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貴婦人のコルヴェイユ

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オンライン開催|配信会期【2024.11.21〜23】通販期間【2024.11.24〜26】|レース溢れるブドゥワールで整える身支度、花模様の茶器が彩るティタイム、ハーブ香る庭園…
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貴婦人のコルヴェイユ|DAY 3

DAY 3の配信ラインナップ 文霧とリボン  アドベントの足音が近づき、冬支度がはじまろうとしているここモーヴ街。本日、の全配信が終了し、ヴィヴィアンズ百貨店初のオンラインフェアが無事終了致しました。  コルヴェイユ(花籠)を片手に、百貨店内の各専門店にお立ち寄り下さいました皆様に深く感謝申し上げます。心沸き立つお気に入りの作品・アイテムはみつかりましたでしょうか。  ヴィヴィアンズ百貨店がオープンしたのはパンデミック禍の2020年5月。もっとも愛する詩人、ベル・エポッ

貴婦人のコルヴェイユ|ミルフィーユ × 霧とリボン|GISELLE〜書物・ポプリ・アクセサリーのパ・ド・トロワ

 ロマンティック・バレエの名作《ジゼル》。  全幕、ガラ公演含めて国内外の舞踊手によるたくさんの舞台をこれまで鑑賞してきました。殊に第二幕のバレエ・ブラン、ロマンティック・チュチュを纏うウィリ(未婚のまま生を終えた乙女の精霊)たちの幻想的な場面にどれほど心を震わせてきたかわかりません。  ですから、等しくバレエを愛する物語作家・ミルフィーユ様が、この度のコラボレーション用に《ジゼル》の翻案を美しい菫色の書物に仕上げて下さったことは、この上なき喜びでした。  ジゼルの舞台でも

貴婦人のコルヴェイユ|Belle des Poupee《2》|貴婦人になれるかな

 モーヴ街に秋がやって来ました。この時期、8番地にあるヴィヴィアンズ百貨店では、貴婦人にふさわしい豊かな時間を過ごせる、とのうわさ。  いったい、どんな世界が広がっているのだろう。私も貴婦人のようになれるかな。少し緊張しながら、その扉を開いた。  最初に目に飛び込んできたのは、大きなリボンがあしらわれた可憐で上品なキャノチエ。  菫がちりばめられたチュールは遊び心にあふれていて、見ている私の心を明るくする。  なんだ、むずかしく考える必要なんてなかったんだ。少しだけ、

貴婦人のコルヴェイユ|ミルフィーユ|読むバレエ~香りと空想の「ジゼル」~《3》

「君の名はジゼル」序  場面を序、第一幕、第二幕の三つに分けました。  序では、企画展のテーマである 「貴婦人のコルヴェイユ(花籠)」を意識した場面を入れつつ、第一幕・第二幕の後の時代の世界を描いています。ジゼルの生まれ変わりである貴婦人を登場させ、第二幕が閉じたあと、どんなことがあったのかを示唆しています。  貴婦人とジゼルは一人二役という設定です。早着替えが大変かもしれないな、などと空想しました。 第一幕  「ジゼル」は十九世紀に作られたバレエで、ウィリー(作中では

貴婦人のコルヴェイユ|DAY 2

DAY 2の配信ラインナップ 文霧とリボン  光の粒美しい秋空が広がった今日、オンライン上のストリート「モーヴ街」にも菫色の光が降り注いだ一日となりました。  DAY 2を迎えたヴィヴィアンズ百貨店フェア。各フロアを逍遥して下さいました皆様に深く感謝申し上げます。  フランスアンティーク、アクセサリー、服飾小物、書物——今日までにお披露目した作品が皆様の花籠を華やかに満たしていましたらとても嬉しいです。  今以上に百貨店に魅了されていた少女の頃。  そこには、欧羅巴児童

貴婦人のコルヴェイユ|ミルフィーユ|読むバレエ~香りと空想の「ジゼル」~《2》

ミルフィーユの物語バレエ  バレエには言葉がありません。けれど私は物語作家ですので、言葉がすべてです。物語バレエ「君の名はジゼル」では、物語の下にバレエの展開を配し、同時に読めるようにしてあります。本来なら目で観るバレエを言葉で表して、紡いだ言葉の連なりから読み手が想像・空想する空間を楽しみ、感じていただくのが、ミルフィーユの物語バレエです。  ノールさまの作られるポプリをきっかけに香りへの扉が開いた方も多いのではないかと思います。広がらない香りというのが魅力です。嗅ぎた

貴婦人のコルヴェイユ|Under the rose《2》|星を求める白蛾の望み

 花籠に一筋一筋集められた花草、その香りに引き寄せられ、心は天へと昇る蛾の姿。ヴィヴィアンズ百貨店初のフェア《貴婦人のコルヴェイユ》にて、ビーズ刺繍アクセサリーブランドUnder the roseさまの昆虫を模した作品3点のご紹介です。   星降る夜と朝の交差のなか、古い詩の歌声を聞きながら、星のような貴婦人を希求する蛾の物語をお楽しみください。  ブドゥワールで身支度を済ませた貴婦人は陶器のごとく輝く。かの人がふと花籠に目をやった矢先、一筋の髪がさらりと、結いあげた髪を

