ビジョン・クラフティング研究所(VCラボ)

株式会社ジャパンEAPシステムズの「ビジョン・クラフティング研究所」(https://…

ビジョン・クラフティング研究所(VCラボ)

株式会社ジャパンEAPシステムズの「ビジョン・クラフティング研究所」(https://vc-labo.jp)が運営するnoteです。 人材マネジメントに一般解はないという前提で、働く経営者・管理職・社員のビジョン創成と言語化を探求しています。

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特別研究員コラム⑨:フィードバックは薬?毒?

 皆さん、こんにちは!いよいよ新年度が始まりましたね!昨年度を振り返り、フィードバックをしたり、されたりする時期でもありますよね。企業人事として働く中で、私は今まで様々な上司と部下のフィードバックの場面に立ち会ってきました。今回は、その中で、少し気になっていることを書いてみたいと思います。 9割はできている!のに、フィードバックされるのは、できていない1割の事ばかり、という不思議な現象  もし皆さんが、部下から、もしくは同僚から、上記のような資料を渡されたら、どんなフィー

    • 特別研究員コラム⑧:ダブルバインド            ~上司と部下のコミュニケーションに潜む落とし穴~               

       こんにちは、VCラボ特別研究員の黒木です。あっという間に3月、何かと異動の多い時期になりましたね。今まで慣れ親しんだ環境に変化のあるこの時期は、新しい環境に適応するため、周りを理解したり、自分を理解してもらうためのコミュニケーションが活発になりますよね。「分からなかったら、いつでも聞いてね」「できないことがあったら、早めに教えてね」「困ったら、何でも言ってね!」と、こんな声かけもよく耳にするシーズンです。そこで今回は、上司や先輩が、よかれと思ってかけたこの一言に潜む「ダブル

      • 所長コラム⑱ おしゃべりAIアプリ「Cotomo」の衝撃

         最近、巷で話題になっているアプリ「Cotomo」を試してみました。実際に試してみて、諸々衝撃を受けたので、その感想を述べたいと思います。  「Cotomo」は、あたかも普通に相手と電話しているように会話を楽しめるアプリで、AIとは思えない自然なやりとりが可能です。  実際に「Cotomo」と話をしてみて衝撃を受けたのは、何よりも「AIっぽくない自然さ」です。こちらが話したことの聴き取りのよさ、相槌や応答スピードの自然さ、そして繰り返しや要約などの受け答えスキルも極めて自然

        • ビジョン・クラフティング面談(VC面談)で取り戻す「首尾一貫感覚SOC」ー人生の物語を自ら紡ぐ力ー

          皆様、こんにちは。VCラボのさきみです。 前回、VC面談では、管理職の皆様の「答えを急がず、積極的に悩み迷い、実践し続ける」という前向きな力、『ネガティブ・ケイパビリティ』が高まっていることを感じるとお伝えしました。 ここ最近は、さらに、取り戻している力もあると実感するようになってきました。 今回は、管理職が『首尾一貫感覚(Sense of Coherence)』を取り戻すご様子を紹介いたします。 自分の人生の物語を自ら紡ぐ力:『首尾一貫感覚(Sense of Cohe

        特別研究員コラム⑨:フィードバックは薬?毒?

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        • 所長コラム
          18本
        • さきみの部屋
          12本
        • チビさきみの小部屋
          13本

        記事

          特別研究員コラム⑦:        会議の中にある議論と対話                ~ポジティブケイパビリティとネガティブケパビリティのバランス~

           皆様、こんにちは!VCラボ特別研究員の黒木です。昨年、「対話とはなにか」について学び、深める機会を頂いて以来、企業活動における対話のあり方を悶々と考え続けております。最初は、企業活動の中で、対話もネガティブケイパビリティも想像しづらく、ひょっとしたらどちらも馴染まないんじゃないかとさえ考えていたのですが、今年に入り、自分自身の社会復帰が目前に迫ってきていることもあって、仕事中の色々なコミュニケーションシーンを思い出す機会が増えました。そのなかで、視点を変えて見てみると、対話

