小説【アコースティック・ブルー】Track2: I still haven't what I'm looking for #4
「オーケー、お疲れKANON」
ミキシングブースからレコーディングブース内に声をかけるセイイチ。緊張した面持ちでセイイチのチェックを見守っていたKANONにようやく笑顔が浮かんだ。
「今回の新曲はマジで会心っスね!」
「お前が言うと軽く聞こえるな」
「いや、本気ですって。やっぱスゲェっすよ、セイイチさん!」
KANONの歌録りが終了し、新曲の全貌がほぼ形になった。Kは曲の出来栄えに感嘆しながら自分のことのように喜び、セイイチも我ながら上出来だと頷いて、満足のいく仕上