GF24-3感想

 本稿は、『ゲーマーズ・フィールド 24th SEASON VOL.3』のレビューです。
 前号のレビューはこちら

巻頭カラーページ

 アリアンロッドの『パーフェクト・ワールドガイド』では、基本ルールブックから3年後に情勢をアップデートするとのこと。具体的な時間を定めての更新は、プレイアビリティ面でもありがたいところです。

 『アニマアニムス』の宣伝もあります。ふだんデザイナーがTwitterで発信している宣伝とは語彙がことなるのがちょっとオモシロい。

 『TNX』は『SSS』を電子データ販売し、さらにそのエネミーデータを『SKD』版に更新してウェブに掲載していく方針らしいです。すばらしい。

トワイライトハイスクール・リプレイ『彼女と星を行く船』

 キャラクター作成に多めの紙幅を割いた構成。『スクリームハイスクール』からのコンバート例もあり、ガイド的なリプレイを意識しているようす。

トワイライト/スクリームハイスクール

 ハンドアウトルールと、そのガイド。内容自体はおおむねF.E.A.R.伝統のそれ。
 ハンドアウトには、『TNX』や『TNM』のPSめいた「PG(パーソナルゴール)」の概念があります。変更がシナリオ中に一度だけできるとされており、むしろ「変更するかしないか、するならどのようにか」の意思決定プロセスを発生させることが狙いの仕掛けでしょうか。

 追加サンプルキャラクターは「オカルトハンター」(オカルトを否定するためにオカルトを調べているひと)。セッション中にうごかしやすそうです。

進め! TRPG生徒会

 わりと人間模様ネタが多いこのシリーズにあって、あまり見ない「リアル寄りなセッション風景」ネタ。あるある~と言いながら読めるヤツです。

第六猟兵TRPG

 連載開始。

 今回の内容はゲームの解説。すでにウェブ上で語られた内容を超える情報はないので、より情報量の多いそちらを読むほうをオススメします。

アリアンロッド

 『パーフェクトエネミーガイド』を参照したバトルデータ。
 『メギド72』めいたギミック戦闘となっており、ちょっとしたひねりのある戦闘を遊びたい場合などによさそうです。

ビーストバインド

 半ページ分でのリンドヴルムの解説と、同組織に属するNPC3体の追加。なんと“大首領”が含まれます
 単純なワールド解説ではなくこういった小道具として提供してくれるスタイルは、より実際のセッションに投入しやすいのがありがたいところ。

 データ面はダークカルテル、怪人、幹部、戦闘員へのアーツ追加

 ダークカルテル共通の《幻惑! 悪のマリオネット》が異様な高性能。射程:シーンの対象:範囲にバッドステータスを与え、エキストラならば支配できる……という効果がなんとマイナーアクションで撃てます。つまり情報収集判定の前段階としてエキストラを支配下に置ける。つよい。
 しかもマイナータイミング拡張の《周到! 独創なる企て》も用意されており、柔軟性を確保する余地もあるという。

 怪人は、ダメージロールの直前タイミングでダメージを伸ばしつつバッドステータスもついてくる《プレーグエフェクト》が取り回しに優れた性能。他人にも使えるし。

 幹部にいたってはなにもかもがつよい。さすがは幹部。
 《ノワールコフィン》(死神)などの待機要求系データとセットにすると美しい《幹部の余裕》、他者の能力値を恒久的に増加させる《さらなる力をやろう!》、ダメージを稼ぎつつ強制移動もさせられる《制裁の紫電》(やりようによっては味方を動かすのにも使えるでしょう)、リアクション連動でHPを失わせる《身の程知らずめ!》、判定を保護する《万にひとつも失策はない》……と五つすべてが優秀。特にフレイバー面にもすぐれているのが素晴らしい点で、PCはもちろん、NPCの表現力も大きく補強してくれるラインナップです。

 戦闘員では、「集団でなく個人である」という表現を可能にする《ソロトルーパー》が、やはり表現力を拡げてくれています。

ポリフォニカ

 “メディア”についての解説。毎度のことながらシステムをあまり限定しない仕立てになっており、TRPG一般の話として利用できます。

トーキョーN◎VA

 スタイル解説、カブト回。
 冒頭のSSは千住大和がモチーフ。ストリートの情景がニューロに描かれています。

 「特定の誰かを護ることにフォーカスしても構わないが、戦闘時は理由をつけてほかのキャストも守れるようにしておくとよい」という主旨の記述があるのは好印象。
 また、「ひと以外の、物品・組織・概念を守ってもよい」旨があるのも心強い(小上紫乃が例に挙げられてもいます)。

 一方、データ面の解説は物足りない内容。
 カバーリング軸とパリー軸のふたつがある……という話まではよかったものの、(『TNX』の中では比較的むずかしい防御系機能を)アクトで現実的に活躍させるには不足と言わざるを得ません。「防御一辺倒だとヒマを持て余すかもしれないから~」系の話もされていますが、それ以前の話をもっとしてほしかったところです。

 神業運用については、「自分の生存が結果的にほかの誰かを守ることにつながる」レトリックが公言されたのが(PLにもRLにも)大きいところでしょうか。(いいのか?)

