見出し画像

テレビの前のお友だち!

初対面のよその子どもを「お友だち」と呼ぶ親をよく見かける。
公園などで「お友だちにバイバイしましょうね」などと。
子ども番組では「テレビの前のお友だち!」と呼びかけたりもする。

これにずっと違和感を覚えてきた。
いくらなんでも初対面で友だちはないだろうにと。
ましてや顔すら合わせないテレビの前の子どもに友だちだなんて。

たとえば、「お友だちにバイバイしましょうね」と言われた子どもが「お友だち、バイバーイ!」と言ったら、やっぱり変。
大人は「みんなにバイバイしましょうね」「テレビの前のみんな!」がおそらく正しい語法だと知りつつ、あえて「お友だち」を使っているのだ。
そこには、目に映る同世代(たとえそれがテレビ越しであっても)は友だちだ、仲よくしなければいけない対象なのだ、と子どもに意識させたい大人の思惑が見える。

もちろんその教えは悪くないし、そもそも子どもは、この子は友だち、あの子は違うという線引きはせず、初対面でも友だち、つまりみんな友だちという感覚なのかもしれない。

と思ったところで違和感が消えないのは、悲しいかな、自分がなんでも線引きしてしまう大人になってしまったかららしい。

(2015/8/14記)

サポートなどいただけるとは思っていませんが、万一したくてたまらなくなった場合は遠慮なさらずぜひどうぞ!