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残るのか、一時帰国するのか

Covid19の進展に伴い、残るのか、一時帰国をするのか、状況が不確定で先も見通せず、悩まれる方が沢山いらっしゃるのではないかと思います。

特に海外暮らしが初めてだったり、周りに相談できる人が少なかったりすると心配も募るのではないかと思い、ご参考までに私の確認点と、他にも私だったらこれを検討するだろうという点をシェアします。全て検討時に確定情報が得られるものでもなく、また滞在国・都市やご家族の状況によってはこれに収まらないものも沢山あるかと思いますが、考える際のヒントにしていただければと思います。

いずれにせよ、人によって置かれている状況も、使えるリソースも異なるため、どこまでリスクを許容できるかは人によって異なり、正解はありません。またどちらを選ぶにせよ、この状況ですので一長一短あり、迷わずに決断できるということもないでしょう。

大切なのは、自分が自分で選んだ選択を理解し、現実的に想定できる問題点に関しては、なるべく備えておくことだと思います。

【3月26日追記】
各国で状況が異なるため、特に判断のタイムラインについては書いていませんが、現実問題として国境閉鎖や国際線の運行停止は予告なく、すぐに起こります。少しでも一時帰国の可能性を検討している方は、早急に具体的に検討し、もし検討の結果帰ることを決めた場合には、フライトは一番早く取れるものをすぐに取ることを強く推奨します。

1.短期的なシミュレーションのポイント

(1)滞在ビザ関連
・ビザの状況は問題ないか
・ビザの切替え時期を直近に控えている場合、切替手続きに関する政府の対応状況(窓口は開いているか?万が一期限が切れた場合の救済措置の案内は出ているか?出ていない場合、何が想定されるか?不法滞在といった最悪のケースも想定。情状酌量は期待しない。)

(2)医療関連
・滞在地の医療の状況(病院の信頼度、キャパシティを含む現状。特に自分が住むエリア)
・万が一罹患した場合にどうするか(症状が軽い場合の自己隔離のシミュレーション、重くなってきた際のシミュレーション。相談電話番号、自己隔離の際の食事など生活面での対応、罹患時に必ず連絡しなければいけない先のリスト、例えば勤め先、学校、親族、大使館など。万が一病気になったら頭もクリアに働かないので、健康なうちに書き出しておく。)
・加入している保険の対応範囲(コロナウィルス関連は対応しているか?具体的にどこまで払われれるか?自己負担があるか?保険会社の案内や規約を確認すること)
・万が一保険を使う場合のフローの確認(申請時の連絡先、必要な書類、申請手続きのシミュレーション。必要な書類は全て手元にあり、使える状態になっているか?申請アプリなどはDL・登録済み?)
・滞在国によっては保険の種類によってかかれる病院が異なる場合がある。その場合は、具体的な状況と、許容できるレベルなのかの確認(これは個人的な意見ですが、滞在地が途上国の場合、現実的には一時帰国を強く勧めます。)
・保険対応がない、または自己負担ありの場合は、どこまで負担可能かのシミュレーションと、それが現実的に滞在国でどの程度の医療に相当するのかの想定

(3)生活関連
・滞在地の治安(全体的な治安のほか、アジア人差別の状況)
・滞在地の生活状況の変化が自分や家族に及ぼすメンタル面での影響(ロックダウンになっている場合など。特に家族が海外生活に慣れておらず、語学ができない場合に注意)
・語学対応状況(正しい情報収拾が可能なレベルにあるか?万が一の際、航空会社や病院や警察とコミュニケーションできる程度の語学力があるか?ない場合、助けてくれる人や組織はあるか?その相手は現実問題として人を助けられる状態にあるか?ない場合、どうするか?)
・日本にいる家族、親族の対応(残るという理解を得られるか。また、日本で今後家族や親族が罹患してしまった場合の対応をどうするか?)
・当面一時帰国ができないことによる影響(日本で行うことを予定していた手続き、メンタル面など)

2.一時帰国する場合のシミュレーションのポイント 

※残る方向で考えていても、検討だけはしておく

(1)一時帰国のロジスティクス
・日本へのフライトの運行状況、運行見通し(航空会社の公式サイトなどから確認した正確な運休情報、他のエアラインの状況などから推測できる今後の見通し)
・可能な帰国ルートと、その費用、残席数等との関係で自分がそのフライトに乗ることが現実的にどの程度可能そうか
・帰国後の自己隔離要請への対応のシミュレーション(滞在場所の確保、空港から滞在場所への移動はどうするか、ホテル等の場合は食事など生活面など)

(2)滞在国へ戻ってくるタイミング
・何が自分にとって判断基準になるのかの確認、その情報の入手方法(勤め先や学校のリモートワークや休講状況の終了など)

(3)日本へ戻った後滞在国へ戻る場合の条件
・滞在国側の入国制限(入国拒否をしている場合、自分の滞在資格は免除や除外対象になっているか。なっていない場合は当面の期限)
・滞在国へのフライトの運行状況、運行見通し
・日本側の出国制限(出国制限が解けていない段階で滞在国に戻りたい、かつビザ的に戻れる場合にどうするか)

(4)生活関連
・一時帰国する場合、今の生活基盤をどうするか(家や公共料金等)
・日本での滞在場所、その場所の状況(医療状況、家族の状況を含む。実際にどの程度の期間滞在できるのか?)
・金銭面
・その他気にかかることがあるのであれば、その対応

3.長期的な視点

・当面の滞在地での生活と、日本での生活のシミュレーションと比較検討
・収入など生活基盤の見通し(勤めている場合は勤め先の状況)
・滞在国に残る場合、各種支援プログラムを自分は使えるのか(細かい支援条件を確認。素晴らしい政策に見えても、細かい条件により自分が対象でないことは大いに有りうるので、きちんと政府の公式の情報を確認すること。)

***

これだけ考えても状況は日々変動しますし、また自分でも想定していなかった理由から、止むを得ず緊急帰国せざるをえないこともあるかもしれません。とはいえ、考えることである程度予想や準備もできますので、自分や家族にとって重要な要件は何かを考えておくことで、冷静かつ柔軟に対応できる余地が広がり、またいざという時にすぐに決断ができるかと思います。

一番危険なのは「私はかからない、かかっても大半は軽症だというし」と思考停止してしまうことです。もちろんリスクの差はあり必要以上に怖がる必要はありませんが、特に何かと勝手の違う海外にいるのであれば、リスクを余分に認識し、その対応も想定しておくほうが良いと思います。十分に準備をしておけば、万が一の事態になっても冷静に対応できますし、結果的に想定が無駄になれば、それに越したことはないですから。

なお、残る場合には、在留届の提出やたびレジへの登録を必ず行っておくほうがよいでしょう。最終的に在外で市民権のない日本人が頼るのは日本大使館になります。細々した相談はもちろん乗ってくれませんし、自己解決する必要がありますが、日本語での情報提供や何より確実な情報入手元のお知らせなど重要な情報が届きます。

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