 データ面は、カブト関連を中心としたアウトフィット8種の追加。

 何をおいてもコスプレを表現できる「アニメコスチューム」がクール。アクトをゆたかにすること間違いなし。

 メリットのとぼしい「解毒の皿」「毒竜の盾」はともかく、[小分類:マジックアイテム]の「青薔薇の刻印」は面白い(効果の持続期間が記述されていませんが、まぁアクト永続でしょうか?)。

 「幻想の籠手」「超合金化」はシンプルに超強力。カブトに広くオススメ。

マージナルヒーローズ

 『ヒーローバース』にフォーカスして、色々なワールドの典型例をシナリオ化するための解説。
 おおむねはありがちな話でありつつも、ヒーロー物としてのメリハリが意識されているのはナイス。

 敵組織として「A158(エイチゴーヤ)」が専用エネミー特技(かなりユカイ)&専用エネミーつきで追加されています。
 叡智と越後屋を掛けてエイチゴーヤ。つかいやすいですね。

 ほかにはタイムリーパーの特技とアイテム(「当たり馬券票」!)、ジダイのアイテム(フレイバーに富んだものが多く素晴らしい)も追加。

このすば

 エネミースキル、エネミー、トラップの追加。

 スキルは「一定条件下で無効化される」メカニズムを搭載したものがいくつかあり、セッションメイクを助けてくれます。中でも回数制限を無視する《無限回》は、特に役立つでしょう。
 トラップの「天候:~~」シリーズも、同様に舞台を整える役に立ちますね。

 エネミーはおおむね王道でありながら、「ジャイアントキャベツ」が目を引きます。いやまぁ全長3メートル以上らしいですからね。そりゃあ目立ちますよね。

ガーデンオーダー

 シナリオにシーズン感を盛り込むためのガイド。駆け足気味ではありますが、多角的にいろいろなアプローチが挙げられていて、実践的な内容です。

 データ面は追加EXスタイル。半ページそこそこの紙幅で、結構な表現の可能性が増えました。

ダブルクロス

 プレイヤー向けテクニック集。おおむね有意義(※一部首をかしげる箇所あり)な内容。

 「オープニングで提示される要素から興味を持てるものを探そう」、「積極的に登場しよう」、「まずは合流をめざそう」、「シナリオの目的を達成するように動こう」などの話は、頻出ながらも実用的ではあるし、端的にまとめられているのも長所。
 本題からはやや逸れますが、ミドルフェイズを前半・後半にわけて解説しているのは示唆的です。長くてあいまいなものを分割する。

 クライマックスフェイズに関するガイドは、首をかしげるポイント。
 「出し惜しみしない」というのは……いや……ゲーム感のないプレイヤーが出し惜しみして時間が嵩んだり行き詰まったりするのはありがちで……実際おおきな問題なんですけれど……しかしPCとエネミーによるとはいえ……この「攻撃一回の(実質的)完全無効化」が多いゲームで「その時できる最大の戦力を投入するとよい」と言われましても……。
 「演出を挟もう」についても、主旨自体はよいとして、「(戦闘中は)演出がおろそかにやりやすい」と言っておきながら、具体的なアプローチにとぼしいのが残念。もっと即効性のあるテクニックを書いてほしかった。

 演出に関する「量より質」「会話は最もコストパフォーマンスがよい」、「行動で演出するならインパクト勝負」、「その際にエフェクトを絡めるとクール」などは、この連載にはめずらしく容赦のない切れ味。非常に楽しく読めるうえに実用的です。

 データ面はハヌマーン、モルフェウス、ノイマンにイージーエフェクトを2点ずつ追加。いずれも“ありそうでなかったもの”で、キャラクター造形のパーツとして有用です。
 ところで《砂塵の帳》って……既存エフェクト(『RU』p29)と同じ名前ですね……。

エンゼルギア

 とくにシステムを限定しないテクニック集(いつもの)。テーマは「不満の表明」

 「ネガティブな発言よりポジティブな発言がよいとされるのは、“その一回のセッションの成功”にフォーカスした場合」という旨が述べられているのが、非常に公平なバランス感だと言えます。

 本題「不満の表明」。さすがにふだんほどの切れ味はなく、やや迂遠な筆致になっていますが、節の結びで端的に「短くまとめる」「表明の場を変える(ことを検討する)」と端的にキーワード化されており、現実のケースでの手助けになり得る内容ではあります。

 関連して「向上のための振り返り」の節も設けられていますが、おおむねのところは、これまでに述べられてきたことがらの繰り返し、といったところでしょうか。
 あ、「一回の振り返りで提示して意味のある問題点は1~3個くらい」というのはクールな教示ですね。マネジメント論などでもよく言われるヤツです。


この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

1