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接客について先輩が教えてこなかったこと その2 お客様に尊敬されろ

おはようございます。

今回は「会話」について書きます。

会話がうまい人って、いるんですよ。会話について努力をしていなくても、お客様の会話の切り返しが上手だったり話題の振り方がうまかったり、今誰に話しかけると場が盛り上がるかわかっていたり逆に全員がつまらなくならないようにまんべんなく会話を振ったり、そういうのが自然とできる人がいます。

そういう人と夜飲み歩くと会話の振り方のうまさにほれぼれします。

僕は性格が悪いのでいつもそういう人と会うと「ほんとずるいよね、そういうのって。なんでそんな会話うまいの?」って聞くんですけど、だいたいそういう人って「いやー、人と話すのが僕好きなんですよ」って答えることが多いような気がします。

それだけかよ…って思うんですけどまさに好きこそものの上手なれ、っていうことなんでしょうね。

僕はと言えば、ものすごく話すことが苦手でした。すぐ噛んでました。どもってました。

電話の受話器を取っての「お電話ありがとうございます」が言えなくて「お、お電話あっ、じ、ます」みたいになっちゃうので、自宅で何度も練習してました。「おでんわありがとうございます、おでんわありがとうございます…」。

ちなみに「お電話」と「ありがとうございます」の間に一呼吸入れてゆっくり発声すると噛みづらいですよ。同じお悩みの方はぜひ試してみてください。

あと、たまにnoteやtwitterでも書いていますが、話すのが苦手なことに加えて元々僕は人間嫌いだったんですよ。だから人と話すなんて好きなわけがないです。それは今でも変わらなくてどうしても話すことに気を遣ってしまうので、仲良くならないと他人といるとひどく疲れます。

それでもレストランって、お客様と仲良くならないといけないんですよ。それってだいたいの接客業には求められるスキルですよね。

年収1000万円サービスマンの話が一時期twitterで出ていましたが、最低条件の一つが「自分で客を呼んで少なくとも一週間は客席を満席にさせること」でした。これって、仲のいいお客様がそれだけたくさんいないとできないことです。高い評価を受けるサービスマンの一つに集客力というのはあります。

「集客って経営者のやることじゃないの?」みたいなことをもしかしたら思うかもしれませんが、僕はそれには半分しか賛同しません。一見客を呼べるかどうかは経営者の責任でも、リピーターになるかどうかはサービス担当の責任だと考えているからです。

店に来たお客様をトリコにできなければ、あなたはただのお運び人です。どんな経営者もそんなスタッフに高い給料は払わないでしょう。

では、どうやってお客様と仲良くなるのか。それには会話が欠かせません。話さなくても仲良くなるなんて不可能ですから。

必要なのは、コツを抑えた「会話」です。さて、第二回。いきましょう。

「ちょっと黙ってて」

僕は2か月だけバーで働いたことがあります。僕が今では酒の師匠と勝手に仰いでいる方がマスターだったのですが、「厳しく育ててくれ」と言ったら本当に厳しすぎて、2か月で心が折れました。

そのバーは街の中心部から離れたある駅から徒歩5分の店でした。小道一本入ったところにあって、駅から歩いて帰るサラリーマンが家路への途中にふらっと寄っていくような立地です。

そういう立地のバーのほとんどがそうであるように、お客様のほとんどは常連さんでした。毎日顔を出すような方も多かったです。

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