          特別研究員コラム⑦:        会議の中にある議論と対話                ~ポジティブケイパビリティとネガティブケパビリティのバランス~

          ビジョン・クラフティング面談(VC面談)で高まる『ネガティブ・ケイパビリティ』というポジティブな力

          皆様、こんにちは。VCラボのさきみです。 2024年の始まりは、大変な出来事が立て続けに起こってしまいました。 何よりもまず、被害を受けられた方や生活の変化を余儀なくされている皆様に、心よりお見舞い申し上げます。 ネガティブ・ケイパビリティ という可能性を信じる力 ここ数日のなんとも心が痛む出来事の中、72時間の壁を乗り越えて救出される方、素晴らしい緊急脱出による人命の確保など、奇跡も目の当たりにしています。 さきみは昨年来、ビジョン・クラフティング面談(VC面談)の

          ビジョン・クラフティング面談(VC面談)で高まる『ネガティブ・ケイパビリティ』というポジティブな力

          【2024年 年頭のご挨拶】ジャパンEAPシステムズ代表取締役社長 榎本正己

          謹んで新年のご挨拶を申し上げます。  新年のご挨拶に先立ち、この度の令和六年能登半島地震で被害にあわれた方に、心よりお悔やみとお見舞いを申し上げます。  本日も救助活動は続いています。できるだけ多くの方のご無事をお祈りすると共に、早期に必要な支援が届くこと、被災された皆様が心身の健康を維持できることを願っております。また、救助や支援に当たられる皆様に置かれましても、どうぞご安全に、ご自身の休養やリラックスも大切にしていただければと存じます。  こうした災害の際には、たと

          【2024年 年頭のご挨拶】ジャパンEAPシステムズ代表取締役社長 榎本正己

          変わっていく自分と、変わらない自分     ~2023年の振り返り~

           こんにちは!VCラボ特別研究員の黒木です。皆様、どんなクリスマスをお過ごしになりましたか?今年は行動制限もなく、遠出をされたり、パーティーを楽しまれた方も多かったのではないでしょうか。クリスマスが終わると、あっという間に年末になりますね。振り返ってみると、2023年は私にとって色々と変化のある年でした。会社員時代は、環境の変化を感じるのに精一杯で、自分の内面の変化を感じる余裕がなかったように思いますが、VCラボの特別研究員として「内省を深める対話」を学び、実践する経験を経

          変わっていく自分と、変わらない自分     ~2023年の振り返り~

          産業ダイアローグ研究所のnoteより

           ジャパンEAPシステムズ取締役 兼 産業ダイアローグ研究所所長の米沢宏先生が、私(松本桂樹)の書籍などを紹介してくれました。  せっかくなので、こちらでもリンクを掲載させて頂きます。よろしければ下記リンク先を参照くださいませ。 ■著者プロフィール 松本 桂樹(まつもと けいき) ビジョン・クラフティング研究所 所長 神奈川大学 客員教授 臨床心理士、公認心理師、精神保健福祉士、キャリアコンサルタント、1級キャリアコンサルティング技能士、健康経営エキスパートアドバイザ

          チビさきみのこべや⑫『ほどよい上司ー完璧じゃない方がいい!ー』

          みなさま、こんにちは。VCラボのチビさきみです。 今年も残すところ、あと3週間。頑張った人も、もうちょっと頑張れた人も、もっと頑張れた人も、頑張ったときや成果を出したとき、どちらが嬉しい言葉かな? 自分の能力を認められたら嬉しいし、その能力を持っている自分まるごとを認めてくれたら嬉しいよね。どちらも嬉しいけど、どちらの言葉が繰り返されると、褒められた人の自主性を高められるかな。 さきみが「VC面談をしていると、管理職の方々の努力や配慮を具体的に知ることができて、大変さをよ

          チビさきみのこべや⑫『ほどよい上司ー完璧じゃない方がいい!ー』

          第28回 日本キャリア・カウンセリング学会 シンポジウム登壇

           11月25日(土)に行われた「第28回日本キャリア・カウンセリング学会」のシンポジウムに、ビジョン・クラフティング研究所所長の松本桂樹が指定討論者として登壇しましたので、簡単に報告させて頂きます。 【大会企画シンポジウムⅠ】 個と組織をつなぐキャリア・カウンセリング ~行政、企業、支援の現場から~ ■シンポジスト  佐藤 悦子 厚生労働省人材開発統括官 若年者・キャリア形成支援担当       参事官付キャリア形成支援室長  佐藤 秀明 NECライフキャリア株式会社

