人生の転換期に起こること
人生の転換期には
いつも同時進行で真逆のことが起こる。
心外なくらいのトラブル、
思っても見なかったチャンス。
実は水面下で塵のように積もっている。
普段はそのことに目をやる余裕がないだけで、
どこか心の澱のように感じていることは
自分でも分かっているはずだ。
だのに、不意打ちを喰らったかのように
神経がズタズタにやられてしまう錯覚に陥る。
鬱積したモヤモヤがだんだんと
自分を腐らせていると気づいていたはずなのに。
もう受け止めることすら出来ず、
逃げ出したいという気持ちだけが先行する。
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人は皆とても臆病な生き物だ。
社会というものを作り出し、
その中で平和や調和と叫び、倫理と道徳を生み出す。
自分だけを傷つけることなく、
やりすごす手段を編み出している。
また人はとても勝手な生き物だ。
誰が決めた訳でもないのに、
その軸に当てはまるものだけを正しいと判断して、
それに一喜一憂している。
新しいことに挑戦する前や
新しい環境に飛び込むとき、
自分以外の他人が試した方法を吟味する。
できるだけ同じ失敗をしないように。
前例がなければ諦める。
そこに無駄なエネルギーを費やさない。
聞こえはクールだが要は失敗したと笑われたくない、
他人から嘲笑されたくないという自尊心があるだけ。
自分にさえ本心を隠して仮面を被り、
心の中では冷や汗をかいているのに、
そんな気持ちに蓋をして平気な顔して生きている。
いったい誰のための演技なんだろうかと思いながら。
アクセルとブレーキを同時にかけると、
何が起こるのだろうか?
タイヤは空回りし、
地面との摩擦で煙がもうもうと舞い上がり、
前に一向に進まない。
前に進むエネルギーは不毛に終わり、
得たい結果を台無しにする。
どんなに巡りが良い人生でも停滞期はやってくる。
良い巡りであればあるほど次の摩擦は大きい。
それに、人生の転換期は一つだけじゃない。
片手で事足りるような回数でもない。
本当は毎日の中で、私たちの体の中で、
心の奥底で、絶え間なく起こり続けてる。
私やあなたが気づこうが気づかまいが、
同時に真逆の出来事が立て続けに起こり、
パニックになったとしても、
心と身体は勝手に自己判断をしながら、
自分という存在を生かすためだけに活動している。
私という生き物は、生命活動に貪欲で、
そこに正しいも、間違いもない。
誰かが決めた時間や価値に合わせることなく、
自分が大切にして来た感覚を
ゆっくり丁寧に掘り起こしていけば良いだけだ。
今夜もまたそう自分に言い聞かせて
寝床につくことにしよう。
Kimi