
Second Life用のiOSアプリが間もなくリリースされる予定です。NWN読者でブロガーのDevin Vaughnさんは、このアプリがバーチャルワールドをどのように変えていくかについて、魅力的なビジョンを描いています。このアプリ自体は非常に限られた機能しか搭載されていませんが(10年以上前に発表された「Pocket Metaverse」のほうが機能は豊富でした)、Devinさんはモバイル専用のSLアバターとSIMができれば、友達と電話でライブ3Dチャットをしたいと考えたときにストレスなくコミュニケーションでき、モバイルユーザーを呼び込むチャンスだと考えています。モバイルから入った人たちが、もっと豪華なメイングリッドの体験をしたいと思えば、PC版のSecond Lifeにアクセスするようになるかもしれません。
既にVRChatは、Oculus Questのユーザー向けにこのような機能を提供しており、Oculus Quest上で動作するように最適化されたワールドにテレポートすることができます。Quest用のワールドがあるおかげで、VRCユーザーは、Questを所有する友人を簡易版のVRChatに招待することができるのです。IMVUがスマートフォンに移行したときのように、PCクライアントでのユーザーベースよりモバイルのユーザーベースの方がはるかに大きくなる可能性があります。そしてモバイル世代を、より広いバーチャルワールドに優しく導くための素晴らしい方法でもあるでしょう。ただし問題は、Linden Labがそのような野心的な計画をしているかどうかです。
写真:2010年にリリースされた、Second Lifeの一部の機能にアクセスするためのサードパーティ製iOSアプリPocket Metaverse
詳しくは…
Here's How Second Life's New IOS App Could Bring In A New Generation Of Mobile Users
KinectセンサーをVRChatに接続してフルボディトラッキングする方法
Xbox OneのKinectセンサーをVRChatに接続して、ユーザーの現実の動きを追跡し、アバターにマッピングする方法を考えた人がいます。この動画では、VRChatの Zotteke さんがQuest 2を使ってVRChatにログインし、Kinectの前で踊りながらアバターを動かしています。ボディトラッキングは、シングルカメラであることを考慮しても(特に押し入れの中で眠っているであろう古いデバイスにしては)かなりまともです。しかし1台のKinectカメラで腰と足を追跡するため、回転は90度までで、180度や360度の動きは上手にトラッキングできないようです。それでも家のどこかに埃をかぶっているKinectがあって、VRChatのフルボディトラッキングを低価格で試してみたい方にとっては、このチュートリアル動画は一見の価値があるでしょう。
詳しくは…
How To Connect Your Kinect To VRChat For Full Body Tracking
バーチャルワールドの開発者に問う:ゲーム開発者が作るような初心者体験を真似できないの?
Second Lifeに初めてログインした人たちが、何をしていいか分からず脱落してしまうという話をよく聞きます。最近、元Lindenのシニアデザイナーと一緒に、サンドボックス型のマルチプレイヤー戦闘ゲーム「Scavengers」をプレイしたWagnerは、Second Lifeのチュートリアルもゲームのようにできたらいいのにと思ったようです。ゲームのチュートリアルは楽しく、小さなミニゲームやクエストをしていくことで、ユーザーエクスペリエンスの大切な要素をプレイヤーに徐々に紹介していきます。またチュートリアルそのものに没入感があるのも特徴です。声優の声や音楽、ヘッドアップディスプレイの雰囲気などを楽しみながら操作方法を学ぶと同時に、その世界に興味を持ってもらうことができます。
このように優れたチュートリアルが用意されるのは、ほとんどのプレイヤーが最初の5~10分で続きをプレイしたいかどうか決めることをゲーム開発者が知っているからです。(これは無料で遊べるゲームの場合です。60ドルくらいするプレミアムタイトルのゲーム開発者が、最初のユーザー体験を悪くしたら、プレイヤーの怒りがオンライン上で爆発します。)
バーチャルワールドの初心者体験が良くないのはSecond Lifeだけに限りません。でもSLの初心者体験の悪名の高さは異様です。少なくとも新規ユーザーを引き込むための期間、プラットフォームをゲームのようにすることはできないのでしょうか?