          第28回 日本キャリア・カウンセリング学会 シンポジウム登壇

          特別研究員コラム⑤:身体の声、聴いてますか?~「フォーカシング」と「待つ力」の不思議な関係~

           この詩は、岡村心平先生が書かれた「予感する身体」という論文に出てくる詩です。この論文は、身体の感覚に注意を向ける心理療法”フォーカシング”について考察されています。そしてこの意味深な忠告自体は、詩人リルケが詩を書くある青年に送った言葉だそうです。  何かを感じているのだけど、なんて言ったらいいか分からず胸の辺りがソワソワ、モヤモヤする、というご経験、皆様お持ちではないですか?人が何かに気づくときには、それに先立って、「何かまだはっきりしない、意味を含んだ、漠然としたからだの

          特別研究員コラム⑤:身体の声、聴いてますか?~「フォーカシング」と「待つ力」の不思議な関係~

          チビさきみのこべや⑪『セミナーを振り返るwith特別研究員黒木さんpart2』

          みなさま、こんにちは。VCラボのチビさきみです。 今日も、VCラボ特別研究員の黒木さんと、9月8日に開催した産業ダイアローグ研究所SDラボとVCラボの合同セミナー『「VUCA時代の対話」オープン・ダイアローグの経験から』について、振り返ってみます。 このpart2では、オープンダイアローグ・対話をどのように捉えるのか、人事の視点とカウンセラーの視点の違いがより浮き彫りになりました。 課題はオープンダイアローグ・対話のメリットの見える化 チビ:セミナーでは、米沢先生がもう

          チビさきみのこべや⑪『セミナーを振り返るwith特別研究員黒木さんpart2』

          所長コラム⑰ポジティビティ比「3:1」について

           こんにちは、所長の松本です。突然ですが、3:1の法則(ロサダライン)というのは、ご存知でしょうか? ミシガン大学で博士号を取得したビジネスコンサルタントのマルシャル・ロサダは、長期にわたりビジネス界における優れたチームの特徴を研究していました。  ロサダはチームの行動パターンを調べるため、マジックミラーを取り付けた会議室にビデオカメラを設置し、会議の発言を記録しました。60のチームの観察を行い、発言内容はコード化され、ポジティブかネガティブかで分類されました。分析の結果、

          所長コラム⑰ポジティビティ比「3:1」について

          チビさきみのこべや⑪『セミナーを振り返るwith特別研究員黒木さんpart1』

          みなさま、こんにちは。VCラボのチビさきみです。 今日は、VCラボ特別研究員の黒木さんと、9月8日に開催した産業ダイアローグ研究所SDラボとVCラボの合同セミナー『「VUCA時代の対話」オープン・ダイアローグの経験から』について、振り返ってみます。 VCラボ特別研究員の黒木さんは、日本企業と外資系企業の人事での経験を活かして、「自分や家族の生活を大切にしながら、健やかにやりがいを持って働くことをサポートしたい」と、現在、大学院で産業臨床を学んでいます。 この振り返りでは、

          チビさきみのこべや⑪『セミナーを振り返るwith特別研究員黒木さんpart1』

          所長コラム⑯自己言及のパラドックス

          ●嘘つきのパラドックス  「嘘つきのパラドックス」と呼ばれている言説があります。有名なのが「エピメニデスのパラドックス」または「クレタ人のパラドックス」と言われるものです。  新約聖書には、ギリシャのクレタ島クノッソス出身の哲学者エピメニデス(紀元前600年ごろ)が言ったとされる「クレタ人はいつも嘘をつく」というパラドックス(逆説)が取り上げられています。  自分自身がクレタ人であるエピメニデスが「クレタ人はいつも嘘をつく」と言った場合、クレタ人であるエピメニデスのこの

          所長コラム⑯自己言及のパラドックス