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小説【アコース・ティックブルー】夢を忘れたくない全ての人へ。

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※オリジナル小説※  伝説のロックバンド”Mor:c;wara (モルクワァラ) ”は人気絶頂の最中、ボーカルTASKの事故死により解散を余儀なくされた。  TASKの死後、彼… もっと読む
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2019年12月の記事一覧

小説【アコースティック・ブルー】track0: Introduction

 ステージを照らすスポットライトの光が弱まり、足元のフットライトが淡い光を放ち始める。 …

G@ck
4年前
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小説【アコースティック・ブルー】track1: SLOWDOWN #1

 ノイズ混じりの古い録音。  薄い膜を張ったような少しくぐもった音声データには、柔らかな…

G@ck
4年前
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小説【アコースティック・ブルー】Track1: SLOWDOWN #2

 どこまでも透き通る歌声が、吐き出す煙草の煙とともに冷たい夜の闇に溶けていく。相変わらず…

G@ck
4年前
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小説【アコースティック・ブルー】Track2: I still haven't what I'm looking for #1

「コチラが来春発売予定の新モデルです」  差し出された一枚のプリント用紙を覗き込むセイイ…

G@ck
4年前

小説【アコースティック・ブルー】Track2: I still haven't what I'm looking for #2

「オーディション?」  録音作業に追われるスタッフ達の傍らで、TASKの歌録りを見守っていたIC…

G@ck
4年前

小説【アコースティック・ブルー】Track2: I still haven't what I'm looking for #3

 生バンドの演奏があるのは週に二~三回。  JazzyNightやRockNightのような特別なイベントが…

G@ck
4年前
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小説【アコースティック・ブルー】Track2: I still haven't what I'm looking for #4

「オーケー、お疲れKANON」  ミキシングブースからレコーディングブース内に声をかけるセイイチ。緊張した面持ちでセイイチのチェックを見守っていたKANONにようやく笑顔が浮かんだ。 「今回の新曲はマジで会心っスね!」 「お前が言うと軽く聞こえるな」 「いや、本気ですって。やっぱスゲェっすよ、セイイチさん!」  KANONの歌録りが終了し、新曲の全貌がほぼ形になった。Kは曲の出来栄えに感嘆しながら自分のことのように喜び、セイイチも我ながら上出来だと頷いて、満足のいく仕上

小説【アコースティック・ブルー】Track3: Time after Time #1

 ロココ調の椅子やテーブル。細かなダマスク柄が描かれたベージュの壁紙には年代を感じさせる…

G@ck
4年前
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小説【アコースティック・ブルー】Track3: Time After Time #2

 ツアー最終日まで残すところあと3日。  完成した舞台装置の点検作業も終わり、演出プラン…

G@ck
4年前
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小説【アコースティック・ブルー】Track3: Time After Time #3

 開店までにはまだずいぶん時間がある。  ケンジが来るのはいつも夕方4時頃だし、照明の点…

G@ck
4年前

小説【アコースティック・ブルー】Track3: Time After Time #4

 セイイチは思わず店の扉を開いた。  取材を受けたカフェから録音スタジオがあるビルまでは…

G@ck
4年前
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