Avakin Life:知らぬ間に何百万人ものユーザーを獲得していたモバイルメタバース
ニッチなバーチャルワールドと思われていたAvakin Lifeが予想外の成長を見せています。IMVUのようなモバイルベースのバーチャルワールドであるAvakin LifeはiOSとAndroidに2億人以上の登録ユーザーを抱え、1日に1回以上戻ってくるユーザーも100万人以上います。登録ユーザーと月間アクティブユーザーは同じではありませんが、1日のアクティブユーザーが100万人以上いるなら月間アクティブユーザー(MAU)は、1000万人程度になるだろうとWagnerは推測しています。そしてこの数字は、IMVUの700万人のMAUを少し上回ります。
ユーザーが作成したYouTube動画は比較的少なく、Avakin Lifeのソーシャルメディア上での活動は限られています。しかしこれはRec Roomと同様、Avakin Lifeが、まだソーシャルメディアをあまり利用していない10代の若者をターゲットにしていることに関係しているようです。Avakin LifeはSLよりもゲーム性が高いバーチャルワールドですが、チャットやソーシャライズもできます。NWN読者のPulsarさんによれば、PCが古くなりSecond Lifeが動かなくなってしまったSLユーザーがAvakin Lifeに移動することもあるそうです。Linden Labは、このようなところでもユーザーを失っています。
詳しくは…
Avakin Life: Another Mobile Metaverse That Gained Millions Of Users When You Weren't Looking
ザッカーバーグはFacebookをメタバース企業としてリブランディングしたいようだが、うまくはいかないだろう
マーク・ザッカ―バーグがFacebookをメタバース企業としてリブランディングすると発表し、世界中で話題となりました。
NWNのWagnerは、独自のひねくれた考察から(Facebookに関してはひねくれないわけにはいかないとも前置きしています)、この動きはFacebookに迫っている独占禁止法の規制を回避するためのものではないかと述べています。「俺たちは、本当はソーシャルメディアの独占企業じゃないんだ。ほら Epic/Apple/ROBLOXと競争しているだろう!」というアピールです。
公正な立場で言うなら、ザッカーバーグは以前からVRに情熱を傾けており、Facebookへの反発が大きくなる何年も前にOculusを(Linden Labの創業メンバーだったCory Ondrejkaの助けにより)購入していました。それは良しとしましょう。しかし「Quest 2は、いまのところ、人々がそれをどのように使うかという点で、とてもヒットしています」というザッカ―バーグのコメントは、Quest 2の売上が低迷していることをごまかす言い方です。やはりメタバースはザッカーバーグが征服できないテクノロジープラットフォームかもしれません。
さらに重要なのは、Facebookの企業文化が現実のアイデンティティ(および現実のアイデンティティの収益化)に根ざしているのに対し、成功したメタバース・プラットフォームのコアな特徴は、自分のアイデンティティを一から再構築する力にあります。これは特に若い世代に顕著で、彼らにとってメタバースの創造とは、批判されない安全なバーチャル空間でアイデンティティを試してみることが中核となっています。そして、メタバースを支配しているのはとても若い世代なのです。
Whiskey Mondayさんが、ミクストリアリティアートの展示をSLで開催
Second LifeにあるG.B.T.H.ギャラリーにて、SLを拠点に活躍するアーティストWhiskey Mondayさんのイベントが開催されています。このIn Other Wor(L)ds展では、一連の作品が、その制作にインスピレーションを与えたRLの日記とともに展示されています。来場者がギャラリーで壁に飾られているSLアートを見ながら、画面をクリックしたままにするとスキャンされたRLの日記(In Other Words)のページがオーバーレイ表示されます。
WhiskeyさんのRLの日記は、何年も持ち歩いている小さなノートで、アイデア、気持ち、引用、単語やフレーズなど、後で参照したいテキストを書き留めているものだそうです。日記のページと、そこからインスピレーションを得たSLのイメージを一緒に見せることで、より多くの文脈を伝えることができるのではないかとWhiskeyさんは語ります。
FacebookがOculusを業界標準のOpenXRに対応させる
Facebookを少し評価したいニュースがあります。
Facebookによると、2022年8月には、既存のOculus Native MobileとPCのAPIが「サポート対象外」となります。新しいアプリケーションは特別の免除がない限りOpenXRを使用する必要がありますが、既存のアプリケーションはOculusデバイス上で機能し続ける予定です。
OpenXRは、Facebookをはじめ、Valve、Microsoft、HTCなどのVR業界の大手企業や、Unity、Epic Gamesなどのゲームエンジンに幅広くサポートされています。Facebookの決定により、開発者はさまざまなハードウェア上で動作するVRアプリを簡単に作ることができるようになるだろうと、UploadVRのIan Hamiltonさんはレポートしています。
WagnerはFacebook自身がメタバースを成功させるための企業DNAを持っているとは思わないが、もしOpenXRを使用することにした他社が成功するならば、Facebookのこの決定のおかげといえるだろうとコメントしています。
詳しくは…
Facebook Moving Oculus To Support Industry Standard OpenXR
Facebook Horizonは離職率や仕事の優先順位に悩まされているとインサイダーは言う
マーク・ザッカ―バーグがFacebookをメタバース企業としてリブランディングするという発表を聞いて「待って、Facebookはもうメタバースを構築していたのでは?」と思った人がいるかもしれません。そうです、昨年9月にクローズドベータ版がリリースされたFacebook Horizonのことです。Oculus Quset2に最適化されたバージョンも同時期にリリースされました。しかし、それ以来、地平線の下に落ちてしまったかのようです。
Horizonをよく知るFacebookのベテランによると、このプロジェクトが復活する可能性はあるものの、会社特有の障壁があるようです。
「Facebookには、この問題に取り組むための資金と人材があると思いますが、大企業として0から1の製品を作ることは、Facebookの強みではありません...これまでは、ほかの製品を買収してFacebookのエコシステムに統合してきました。従業員の平均勤続年数は2年ほどなので急速にチームを拡大する必要があります。そのため物事が常に変化していて、意思決定をして一つのビジョンに集中することが非常に困難なのです」。
その結果、Horizonチームは、最新のホットな機能やプラットフォームに無造作に飛びついてしまっているのだとか。一方で、Horizonプロジェクトには今までと違うアイデアを優先させたい新しいリーダーが登場したり、開発チームが何年も前に作った機能を作り直すことになったりしています。
WagnerにとってFacebookがこのようになっていることは、やや意外だったようです。ザッカ―バーグは、少なくとも10年前のOculus Riftの買収時に、メタバースのような技術を作りたいと公言していましたし、彼の会社は脳が溶けるほどの利益を上げています。それなのに、ひとつのビジョンに集中するチームを維持することができないのでしょうか?
関係者の話では、報酬と栄光を求めている人が多いせいで、人が定着しないことが悪循環を招いているようです。これはあくまでも一個人の見解に過ぎませんが、Horizonのニュースが少ない理由の一つではあるでしょう。いずれにしても、ゲーム業界のベテランであるJason RubinがFacebookのメタバースチームを率いる計画を発表したばかりなので、Horizonに新たな開発の焦点が向けられるかもしれません。
詳しくは…
Facebook Horizon Beset By Turnover, Lack Of Prioritization, Says Insider
来月のおすすめバーチャルワールドニュースもお楽しみに!
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