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ハンバーガーとマカロン

電車で前に立った女性の持つバッグに、2cm大のハンバーガーの図柄が等間隔で一面に描かれていた。
それらは1色で塗られていたが、一つずつ色が違った。

緑のものもあれば、赤のものもある。
カラフルなハンバーガーなんて斬新、赤いのは甘そうやな、おもろいバッグやな…と眺めながら、ちょうど眠かったせいもありそのまま眠りに落ちた。

しかし電車が強く揺れ、眠気が吹っ飛んだ…と同時に、ハンバーガーと思っていたものがすべてマカロンだったと気づく。
何度見返しても、もう二度とハンバーガーには見えることはなかった。
あちゃぁ、カラフルで当たり前、甘くて当然やし。

なんだそういうことかと気づいてしまうと、バッグもいたって平凡なものに見えてきた。
いやしかし、案外、前の女性がハンバーガーのバッグからマカロンのバッグに持ち替えたのかも、という空想も同時に頭をもたげる。

真実は知らない。
いずれにせよ、寝ている間に世界は変わったのだ。
眠い車中で意外な結末を見せてくれたことに一人にんまり。

(2015/4/24記)

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