行進
ふわりとしてしゃなりと
右と左の間に
上下は波打って軽やかな行進
前と後ろの間に右旋回左旋回
天と地を弾む足
すべての生き物に紛れて
やっかみもどんな言葉も跳ね退けて
概念と観念の間をすり抜ける
その背中に触れたくて追いかける
へなりとしてたんたんと
すべるようなステップ
こおろぎの脚に付け替えて
トカゲの捻りも忘れないで
山に入り谷底をひっそりと
風の中の行進
豊かさを知るまえの原初の鼓動に触りたい
口ずさんだ異国の歌とかじり捨てた果実の核
罪と罰に振れないたくましさに
落っこちてしまいたい
蔓を編む
その籠で眠りながら夢を見る
香りの良い夢にはあなたの鼻歌が聴こえる
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