いつも話を聞いてくれて、ありがとう

人には口と耳がある。

口で喋り、耳で聞く、当たり前だ。
人は誰かに何かを伝えたくて、口で喋る。
そして人は誰かの言葉を受けとめたくて、耳を傾ける。

口はなくとも、つまり言葉がなくとも、耳はいろんな音を聞ける。
しかし耳がなければ、発した言葉はいったいどこをさまよう？
染みいる聞き手あってこその話し手なのだ。

自分は口下手で…とまるで負い目のように感じる人がいるが、いやいやどうして、そういう人はちゃんと聞く耳を持っている。

口から次々言葉が出てくる人もそれはそれで立派だとは思うが、言葉は時に優しくもありながら、時に人を傷つける武器にもなる。
しかし耳はどんなに意地悪に使おうとも、攻撃的にはなり得ない。

口が凸とすれば、耳は凹。
世の中の凸凹、うまく成り立っているのは、しっかり聞く耳を持っている人のおかげではないだろうか。

いつも話を聞いてくれて、ありがとう。

（2016/2/26記）