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《第3話》悲劇はクライマックスへ

前回の続き)
第3次審査=最終審査です。
何百人もいたはずの会場前も、ひとつオーディションが終わる毎に、だんだん閑散としてきました。けれど、ママさんと喫茶店に入ってしまうと、また同じ間違いを繰り返す予感しかしないので、外で待つことにしました(賢明)

日が暮れ始めてきました。
そろそろ配役発表の時間です。
あおちゃんの(モリー)役は、最終4人までしぼられてました。
結果発表会場へはママさんだけしか入れないので、(親戚になりすまして入ろうとした)私は不本意ながら、会場前の通りにいました。

すると、どこからともなく、こどもの泣き声。
それまでも何人もの子が、残念な結果になって会場を後にする姿を見ていたので、『ああ、きっと、泣いてる子もそうなんだろうなぁ』とぼんやりと思っていると、百メートルくらい先、建物の裏から出てきた十数名の親子たちの集団から、案の定、その声が…

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