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第691回「今日のベトナムニュース解説」ベトナムでオンライン教育「EdTech」の新興企業が世界中から注目され投資を獲得

本日の記事:
「世界の投資家、ベトナムのEdtech市場への意欲を高める」
Title:
" Global investors' appetite for Vietnam edtech market grows "

記事リンク:


(写真:生徒をサポートする英語の自己学習プラットフォーム「Edupia」のスタッフ)


【ポイント】

(1)若い人口が多く、教育熱心な親も多いベトナムでEdTech企業が急成長しており、世界中から投資を集めている

(2)家庭教師マッチング、英語学習、プログラミングなど様々なコースを子供たちはオンラインで学ぶ環境が続々と整えられている

(3)これによって、従来、教育施設の脆弱さで遅れをとっていたベトナムの地方の生徒の掘り起こし、学習能力向上も期待されるものと予想されます

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【解説】

アジアゲートベトナム代表の豊田です。

さて、今日の記事について。

最近、ベトナムではオンラインを使った教育システム、いわゆる「EdTech」の新興企業が非常に注目され、世界中の投資家から資金を調達しています。
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今日の記事によると、オンライン家庭教師プラットフォーム「Vuihoc」がアリババグループのベンチャーキャピタルなどから200万米ドル(約2億9千万円)を調達したと報じています。




この「Vuihoc」、設立されたのは2019年、まだ3年しかっていないのですが現在、オンラインコース、ビデオレッスン、クイズなど40万以上の学習教材を保有しており、2024年までに100万件以上の契約達成を目指す、とのことです。

さらに英語の自己学習プラットフォーム「Edupia」は、これもアリババグループ関係から1400万ドル(約20億円)を調達したとのことです。



この「Edupia」も設立は4年前の2018年と若い起業ですが、既にユーザー数は500万人、そのうち40万人が有料会員と快進撃を続けています。

創設者のTran Duc Hung氏は、今後3年間で1億ドル(約140億円)を超える収益目標を掲げ、現在、大半のユーザーを占めるベトナムだけではなくインドネシア、タイ、ミャンマーなど他の東南アジア市場への進出を目指し科目も英語だけでなく数学やコーディングなど続々と追加しているそうです。

ベトナム発の企業だけでなく海外のEdTech企業にとっても若い人口の多いベトナムは重要市場となっており、今年8月にはシンガポールの大手オンライン学習プラットフォーム「Geniebook」がベトナムへの進出計画を発表しています。





この「Geniebook」も5年前の2017年に立ち上げられた若い会社で、同社は、人工知能と機械学習を活用し、学生の強みや課題に応じて評価概念や問題を推奨し、学習をパーソナライズするプラットフォームを提供しています。
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現在、ベトナムの小中学校の生徒数は1,600万人、大学の生徒数が170万人と教育市場としては世界的に見ても急成長している市場の一つと言われ、その市場価値は来年30億ドル(4200億円)に達すると、業界調査会社EdTech Agencyは7月に報告書で述べています。

このオンライン教育業界は完全にコロナが背中を押した業界でしょうね。

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ところで、1つ、前から気になっていたのですが、この記事でも言われており、世間的にもよく言われる

「ベトナムの親は子供のために大きなお金を使うことを望んでいる」

という話、これって、どこと比べて、そうなのか、そして、なぜ、そうなのか?前から疑問なんですよね。

これって、もっと解きほぐして定義すると

「一般市民レベルの家庭において子供の教育に使う予算が世帯収入の割には多い」

ということだと思います。

「中国の科挙の伝統のせい」

という人が多いですが、じゃあ、科挙って何?っていうと、これも平易なこと何すれば、

「勉強さえできれば政府の役人になって特権階級になれる」

という制度ですよね。

日本の平安時代、貴族という決められた家柄の人しか高官にはなれなかったのを考えると革命的な方法だと思います。

でも、今や世界中で、特権階級しか政府役員になれない、なんてことはなくなったのに、今でも幼児からの勉強に熱心なのはどうしてなの?と思うと、これは難しいところですが、私が持っている仮説は

「役人や大企業の組織が”閉鎖的”であり、かつ、”若い頃から社内において功績を積み上げることで内部昇進する仕組みが重視されている”」


感じの社会だと、結局、若い頃に政府や大組織に属しておかないと、コツコツと組織内で功績を積み上げられないので、その「入場チケット」を得るために、いかにいい大学にいけるか、が人生の浮沈を決める、だから、子供の頃からの学習に力を入れる、ということなのではないかと思っています。

欧米のように、政府や大組織においても、社会に出てからの実績によって、中途やヘッドハンティングで役員やCEOなどにで外部から「サッと」入り込める社会になると、大学時点でそこまで必死のパッチになって、いい組織に「入り込む」ことは相対的にはそこまで重要ではなく、ただ、社会人になっても勉強をし続けて外部の人にでもわかる優秀さをアピールしないといけない、ということがMBAの盛んさなどにもつながっているのかな、なんて考えています。
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まぁ、とにかく、ベトナムの教育産業においてEdTechはどんどん伸びており、地方の教育インフラが脆弱なベトナムで、このオンライン学習は「地方学生の能力向上」にも大きく寄与するのではないかと個人的には思っており、今後もその重要性は増していくものと思います。

以上 豊田英司
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