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この肩こりはずっと一日緊張していた証だろう

免許取り立ての娘が練習したいというので、昨日レンタカーでドライブ。
1年前に免許を取ったままほぼ乗っていないという上の息子も道連れに。

出発前、父さん口うるさく言わんとってよ、と娘に釘を刺された。
ん? 娘よ、父が黙って見守るタイプというのを知らんな?

天空の城・竹田城に行きたいといっていたが、冬季閉山中。
なら神戸から近い三田(さんだ)にしようか、いやもう少し先の篠山(ささやま)まで行こうよ。
神戸の北に三田、さらにその北に篠山という位置関係になる。

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ドライブルートを折半しソロリソロリと走る二人の初々しい運転を、僕は助手席でただ微笑ましく眺めていた。

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篠山は父の郷里だ。
20年ぶりくらいに訪れた。

丹波の小京都と呼ばれる篠山は、祭や文化に京の影響が色濃い。
篠山城を中心に武家屋敷の町並み、六古窯〈立杭焼〉、黒豆・栗・猪などの美味などが揃い、古民家をリノベーションしたカフェや宿なども賑わう。
ふらりと遊びに行くのにちょうどよい町。

町ブラしていると祖父の眠る寺にたまたま行き当たり、墓碑に手を合わせ皆の無病息災を願った。

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門前の回転焼の店が気になって入ってみた。
雑貨屋のリノベーションのようなので、店を始めて長いのかと聞いてみたら、そうですね、今日でかれこれ5日目ですと返ってきて、くすっ。

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昨日くらいからうまく焼けるようになってきたという回転焼は、ほっこりホームメイドの味。

氷点下の凍てつく空気の中、ひっそりと日曜の朝を迎えた篠山の町。

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猪のぼたん鍋がとくに有名で、至るところで猪の巨大オブジェを見かける。

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ぼたん鍋店といえば、昔は軒先に猪親子の剥製が置かれていたものだけど。

次に訪れた三田では、空いているうちにと巨大アウトレットへ。
ところが駐車待ちの長蛇の車列、入場制限がかかって外で待つ人の行列、各店をハシゴするあふれんばかりの人人人…

昼ごはんもショッピングもそこそこに、もう帰る?と聞いてみたら、〈めんたいパーク〉に寄りたい!と。
娘は小さい頃から明太子が好きなのだ。

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明太子メーカーが全国の自社工場に併設しているもので、工場見学と試食ができ、カフェや売店がある。
赤い明太子を検品したり仕分けたりと何やら忙しそう。

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満腹で試せなかったカフェのめんたいソフトは、次また試してみよう。

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娘がまだ運転したことがないという高速道をあえて選んで帰途につく。
えー高速? 命の保証ないで! と運転した娘と息子、案外上手だった。

わが子が運転するドライブはとても楽しかった。
子供たちが育ち、いっしょにおでかけというのが年々減って淋しい思いもしているが、大きくなったからこそのおでかけもあるんだな。

出発前の約束どおり、助手席からはほぼ何も言わず拙い運転を温かく見守ったが、帰り着いてのこの肩こりはずっと一日緊張していた証だろう。

(2022/1/10記)

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