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話題になりつつある「ながら聴き」って何が起きてるの?これからはどうなる?

高桑宗一郎

「ながら聴き」とは、手元の作業や視覚へのコンテンツを楽しみながら、聴覚へ別コンテンツを取り入れる新しいライフスタイルのことです。

今は「スマホでながら聴きをする(1.0)」が主流で、ライブ配信系のプロダクトで標準になってきた「バックグラウンド機能再生」もよくある使い方だと思います。

ところが、この「ながら聴き」が進化して、さらにみなさんの生活に3つの変化を起こしそうです。

🍎「スマホでながら聴き」はオワコンへ

耳へのインプットは垂れ流しへ

「ながら聴き」のためにイヤホンを操作する端末は現状「スマホ」ですが、これが多分
A. スマートウォッチ
B. PC × スピーカー
に概ね置き換えられます。

「ながら聴き」は基本放置ゆえ「その操作端末(ハード)は基本触らないし軽い方がいい」、一方で現代人はスマホを毎秒触りまくります。なので

A. ポータブルの場合
スマホより軽くてスマートな「ウォッチ」
B. ポータブルでない(据え置き)場合
「PC × スピーカー」
へそれぞれシフトしていきます。
僕らが触り続けたいスマホは、これらと別端末である方が都合がいいです。

ちなみに僕は「屋外はA / 屋内はB」に完全にシフトしています。
なので、正直感覚的にも確信しているところです笑

🍎YouTubeと音声コンテンツは運命共同体

YouTubeは画面を見ない使い方へ

この流れは動画PFにも影響を与えます。
例えばYouTubeで選ばれやすいコンテンツは、
1. 超短尺(1分以内)
2. 長尺(30分以上)
の2パターンに向かっていきます。

1は「PFが推しているショートの需要拡大」
2は「PC × スピーカーで垂れ流しの需要拡大」
の影響を受けるためです。

🍊(寄り道)「競合TikTokの圧力」

また、競合の勢力も同じ方向へ作用します。
具体的には、短尺〜中尺(10分前後)の動画市場はTikTokがメインで勝ち切る流れです。

尺が短くなるほど密度の濃いコンテンツが選ばれやすそうですが、「音ハメ文化」としても「3Dエフェクト(CG)の民主化」としてもリードしているTikTokが、この短尺〜中尺の市場をとっていくと思われます。

音ハメもCGもみんな使えるので、若い世代が好きな「厨二病」的コンテンツはTikTokで作るのが一番速いためです。

こうした需要の変遷に伴うようにして、TikTokの機能改善で「投稿動画の上限を10分まで拡張する公式発表」も出てきていますが、これも助長すると思います。
🍊(寄り道おしまい)

「ながら聴き」2.0の全体像

こうして、YouTubeのメインは長尺市場へシフトしていきます。
しかし、30分以上のYouTube動画をYouTuberが編集しまくって生産し続けるのはかなり大変です。

なので、コンテンツの型として
・映像ありなら「垂れ流し(例 ライブ)」
・映像なしなら「画像×音声(例 音声コンテンツ)」
が今後のYouTube動画の主流になっていきます。

これは音声コンテンツにとってYouTubeが新しいチャンスの場であると同時に、YouTube側にとっても音声(長尺)コンテンツの供給量を確保したいところ。

つまり、長尺の住処をYouTubeにすると「クリエイターとPFの間でのwin-win」が成立するので、そのうちYouTubeのアルゴリズムは長尺を優遇し始めるとも予想しています(すでにそれっぽい検証結果も手元に出始めていますが)。

🍎個人発信の新マネタイズは音声から

再生数、投げ銭の次の収益モデルへ

現状、個人発信者が大きく稼いでいるのは概ね「LIVE × コミュニティ ×投げ銭」です。

一昔前までは再生数モデルでしたが、YouTuberの飽和とそれに伴う新陳代謝の早さからも、収益の安定性を築きにくくなってきています。

じゃあ「ながら聴き」市場が生み出す、新しい個人発信者の収益モデルはなんだろう?

答えは多分「個人への企業スポンサー」もしくは「個人への個人スポンサー」です。

ライブ配信のコア体験は下記です。
・リアルタイム性で
・双方向に
・配信者の様子も見れて
コミュニケーションができること

「ながら聴き(アーカイブ)」はこの全てを持ちません。
でも同じ個人発信であり、そこに配信者と視聴者は同じようにいます。
つまり「応援課金」の市場ポテンシャルがあります。

このうち、低単価のメンバーシップはすでに盛り上がり始めていますが、高単価が今はガラ空きです。

さらに、「高価格帯の応援課金」は動画ライブ配信の市況からも明確に再現性が高いです。

なので、次民主化される候補は「ながら聴き」を応援する、高価格帯課金モデルとしての "スポンサー" が考えられます。

ちなみに、個人スポンサーは先日の記事内にある「ABCラジオさんとの新規プロジェクト」ですでに事例が発生しています。

何かしら民主化させることがイノベーションの1つの側面ですが、この "スポンサー" ビジネスを個人単位にまで民主化させる点で、音声コンテンツや「ながら聴き」はイノベーションになると信じています。

🍊(寄り道)「個人発信でのコミュニティの変遷」

個人発信市場では、"常連の視聴者" なる「コミュニティ」を創る動きが顕著になってきています。

よりリアルタイムで双方向で参加者も多いコミュニケーションができるようになり、高密度な方へ人が寄って行っているためです。
そして、「コミュニティ」は特にこのライブ×マネタイズと相性が抜群にいい訳です。

そのコミュニティと相性の良い代表的な課金モデルが
・コミュニティ×サブスク型(例 オンラインサロン、メンバーシップ)
・コミュニティ×ライブ型(例 ライブ配信の投げ銭、コミュニティバッジ)
あたりです。

ちなみに、現状の音声×ライブの需要は「LINE通話の n : n 拡張」だとも感じています。

ですが、そもそも「コミュニティ」体験はコメントやギフトなどの入力が必要なので、放置体験である「ながら聴き」とは相性が悪く選ばれません。

ゆえに音声×ライブの体験はライブ動画の延長では金銭の流通量的にも成長しきれず、強化するなら抜本的な再定義が必要だと思います。

言い換えると「ながら聴き」で発信を続けるクリエイターはコミュニティ依存を卒業できます。

だから、少なくとも「ながら聴き」市場では「コミュニティリーダー」ではなく「クリエイター」が強くなる場所ともいえます。
🍊(寄り道おしまい)

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