貴婦人のコルヴェイユ|massaging capsule《2》|編み上げを偏愛する全ての方へ

 編み上げに取り憑かれるように様々な服飾作品を作り続けてきました。飽くこともないままに気付いたら20年以上が経っていました。  編み上げることとは、何か。  編み上げはフェティシズム、エロティシズムとしても語られがちです。確かに、第二の皮膚としての服地と身体そのものとの距離を限界まで密着させる、極めて特異な行為ではあります。では、剥き出しのままでは脆く傷つきやすい身体を隙なく包み覆うことのフェティシズムとは、一体何なのか。  身に着けることで、身体に最も近い距離で作り出さ

貴婦人のコルヴェイユ|アンヴァンテール|或る貴婦人の日々の暮らしとアンティーク品

 100年前の貴婦人の或る一日に思いを馳せて。美しい物を愛する貴婦人の生活を彩る、優美なお品をフランスで集めて参りました。  創業1790年の名高いSarreguemines-サルグミンヌ窯より、美しくも珍奇な朝の身支度用品をご紹介します。  繊細なブルー色が印象的なこちらの器、19世紀末頃の体を清めるスポンジを置く水切り器で、器と水切りが二段の設えとなっているのですが、ふと、水切りの中心の穴を覗くと・・・なんと美しい少女がこちらを覗いているではありませんか。  ニーチ

貴婦人のコルヴェイユ|DAY 1

DAY 1の配信ラインナップ 文|霧とリボン  アドベント待つ秋色深まる頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。  本日より、オンライン上のストリート「モーヴ街」8番地に位置する「ヴィヴィアンズ百貨店」初のフェアが華やかに開幕致しました。  欧羅巴の老舗百貨店に憧れてオープンしたここヴィヴィアンズ百貨店。  美的センスに溢れ、卓越の手仕事で作品を紡ぐモード系専門店、街を歩きながら、確かな審美眼でひとつひとつお品物をセレクトするフランスアンティーク&ブロカント店などが各フロアを

貴婦人のコルヴェイユ|massaging capsule《1》|零れることの希望

 彼女はドレスの裾をたくし上げ、螺旋階段を上り、舞踏会に向かっていました。ピアノやシンバルが漏れ聴こえてきます。  あと数歩でたどり着くというとき。突然、何の前触れもなく首飾りが千切れ、賑やかな音をたて真珠が弾けました。次々に絨毯に零れ、粒を煌めかせながら螺旋の底に滝のように落ちてゆきます。  転がる輝きを追って駆け下りようと一歩、踏み出した足がもつれて身体が宙に浮きました。落ちてゆく瞬間、舞踏室からのシンバルはひときわ高らかに、もはや耳を破る響きで打ち鳴らされます。

貴婦人のコルヴェイユ|ミルフィーユ|読むバレエ~香りと空想の「ジゼル」~《1》

ご挨拶  はじめまして。物語作家のミルフィーユ(伊藤裕美)です。  この度、霧とリボンさまとコラボレーションさせていただくことになりました。霧とリボンさまも私もバレエが大好きで、一緒に何かを作ろう! というお話になったときに、「我々の大好きなバレエをテーマに!」ということになりました。バレエに興味がある方にも、未知の世界でよく分からないという方にも、楽しんでいただけるようにという思いで製作いたしました。 霧とリボンさまへの想い  ここを訪れる皆さまと同様に、私も「霧とリ

貴婦人のコルヴェイユ|Under the rose《1》|Nuit blanche

 街路樹の葉が徐々に色付き、秋も深まる8番地。  初めてのフェアに賑わうヴィヴィアンズ百貨店では、各店のショーウィンドウが一層華やかに装飾され、道行く人々の目を奪っています。  空想宝飾店”Under the rose”では、飾り窓一面にスパンコールの星を縫い付け、中央にぽっかりと浮かぶ満月をしつらえました。天井から垂れる乳白色のベール。そのドレープが作り出す柔らかな月光に、4種の昆虫とクリスマスローズが集っています。  貴婦人の豊かな時間を集めた花籠(コルヴェイユ)。

貴婦人のコルヴェイユ|Belle des Poupee《1》|菫色のフラヌール

 百貨店。なんて魅惑的な響き。  美しいもの、可愛いもの、初めて目にする不思議なもの。わたしたちに必要なのは、生活必需品だけじゃない。人生を豊かにしてくれるものに出会うことができる場所、それが百貨店。  ヴィヴィアンズ百貨店にはそんな素敵なお品物が所狭しと揃っている。  お店に入ってすぐ、一番目立つ場所にあるのは、大事なお髪を彩ってくれるヘアアクセサリーのコーナー。まずは逸る心でBelle des Poupeeの新作に駆け寄る。  深紫色のベルベットリボンが一際人目をひく