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ランタン彩る古都の郷愁チキンライス

古きよき時代の街並みを今に残すベトナム中部の古都”ホイアン”は世界遺産。
多様な文物が交差したという歴史が、建築物に反映されていて、中国風の寺院、色彩豊かなフレンチコロニアル様式の建物、凝った造りのベトナムの家、仏塔がある屋根付きの日本橋(来遠橋)まで、さまざまな時代と様式が混在しています。

そんな街並みが、いつかどこかで出会ったような懐かしい景色に、いつも旅人を不思議な郷愁の想いにさせてくれます。


今では観光名所となり、沢山の外国人で賑わっていますが、私が初めて訪れた20年以上前は、時間の流れが止まっているかのように、静かで穏やかな街でした。
自転車を借りて、小さな街中を探索しながら、美味しいモノを探し求めました。


チキンライスは、東南アジアではどの国でも食べられているメニューのひとつ。


タイならカオマンガイ
シンガポールは海南鶏飯
マレーシアはナシアヤム
日本も鹿児島県奄美の郷土料理は鶏飯

勿論、ベトナムにもコムガー(Cơm Gà)というチキンライスがあります。

ベトナム全土で食べられているコムガーは場所によっても様々なスタイルがありますが、ベトナムを旅をしていた時に、最初に食べたのが”ホイアン”のコムガーでした。


柔らかな鶏肉に黄金色のごはん。
そこに添えられたピリッと辛いタレ、なんとも言えないクセの強い香りのハーブ。

一口食べるごとに味わい深く、止まらない。

ふとまわりを見渡してみると、ノスタルジックな空間の中で、なんて美味しいごはんを食べているのだろうか..と至福と共にベトナムの魅力とは何なのか..
時が止まった瞬間でした。


16世紀にこの地に憧れ、朱印船貿易によって移り住み、日本人街を形成した先人たちによって架けられた別名「日本人橋」
私達にとっても非常に縁の深い木造橋が残る和の雰囲気かと思えば、夜になれば観光客で賑わう通り一帯にランタンが灯り、より華やかな夜の表情に変わり、思わず息を呑むほど美しい景色。
中世アジアの世界を旅しているような気分に…

古き良き街とはホイアンのことを言うのでしょう。

そこに根付く味は、中世的でもあり、エキゾチックな香りは忘れられず、今でもベトナム料理の中でもたまらなく好きなメニューの一つ。


今日からお店(nu)では”コムガーホイアン”メニューがスタート。
香りの決め手は”蓼”
たで(蓼)食う虫も好き好きとは言いますが、一度食べたら無くてなならない香り。
柔らかな鶏肉とホイアン味のピリ辛チリオイル。


混ぜるほどに、食べるほどに、ホイアンを思い出します。

自分の大好きな味を一皿に仕上げました。
Hội An
今一番訪れたい街..



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