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バーチャルスクールにようこそ!@麹町中学校

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2019年11月4・5日、麹町中学校で開催されたEdvation×summit2019に呼んでいただき、STEAM展示会場にて、会場と東京学芸大学を繋ぐ、バーチャルスクールの実験展示をしました。
 
バーチャルスクールとは、東京学芸大学研究所にいる先生と、会場にいる生徒(参加者)を、本物そっくりに作ったVR教室に集め、一緒に授業をするというもの。※ Oculus Quest 専用アプリ AltspaceVRを使用しています。
バーチャル空間は、東京学芸大にある実際の教室を再現したものと、スペシャルコンテンツとして岩手県山田町にある「海と鯨の科学館」を再現したものを用意しました。

うまく動くか前日からハラハラ。いったい何人の参加者が集まるだろうか……。とりあえず参加者には最大限楽しんでもらおう、そんな気持ちで始まったのでした。

 そして一日目がスタート。始まると同時に続々とご来場。約50人程度、こちらの予想以上のお客様にご参加いただきました。主に企業の方や、教職員の方に多くご体験いただけたと思います。

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VR空間での授業の内容は、むーつん先生が、初心者もとりくみやすい、中国語の初歩の授業を。じんずー先生が、日常的なお困りごとの本質を探ってゆく問題解決の授業を行いました。

 むーつん先生の中国語の授業は、柔らかいお声で、参加者さんたちの発音を拾い上げて、中国語を知らない参加者さんを優しく励ましたり、丁寧にアドバイスをしたり。参加者さんの中には、授業に熱中しすぎて、時間を忘れる方も何人かいました。特に、発音を手の上げ下げで表す動きがわかりやすかったという声が多数。


声と動作とパネルテキスト、この3つを自然に体験できるのは、テレビ電話やテキストチャットでは不可能です。VR空間ならではです。

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 じんずー先生の問題解決の授業は、日常的な違和感など身近に発生する低次の問題を、もっと根本的な内容へと関連付け、高次のレベルへとレクチャーする内容でした。さすが専門的に研究を進めていらっしゃるだけあり、議論への持ってゆき方がお見事! 
特に、実際に授業を行っていらっしゃる先生たちから、「パネルの内容が充実していて、今後の授業に役立てたい!」とのご意見をいただきました。VR空間に集う参加者の意見をお互いに聞きつつ、議論を深めてゆくのは、VRが得意とするところですね。

 両先生の授業ともに、「授業内容に興味が出た、もっと勉強したい」「時間が足りなくて悔しい~」という参加者さんが多くいらっしゃいました。

そして、VR体験への意見については、

「面白い! 楽しい!」「実際の教室にいるみたい!」
「身振り手振りがあるから、授業の内容がすっと入ってくる!」
「音がクリアで遅延もない。」(おお、なるほど)

あとはやはり、
「ちょっと酔うかな?」「ハードウェアが重い……」
このような意見もわずかにありました。

とはいうものの楽しさや共感を目の前にすると、わずかな弊害を飛び越えさせる力がVRにはあるような気がしました。

 その他にも、「すぐに使いたい」という方が多数。
「VR空間の非日常感を利用して、こんな事ができると思うので、利用してみたい」というご提案をいただいたり、「私のプロジェクトに参加してほしい」という具体的なご相談も複数いただきました。

私たちが教育とVRの可能性を信じて、はじめた企画です。
やってみると、ほんとうに貴重なご意見や、これからの教育への関わり方など、多くのヒントをいただきました。
教育現場にはたくさんの課題が転がっていて、それを解決しようと試みている方々が非常に多くいます。私はそこに深く感動しました。

 そして、迎えた2日目……。活発な麹町中学校の生徒さんでブースは溢れました。さらに、前日に参加した方が、お子さんや、お知り合いを連れて再び来てくれたことが、嬉しかったです。

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 大はしゃぎな中学生に、テンテコマイなスタッフ。
今回の展示にゲーム性はありません。あるのは教室とアバターだけです。しかし、そこから出てきた答えは……!

「なにこれやばっ!」「ずーっとやってたい!」「びっくりー! 超リアルー‼」という生き生きとしたものでした。場を用意しただけなのに、VRってすごい。

「怖いー」と言いつつ2回3回とリピートしてくる学生がいて、再度感想を聞くと、「怖いけど……すっげえ楽しい! またやる‼」というものに変わっていたり。さらに、5回も遊びにくる猛者がいたりw
1時間以上ぶっ通しでヘッドセットをかぶり続ける子や、VRをプレイすることを「家に帰る」(えっ? 自宅かw?)という子もいたり。

100人程度の生徒さんがいらっしゃったでしょうか? しかし、ネガティブな意見は実質ほとんどありませんでした。

私自身3年以上前に、はじめてVRをした時は、「気持ち悪いな……」と思いましたが、中学生のVRに対する感性は、はるかに柔軟で豊かなものでした。
 
 麹町中学校の皆さん、楽しく遊んでいただいて、ほんとうにありがとうございました。また、一緒に体験しましょうね!

教育の楽しさ、きらめきや豊かさを身近に感じる事ができ、エネルギーの充電や、アイデアの蓄積ができた2日間でした。

次回はこれを、2020年リリース予定のFacebook Horizonで実装したい!ぜったい楽しい学校になるはず。その時には離島や病院など、環境における課題にも触れてみたいです。
現在開発中のOculus Half Dome3なんてリリースされたら、ハードウェアが抱えるとっつきにくさも軽減するでしょう。

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 Edvation×Summit 2019の関係者の皆様、千代田区立麹町中学校の皆様、貴重な機会をいただき、本当にありがとうございました! VRラボのスタッフお疲れ様でした!

 じんずー先生、むーつん先生の授業は大好評でしたね。徹夜でパネルの準備とか、ご不便おかけしました。(この場合のパネルはUNITYで実装という……)
 
同じSTEAM展示会場での展示仲間さんたちも、色々助けていただき、ありがとうございました。各ブースそれぞれ、書ききれない位すばらしい内容で、勉強になりました。またお会いできる機会がございましたら、ぜひよろしくお願いいたします。

学びの体験をぐるりと変えるVRラボは、思いついたらやってみる! この精神で今後も活動してゆきます。バーチャルスクール、この可能性は無限にあるでしょう。ご興味ある方、気軽に連絡くださいませ。現場で抱える課題や問題を、新しい技術とフレッシュなアイデアで解決していけたら、こんなにうれしいことはありません!

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by 日向雅 理予 Narratify Co., Ltd.
VRラボ Explayground

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