音楽とは、本当に強いもの〜東京・春・音楽祭 記者会見

 今日は「東京・春・音楽祭」の記者会見へ行ってきました。 

 毎年桜の時期に、上野近辺の会場で開催され、今年で18年目になる、クラシック音楽界の春を代表する音楽祭です。

 この2年間はコロナ禍でかなり制限された開催を強いられてきましたが、今年は「3年ぶりにほぼ全ての公演を実現できる」(実行委員長の鈴木幸一氏)。コロナ鎖国も終わり、外国人もほぼ来日でき(ただしウクライナ危機でフライトがなかなか大変とのこと)、70公演ほどが開催されます。「18年やっていると、色々ある」と感慨を漏らされていましたが、本当に良かったです。
 それでも毎日抗原検査を実施するなど、まだまだ細かく気を使って運営されているとのことでした。

 名物のワーグナー・シリーズも3年ぶりに復活。懸案だったプッチーニ・シリーズもスタート。「プッチーニ・シリーズ」を始める理由は、「近年、読響が充実していて、読響さんと取り組めるものということで、オーケストラが重要な役割を果たすプッチーニを選んだ。ワーグナーがN響だからというのもある。どちらかというと、読響あっての企画」(事務局長の芦田尚子さん)。なるほど。


 昨年「マクベス」で大名演を聞かせてくれたムーティ指揮の「イタリア・オペラ・アカデミー」、今年は「仮面舞踏会」が予告されていたのですが、いつの間にかイタリアオペラアカデミーの公演自体がなくなっていたので、質疑応答の時にそのことを質問したら、「ムーティの意向で、無観客とかなんとかというリスクがなくなり、ちゃんとアカデミーの客席に学生を入れるなど、完璧に実行できる態勢でやりたい。そのため来年に延期した。来年は必ずやります」とのことでした。期待!

 ストリーミング配信も、有料ですが(でもとてもお安い。オペラが千百円とか)ほぼ全公演で実施し、世界に発信するということでした。「世界の人が見てくれているという意識があることで、音楽祭が変わるかもしれない。クラシック音楽は小さな世界なので、皆がアクセスできるようにして、世界の人たちが感動してくれるような音楽祭にしたい」(鈴木委員長)ごもっともですね。
  

 質疑応答で、ここまで音楽祭を続けてきた想いについて聞かれた鈴木委員長、「昔仕事で滞在していたソ連占領時代のプラハで、仕事が終わって帰ろうとしたら、音楽祭(プラハの春音楽祭)まで滞在してくれと言われた。自分達は音楽祭があるから生きているのだとまで言われた。音楽というのはそれほど強いものかと思った」。
 いいお話でした。
 

 記者会見場で、音楽祭のメイン会場である東京文化会館のロビーには、満開のそれは見事な桜が活けられていました。
 

 音楽祭の成功を心から願います。
 

 音楽祭は本日開幕。プログラム情報などが掲載されている公式サイトはこちら。自宅で楽しめるストリーミングも便利です。私は昨年結構ストリーミングを購入してお家コンサートを満喫しました。

 https://www.tokyo-harusai.com/


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?